苦節5年ついにこの時がやって来た。FTBJの設立当時から流氷を見に来なければFTBJを運営する意味が無いと思い,5年間の構想期間を経てやっと厳寒のオホーツクにたどり着くことが出来た。
3月2日(土)
春を思わせるような陽気が続いた東京を離れはるばるやって来た道東は飛行機の上から見渡すとまだ一面銀世界であった。根室中標津空港に10時30分頃到着し、ニッポンレンタカーでホンダのライフをレンタルし、スタッドレスタイヤの足回りも軽やかに一路網走を目指して北東方面の道路をひた走った。途中とある峠で吹雪になり、視界不十分の状態を何とか乗り越えて昼前には網走に到着した。
網走といえば高倉健の番外地だが、網走刑務所の近辺の居酒屋やラーメン屋はやはり番外地を名乗っていやがった。網走の観光名所といえばやはり博物館網走監獄が名門中の名門ということになるであろう。心の優しい私は財務省の高級官僚であるマサが将来収賄罪で捕まり、網走監獄に投獄されることを想定してわざわざ監獄の下見をしといてやろうと思ったが、入場料がもったいないのでやめておいた。しかし、概観だけを見ると7年前に見物した当時とほとんど変わっていないように思われた。
今日のメインディッシュは網走港から出航する砕氷船オーロラ号に乗り、寒風吹きすさぶオホーツク海を海氷をかき分けてクルーズすることであったが、何と強風のため、船は全便欠航という憂き目に遭い、結構なことだと思ったのであった。ここ網走は鈴木宗男議員の地元であるため、大声で恫喝すれば船は出るのではないかと考えたが,田中真紀子の怨念がマサったためか船はどうしても出せない様子だった。
ということで網走くんだりまで来た意味を無くしてしまったため、さらに107km北上してオホーツク紋別まで足を伸ばすことにした。紋別に着いた頃には日もとっぷりと暮れてしまっていたため、紋別プリンスホテルに早々と引き払うことにした。紋別プリンスホテルの露天風呂付き大浴場で疲れを取ったあと、ホテルのレストランで夕飯を食うことにした。水槽の目の前の席に座らされたため、これから釜茹でにされる運命のタラバガニや不細工な顔をした魚と目を合わせながらカニを食うことになってしまった。
3月3日(日)
昨日の悪天候が災いして今日の朝8:00に予約しておいたガリンコ号IIが出航出来るのか心配であったが、何とか出航出来るとのことであった。ガリンコ号IIは紋別が誇る2代目の砕氷船でソ連から技術供与を受けた三井造船の最新のテクノロジーを使って作られている。
チケット売り場でチケットを買う段になって実は航路に流氷が無いという事実が発覚してしまった。マサであれば、流氷の町を名乗る紋別にこの次期に流氷が無いのは何事だ!と怒り狂い、財務省の予算を総動員し、日本中の氷屋から氷をかき集めてオホーツク海にばらまいてでも流氷見物をしたであろうと思われたが,それではマサにやらせになってしまうので私はただの寒い海のクルーズで我慢しとくことにした。
ガリンコ号は船の全部に搭載されたドリルで氷を砕きながら前進するのが特長であるが、今回は残念ながらその威力を垣間見ることが出来なかった。今日の航路は港近辺の凍った海を進んでお茶を濁した後、外海に出て数10分航海して港に帰ってきた。流氷がなかったということで下船際に観光客にガリンコ号の紙製のコースターを無償で配って機嫌を損ねないように配慮していた。
ガリンコ号の港の近くにオホーツクタワーというファシリティがある。このタワーは陸地より1000mほどの海の中に立てられており、海中からオホーツクの海の状況を調査することが出来るようになっている。また、流氷に関するビデオや資料、オホーツクの水生動物の飼育もしているのでここに来れば厳寒のオホーツク海の全貌を数時間で解明することが出来るのだ!
結局流氷が見られないという屈辱を味わい、落胆して網走への道を南下した。途中サロマ湖に立ち寄り、凍った湖の上でスノーモービルをしているリゾート野郎を見物した後、オホーツク海を左手に見ながら車を走らせていると網走のとあるさびれた漁港に流氷が着岸しているのを発見したので接近して写真に収めておいた。
その後、空港への帰り道すがら屈斜路湖の砂湯に立寄り、シベリアから越冬しにきている白鳥とたわむれている観光客の挙動を観察していた。屈斜路湖には日本くっしの未確認水生動物であるクッシ-が住んでおり,この地域のシンボルになっていることで有名である。その後さらに硫黄山で蒸し卵を食った後、そのままシュ~と摩周湖に向かい、根室中標津空港へ帰っていった。
厳寒北海道ツアー情報
*マイナス10℃の寒さにもかかわらず大手旅行会社が遂行しているツアーは繁盛している様子でどの観光地へいっても鼻水をこらえて顔を引きつらせて記念撮影を行なっているツアー団体を見ることが出来る
*オホーツクの流氷は気まぐれであり,風向き、潮の流れによって現れたり、消えたりするものだと思い知らされた。この時期にオホーツクに来る観光客はマサに運を天にまかせるしかないのである。
*スタッドレスタイヤを履いていればどんな雪道でも凍った道でも高速で走ることが出来る。
*北海道のカニは高い
ということで来年またリベンジに来なければならなくなってしまった!!
次回は沖縄より「やんばるの森でやんばるくいなを食いながらノグチゲラを見てゲラゲラ笑おうツアーをお送りする予定です。