大FTB春の祭典 アメリカ東海岸編

というわけでFTB2000U.S.A第2弾として東海岸編をお送りします。

ANAマイレージクラブのプラチナ会員兼スターアライアンスのゴールドメンバーである私はGET特割ハッピーフライデーとプラチナ会員アップグレードを巧みに組み合わせてマサであれば\300,000くらいかかっているところを\74,000でニューヨークビジネスクラス往復でのFTBを挙行した。

ANAの成田→ニューヨーク便はポケモンジェットであるはずと信じていたのだが、実際は何の変哲も無いB747テクノジャンボだったため、ANAにクレームを付けようかと思ったが、まあ我慢して乗ることにして一路ニューヨークを目指した。ニューヨークへはサンフランシスコから「アメリカ横断ウルトラFTB」で陸路を使うことも考えたが、今回は費用対効果の関係で直行便を利用させてもらった。

4月21日(金)

午前10時30分にJFK空港に到着した。天気はあいにくの雨であった。早速Avisに向いレンタカーをピックアップしたのだが、今回はキャバリエではなくSuzukiのEsteemというしょぼいコンパクトカーを与えられた。その足でボストンへの道を北上したのだが、あまりにも雨がひどいのでコネチカットのモーテル6に早々と引き払った。

4月22日(土)

マサよ、君はアメリカ北東部の小さい州がごちゃごちゃ込み合っているところを渡り歩いたことがあるか? 私は…ある! というわけで朝からあいにくの雨にもかかわらず、コネチカット、ニューハンプシャー、マサチューセッツ、ロードアイランド、メイン、バーモント州を渡り歩き、FTBはカナダのケベック州に入り、モントリオールを目指した。カナダとの国境を越えたとたん距離、スピード表示はマイルからkmにかわり看板はほとんどフランス語表示になった。

モントリオールは北米のパリと呼ばれるほどフランス文化が根づいており、英語よりもフランス語を話す人が圧倒的に多い。その日は1976年にオリンピックが開催されたオリンピック公園を訪れた。公園の中心部に金メダル獲得者の名前が刻まれた銅版のモニュメントがあり、その中でひときわ輝いていたのが女子体操の各種競技で10点を出しまくったナディア・コマネチの名前であった。その記念碑の前でビートたけし直伝のコマネチのポーズを決めようかと思ったが、人通りが多かったので断念した。その後、当時のオリンピックのメインスタジアムであり、現在はメジャーリーグモントリオールエクスポズの本拠地になっているオリンピックスタジアムを訪れた。そう、今日は日本が誇るヒキガエル伊良部の登板日である。

ミルウォーキー・ブリュワーズと対した伊良部は立ち上がりからホームランを打ちこまれるなど6回を4失点でノックアウトされた。しかしながら、スタジアムの場内放送はフランス語と英語であり、球場係員も貴賓のあるマダムやマドモアゼルが多く、野球場内であっても格調高いフランス文化を十分に堪能することが出来た。

4月23日(日)

モントリオールを後にしたFTBは西へ進路を取り、一路トロントを目指した。トロントはオンタリオ湖畔に位置するカナダ最大の都市であり、トロント・ブルージェィズの本拠地でもある。今日のブルージェィズはニューヨーク・ヤンキースをスカイドームに向かえ、1時15分にプレーボールが告げられた。スカイドームは世界で初めて開閉式屋根を採用した多目的スタジアムで後の福岡ドーム等にそのテクノロジーが引き継がれている。試合はというと両チームともホームランの打ち合いで最終的には10対7でヤンキースが勝利した。

CNタワーという世界一高いタワーがスカイドームの隣にあり、これに登らなければカナダに来た意味がないと言われているので登ることにした。もともとテレビやラジオ等の電波搭として建てられ、カナダ国鉄(Canadian National Railway)の頭文字を取って名づけられたCNタワーは553.33mの高さを誇りエンパイアステートビルを登り切ったキングコングでさえ登れないのではと思われるほど高い建造物である。展望台は346mの高さにあり、CAN$17.11を支払うとガラス張りのエレベーターでたった60秒で到着した。そこからトロント一の眺望を拝見したわけであるが、実はその上に447mのスカイ・ポッドという展望デッキがあるのだが、2時間待ちだったため断念した。

4月24日(月)

前日の夜にナイアガラフォールズエリアまで移動していたFTBは当然のようにナイアガラの滝を訪れた。ここでは昨年の8月に来たときに参加出来なかった滝裏ツアー(CAN$4.5)に参加した。そのツアーはエレベーターで50mほど降りてカナダ滝を裏側から見るというごく単純なツアーであり、世界で一番水が落ちてくる量が多いところで東京電力等が見るとよだれを垂らしそうな勢いを誇っていた。

3日間におよんだカナダ遠征を終了し、再び国境を越えて米国に帰っていった。

4月25日(火)

マサよ、アメリカ建国の地フィラデルフィアに来なければアメリカを語る資格がないと言われているのを知っているか? というわけで今日はニューヨークから2時間あまり離れたフィラデルフィアに行ってきた。まず最初に訪れたのはロッキー・バルボアことシルベスター・スタローンが打倒アポロ・クリードを誓った聖地であるフィラデルフィア美術館である。マサであれば階段を一気に駆け上がりガッツポーズをして「エイドリア~ン!」と叫んでいただろうと思われるほどすばらしい外観であったが時間の都合で中には入らなかった。その代わりにインディペンデンス国立歴史公園を十分堪能することが出来た。この公園は1776年にアメリカが独立宣言したときに由来するモニュメントや建物がたくさんあり、たくさんのガキや老人達と一緒にアメリカ建国の勉強をすることが出来た。

大リーグNo1左腕のアリゾナ・ダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンが登板するというのでフィラデルフィア・フィリーズの本拠地であるベテランズ・スタジアムに足を運んだ。ランディは初回から怪腕を披露し、6回2/3を投げて11三振を奪う力投でフィラデルフィアのファンの度肝を抜きやがった。

4月26日(水)

1987年の夏以来だからほぼ13年ぶりにニューヨークの中心部に戻って来たことになる。

まずはガラと治安の悪いブロンクスに位置するヤンキースタジアムでヤンキースとツインズの試合を見物した。試合は2発のホームランと勝利の方程式の継投でヤンキースが勝利を収め、平日のデーゲームにもかかわらずつめかけていた観客を大いに満足させた。試合後はお決まりの「ニューヨーク・ニューヨーク」の歌が流れここが世界の中心であるニューヨークだという雰囲気をいやがおうにも醸し出していた。

試合が終わるとロウアーマンハッタンへ移動し、バッテリーパークやウォール街を見物した。ウォール街にあるトリニティチャーチの色が黒から茶色に変わっているのを見て時の流れのはかなさを感じさせられた。13年前にお徳用パックで買ったトークンが3枚ほど余っていたので地下鉄に乗ろうとしたが、今はトークンは使えず、変わりにメトロカードというものが君臨していた。仕方がないので$10.-分購入し、ミッドタウンへ向った。長い物に巻かれやすいのは大蔵官僚のマサであるが、高いところに登りたがるくせのある私はキングコングが外壁の登頂に成功したニューヨークのシンボルであるエンパイアー・ステートビルの展望台に登った。ここの展望台は$100万する夜景をスーパーディスカウント価格の$7で見ることができることで有名である。まずは吹きさらしの86階(320m)の展望台で雨に打たれた後、その後30分くらい並ばされて102階の展望台に移動し、ニューヨークの夜景を十分に堪能する事が出来た。

4月27日(木)

昨日柄の悪いブロンクスのモーテルに宿を取り、緊張した夜を過ごしたFTBであったが、朝起きたら幸運にも生きていたので今日はクイーンズ方面に向った。クイーンズにはラガーディア空港があり、近辺のハイウエイからは飛行機の着陸シーンが数メートル単位で間近に見られ、成田在住の人であっても充分その迫力は堪能出来る。

ラガーディア空港の近隣にニューヨーク・メッツの本拠地シェィ・スタジアムがあり、シンシナチ・レッズを迎えてデーゲームが行われていたので見に行った。平日のデーゲームにもかかわらずスタジアムにはたくさんのニューヨーカーがつめかけていた。シンシナチ・レッズには今年移籍して来たケン・グリフィー・ジュニアがおり、我々の前で挨拶代わりのホームランを放ちメッツファンからブーイングを浴びていた。メッツの方はといえばピアザが欠場し、打線に迫力を欠き、結局1点差で試合を落としてしまった。

4月28日(金)

今日は大蔵省を中心とした日本の官僚主義を撤廃するための外圧をかけてもらうためにアメリカの首都ワシントンDCを訪問した。まずは将来マサが奇跡的に出世してホワイトハウスに招待されたときに迷子にならないようにホワイトハウス見学ツアーに参加しようとした。しかし9時半という早い時間にビジターセンターに行ったにもかかわらず整理券はすべて配布済で中に入る事が出来ず、結局外から白い建物しか見れない状況だった。

その後、ギャラリーフェイクとも呼ばれている私は無料で見物出来るスミソニアン系のミュージアムを何件か訪れた。そのなかで目を引いたのがアメリカの歴史博物館に展示されていたアプライドのP-5000の1号機であった。それはInformation Ageというセクションの中で半導体を製造するための重要な装置や!ということでさる然とした輝きを放っていた。また、見学者の間の噂話でアプライドの社員でここにおいてある遺品の装置にお参りに来なければ出世出来ないということであった。

DCを後にしたFTBは1時間ほど北上し、メリーランド州にあるボルチモアに向った。ボルチモア・オリオールズは本拠地オリオールパークアットカムデンヤードにテキサス・レンジャーズを迎え打ち、試合は延長戦をサヨナラ勝ちで制し、場内は歓喜の渦と化していた。

4月29日(土)

小金を持ったマサがぼったくりバーに入った状況は「カモネギ」であるが、カーネギーと言えばアメリカの鉄鋼王であり、工業都市ピッツバーグを連想させられる。というわけでペンシルバニア州の西、オハイオ川、アルゲイニー川、マノンガヘイラ川の3つの河川「スリーリバース」に囲まれたピッツバーグを訪問した。

ピッツバーグ・パイレーツは本拠地スリー・リバース・スタジアムにシンシナチ・レッズを迎えて午後1時35分からの試合開始であった。ところでパイレーツといえばチケットを買うときに「だっちゅ~の」のポーズをすると割引になるという噂がまことしやかにささやかれていたが今日それが迷信であることが証明された。試合の方はシーソーゲームで観客も多いに盛り上ったが、結局6対5でパイレーツが負けたっちゅ~の!

4月30日(日)

マサよ、君は目の前で野茂が三振と取るところを見たことがあるか? 私は…ある!

しかも9回も!

というわけで今日はデトロイトまで車を飛ばし、デトロイト・タイガースの本拠地であるコメリカ・パークでシカゴ・ホワイトソックスから野茂がバッタ、バッタと三振を取るシーンを見に行った。タイガースと言えば日本では最下位の常連のお荷物球団であるが、ここメジャーでも現在ダントツの最下位を快走している状況である。そういった環境でマウンドに立ったエース野茂であるが、7回2/3を投げ2失点、9奪三振の力投で勝ち投手にはなれなかったもののタイガースの勝利に貢献し、デトロイトのファンの期待に応えるとともに度肝まで抜いていた。

5月1日(月)

「笑ってもっとベイべェ~♪♪無邪気にオン・マイ・マイン♪♪」と鼻歌を歌いながらいとしのエリー湖の近くをドライブしながらFTBが向った先は京都と姉妹都市の関係にあるボストンである。

マサよ、君はグリーン・モンスターを知っているか?

フェンウエイ・パークは1912年に建立された現存する世界最古のメジャーリーグ球場でありレフトが極端に狭い変形球場としても有名でその狭さを補うために11mの高さを誇る通称グリーン・モンスターというフェンスが設置されている。ボストン・レッドソックスは地元にデトロイト・タイガースを迎え、7時5分の試合開始より壮絶な打ち合いが開始された。今日グリーン・モンスターを越えたホームランが3本あり、またグリーン・モンスターを直撃した長短打も数本あり、充分にそのモンスターぶりを見せてくれた。

5月2日(火)

アメリカの歴史にさる然とその1ページを残している事件にボストン茶会事件がある。そのなかの船の1隻ビーバー2世号がレプリカとして復元され、博物館になっているので見に行った($8)。船の中は事件の起きた1773年当時を復元しており、また当時の衣装を着けた人が事件の話をしてくれ、彼が「Dump the tea」と言うと観客は「Into the sea」、「No Tax」言えば「On tea」と無理矢理叫ばされ、そして船の甲板まで連れて来られ、実際に観客の1人がお茶を海に投げさせられるパフォーマンスを演じていた。当時海に投げ捨てられたお茶は$33,000(現在の価値で$1.7ミリオン)相当で近隣の海は紅茶色に染まったということであった。

独眼竜正宗、清水の次郎長の子分である大政、子政、しらけ鳥の小松政夫等マサと名の付くものがあこがれる場所がマサチューセッツ州の州都であるボストンの州議事堂であり、ここに来なければ1人前のマサになれないと言われている。州議事堂の中には初代州知事のジョン・ハンコックをはじめ歴代の州知事の肖像画が飾られたりしており、歴史的な雰囲気を醸し出していた。

チャールズ川を挟んでダウンタウンの対岸に位置するケンブリッジは学園都市として有名である。まず、クリントン大統領も卒業したハーバードを訪問しようとしたが、間違って大前研一の母校であるMITことマサチューセッツ工科大学に着いてしまったのでついでに見学した。キャンパスは日本の大学とは比べものにならないほど広大でマサが優秀な成績でディプロマを取得したUCバークレーよりも全然すばらしかった。その後ハーバードが見つかったので何か適当な授業を聴講し、マサに1000ページ相当のレポートを送りつけていやがらせをしてやろうかと思ったが、夕方だったため授業は終わっていたので代わりに生協でTシャツを買っておいた。ハーバードの建物はすべてレンガ造りであり、1636年創立のアメリカ最古の大学の重みを充分に感じさせてくれた。

5月3日(水)

ANA009便で帰国

FTBサマリー

総走行距離       約4300マイル(成田~シアトル間は4776マイル)

総ガソリン代     US$171.53, CAN$40.-

総宿泊代         US$735.02, CAN$55.-

訪問した州の数   US 13州(ニューヨーク、コネチカット、ロードアイランド、マサ     チューセッツ、メイン、ニューハンプシャー、リッチモンド、ペンシルバニア、ニュージャージー、メリーランド、デラウエア、オハイオ、ミシガン、CAN 2州(ケベック、オンタリオ)

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