♪くちぶえはなっぜぇ~ とぉくま~できこえ~るのォ??
中略
おしぃえて~おじぃ~さん おしぃえて~おじぃ~さん♪♪
後略
ということでオードリーをこお~どり~させてから早くも一年の月日が流れ去ってしまっていたが、その間、一日とてヨーロッパツアーのことを忘れることはなかった今日この頃である。
1月2日(水)
無事に新年を迎えた新東京国際空港は思いのほか空いていた。しかし出発ターミナルで多くの報道関係者を従えながら旅支度をしている可憐な少女が私の目に飛び込んできた。まだアルプスには到着していないのにもうアルプスの少女を発見したのかと思ったが、その子は、頬は赤くない代わりに髪の毛を金髪に染めた紛れもない日本人であった。そう、彼女はソルトレークオリンピックに出場するモーグルの上村愛子であった。そういえば昨日晩飯を食ったばかりなのに私のお腹はも~グルグル鳴り始めていた。
NH207便で12時間弱を空の上で過ごした後、とうとう飛行機のドアがウィ~~ンンと開いた。その音を聞いてまだここはスイスではなくウィーン国際空港であると気づかされた。ターミナルで入国のスタンプをもらった後、いきなりウィーンフィルハーモニー交響楽団の演奏で迎えられるのかと思っていたが、待っていたのは赤い制服を着た空港の係員だけであった。
約2時間後にオーストリア航空に乗り換えると1時間半程度でジュネーブ国際空港に到着した。空港からジュネーブ駅へは国鉄でわずか5分程度であったが、今日は到着した時間が夜だったのでJCBトラベルで予約しておいた★★★★ホテルのドゥ・ベルンに引き払い英気を養うことにした。
1月3日(木)
スイスの冬の夜明けは遅い!!朝8時過ぎてもあたりはなかなか明るくならない。しかも気温は氷点下を切っているのであろうか、道はカチンコチンに凍っていた。
今日はとりあえずジュネーブ近郊の探索からはじめることにした。ジュネーブは世界有数の国際都市であり、多くの国際機関の本部を抱えている都会である。とりあえず、アフガン紛争に早く終止符を打ってもらうべく国連ヨーロッパ本部に立ち寄ったが、朝10時からしか開門しないということだったので内部への侵入を断念してその近辺を散策することにした。するとWHO(世界保健機構)の本部と国際赤十字の本部があったので今回は国際赤十字博物館(SF10.-)を見物することにした。今まで赤十字とは何か事が起こると募金と称して金をボったくるとんでもない地下組織かと思っていたが、ここへ来てはじめてその活動の重要性を垣間見ることが出来た。博物館に展示されているものはクリミア戦争で元祖白衣の天使として活躍したフローレンス・ナイチンゲールのパネルや国際紛争や災害時に国境を越えて献身的に活動している赤十字の組員の映像や資料であった。
ユニセフ大使として黒柳徹子の10倍くらいの実力を持ち、その晩年の人生をボランティア活動に捧げたオードリーがジュネーブ近郊のトロシュナ村でグッスリ眠っているという情報を入手したのでお礼参りに行くことにした。ジュネーブから国鉄で2駅目のモルジュで下車し、「Audrey Hepburn」という道しるべを頼りにこお~どり~しながら30分程歩くとオードリーを奉っているパビリオンに到着した。しかし残念なことにそのパビリオンは12月20日~1月6日まで休館ということでオードリーが主演した「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」日産自動車も後援した「マイフェアレディ」等の貴重な資料を見ることが出来なかった。
後ろ髪を引かれる思いでトロシュナ村に別れを告げ、さらに一駅東のローザンヌで下車した。世界有数の学術都市であるローザンヌでまず訪れたのはローザンヌの顔とも言うべきノートルダム大聖堂である。スイスで最も美しい教会といわれるこの大聖堂は町の高台にそびえ232段の階段を登って到達する鐘楼からは古い町並みとアルプスやレマン湖を一望することが出来る。
IOC(国際オリンピック委員会)は1917年にローザンヌに設置されており、ローザンヌはオリンピックキャピタルを名乗っている。オリンピック博物館(SF15.‐)がレマン湖岸のプロムナードにオープンしていたので将来のオリンピック選手を目指している私にとってはうってつけのファシリティだと思い、見物することにした。
マサよ、君はシドニーオリンピックで金メダルを取った高橋尚子のアシックスのシューズがどこに展示
されているか知っているか!!??
オリンピック博物館に展示されているオリンピックの歴史の数々ももちろんすばらしいのだが、やはり最大の見所は実際に使用された選手のユニフォームや道具であろう。ここには高橋選手のシューズだけでなくスピードスケートの清水宏保が金メダルを獲得したときのSサイズのユニフォームも展示されていた。
1月4日(金)
朝5時16分の列車に乗り、スイスの首都ベルン、アルプスの城下町インターラケンを抜け、アルプスの代表的な登山電車であるユングフラウ鉄道の乗り場に3時間ほどかけてはるばるやって来た。スイス人は勤勉で手先が器用なため、時計のような精密機械を作るのが得意である。時計を動かす歯車テクノロジーを応用し、線路の中央に張られたギザギザの歯の上を歯車を通すことにより、最大勾配25%という坂道を登りきることが出来るこの鉄道が完成したのは1912年のことであったそうだ。
頂上に到着するまでに電車を何本か乗り継ぐ必要があり、途中駅も数多くあるのだが、代表的な駅は明峰アイガーの北壁を見上げるクライネ・シャイデック(2061m)である。ちなみにアイガーに女の子と一緒に行くとあいが~生まれるとは地元のおじいさんでさえ知らないであろうと思われた。
その後、電車はアイガークレッチャ-駅を通過するとそこからアイガー北壁をぶち抜いて作られたトンネルに入り、アイガー(3970m)とメンヒ(4099m)の胎内をひたすら登ることになる。そしていよいよトップ・オブ・ヨーロッパと言われ鉄道駅としてはヨーロッパ最高地点のユングフラウヨッホ(3454m)に到着した。ここには氷の宮殿やユングフラウ(4158m)を見上げることが出来る展望台が数箇所設置されているが、中でもスフィンクス・テラス(3573m)といわれる全面ガラス張りのファシリティがある展望台はにわか高山病患者の宝庫としてたくさんの息苦しい人を遠ざかる意識の中で観察することが出来る場所である。
1月5日(土)
ジュネーブ駅の近くのバス乗り場にKey Tourというローカルツアーが細々と営業しており、ヨーロッパで一番高い山であるモンブラン(4807m)まで連れていってくれるということなので早速参加することにした(SF88.-)。モンブランを見上げる城下町であるシャモニ・モンブランへはジュネーブからフランスとの国境を越えてわずか1時間半ほどで到着することが出来た。
シャモニ・モンブランで必ず訪れなければならない場所はアルプス有数の展望台であるエギ-ユ・デュ・ミディ(3842m)である。ここへは2本のロープウエイ(EURO33.-)を乗り継いで到達するのだが、展望台からはモンブラン山群の大パノラマを目の当たりにすることが出来る。展望台には軽食が食える売店が出店していたので、当たりが出れば小銭がもらえるチョコレートとナッツでコーティングされたアイスクリームバーを購入しようと思っていたが、明治乳業もここまで這い上がってくる根性はなかったと見受けられ、アイスクリームは地元のネッスルのものしか置いていなかった。
氷点下の気温にもかかわらず、風も無い晴天のため肌寒さを感じなかったエギ-ユ・デュ・ミディからふもとにおりてシャモニ・モンブランの町並みを見物することにした。
「何もかも洗練されている・・・何もかも・・・・」というのが多くの人が感じるこの町に対する印象であろう。ここは四方をアルプス山群に囲まれた風光明媚な町であり、高い山から命がけでパラグライディングをしている冒険野郎を何人も見ることが出来るのだ。
また、この町はモンブランへの登山基地として発展した歴史を持っているため、山岳博物館(EURO4.-)には登山に関する多くの資料が展示されていた。
1月6日(日)
今日の午後ジュネーブを後にしなければならないため、見そびれていた博物館等を見物することにした。ジュネーブには無料で見物出来るファシリティが数多くあり、今回は時計博物館、自然史博物館、美術史博物館に侵入した。中でも最も目を引いたのは時計王国スイスを代表する豪華な時計の数々を目にすることが出来る時計博物館であった。バッティングの調子が狂ったときのイチローも微調整のために訪れると噂されているこの博物館にはおびただしいほどの振子がリズムを刻んでいた。
「怪奇!動く便座!! in ドイツ」
ジュネーブよりルフトハンザ航空でフランクフルトに入り、ルフトハンザのラウンジでくつろいでいた時のことであるが、トイレの個室で用を足し終わった後に驚くべき光景を目にしてしまった!非接触レーザー方式で水を流した後に便座が変形しながらいきなり回転をはじめたのだ!!柔軟性のある便座の挙動を細かく監視しているとそれは自動便座クリーニング装置により、清潔でおしりに優しいトイレ環境を構築するTOTOも模倣すべきテクノロジーが応用されていることが確認され、非常にうんちくを含んだ技術だと感心した次第である。
○特スイス情報
*ジュネーブでは13チャンネルでNHKが放映されており、「おはよう日本」はライブで見ることが出来る
*スイスの国鉄はスイスウォッチのように正確なダイヤで運営されているので「ダイヤをくれる(遅れる)」ことはない
*とあるレストランでシェフのおすすめのステーキを発注するとステーキの上にブルーチーズがとろけていてくどい味だったが、酪農王国の実力を思い知らされ感心した
FTBサマリー
総飛行機代 \133,660
総宿泊費 \30,000
総国鉄代 SF153
総私鉄代 SF162
総観光バス代 SF88
総ロープウエイ代 EURO33
今回歴訪した国:オーストリア、スイス、フランス、ドイツ
次回FTBは明日より、米国出張アメリカ大陸大横断の旅が始まるので何か話の種が出るであろうと予想されます。