今年の2月に石垣島を開拓したFTBJであったが、その際に西表島への上陸方法のノウハウを身に付けていた。今回はそのノウハウを実践すべく改めて八重山方面へと足を伸ばすことになった。
4月12日(金)
土日の休みを有効に使うために金曜の夜に移動を開始した。仕事をサクッとほっぽり出すと午後8時の飛行機に飛び乗り、午後10時半には沖縄に到着することが出来た。
4月13日(土)
朝8時の石垣行きANK便に搭乗すると50分程度で石垣島へ到着し、すかさず石垣港までバスで移動すると10時30分発の西表島行きのフェリーに首尾よく乗船することに成功した。石垣島からは近隣の離島に対して数多くのフェリーが出航している。その中でも西表島行きのフェリーの便数は多く、たくさんのツアー会社が日帰りツアーのメニューを持っているのだ。
石垣港を出港すると西表島の東部に位置する大原港にわずか35分で到着した。ところで西表島というと東洋のガラパゴス、日本のアマゾン、はたまた日本最後の秘境といわれているのであるが、船を下りると襲いかかるヤマネコ、観光客をだまそうとするひきょう者等の襲撃を食らうのではないかと恐怖におののいていたのだが、そこには平凡な田舎の風景と人のよさそうな田舎者しかいなかった。
今日の宿泊予定地である民宿南風荘にて原チャリをレンタルすると早速島の探索に向かった。ところで西表島の90%は温帯雨林と熱帯雨林であり、島の周辺を走る道路も島の半分くらいしかカバー出来ていないのだ。
西表島に来て必ず参加しなければならない催しものは水牛車にゆられて行く由布島への旅(\1,300)である。西表島の東部わずか400mに位置する由布島は干潮時には潮位がわずか20cmほどになるので徒歩でも水牛車でも渡ることが出来るのだ。ところでこの地方で飼われている水牛の総数は33頭であり、そのうち20頭はメスだということであった。私を乗せた車番20番の水牛車は三郎と名乗る16歳(人間年齢48歳)のオスが担当しており、水牛使いのおっさんによるとこの島で一番力が強い奴であるということであった。ベテランの三郎は観光客が全て乗車し、「OK!」という声を耳にすると鞭をいれられてもいないのに勝手に歩き出しやがった。また、水のほとんど引いてしまった海を渡りきり、対岸の島に到着すると「止まれ!」の声とともに車を止めて観光客をしきりに感心させていた。
水牛車が由布島に近づくと水牛使いのおっさんがおもむろに蛇味線を取り出した。観光客はてっきり「ドナ、ドナ、ド~ナ、ドォナァ~ ♪」とでも歌いだすのかと思ったが、おっさんは観光客の盛り上げを強制し、地元の民謡を謡いはじめ、観光客の拍手喝采をあびていた。
由布島の内部は亜熱帯植動物園が形成されており、たいしてめずらしくもない動植物を見物することが出来るようになっている。また、島内には水牛の休憩場所が設けられており、水牛はタバコを吸う代わりに池の中で水に浸かって英気を養っていた。水牛の水牛たる所以は水がないと生きていけないひ弱な牛でであるので、水に入ったり、水浴びをすることは水牛にとっては餌を食うことより大事なことだと水牛を虐待しているおっさんたちが得意げに語っていた。また、池の近くの水牛待合所にはオペレーションボードなる白板が設置されており、小汚い格好をしたヤングギャルが水牛車のローテーションを星野監督と同等の采配ぶりで管理していた。
夕暮れ時に港の近くの林の側溝でガサガサと蠢く音を耳にした。西表島に生息するサキシマハブの登場か!?と心躍る気持ちであったが、よく見ると体長20cmほどのカメが枯葉を掻き分けてほふく前進をしている姿を目撃した。このカメは国指定天然記念物のセマルハコガメという種で非常に珍しい動物である。動物に優しい私はすかさずセマルハコガメをラチすると鈴木宗男よろしく「丸紅や伊藤忠じゃ~あるまいし、誰が疑惑の総合商社やねん!」と恫喝をかました。このときにセマルハコガメが取った行動は危険がセマルと首と手足を引っ込めて箱男のように篭城してしまうことだった。
西表島にはそれなりの数の旅館や民宿があるのだが、今日私が宿泊した南風荘(\5,500)は宿泊施設はわびしいものであったが、飯は最高であった。地元で取れた魚の刺身等を前菜にメインは茹でた伊勢エビが出てきて宿泊客の度肝を抜いていた。ちなみにおばさんは翌日のメニューはイノシシ鍋だとこともなげに言い放っていた。
4月14日(日)
お世話になった南風荘を引き払うついでに今日も原チャリをレンタルし、再び島の探索に向かうことにした。島の北部に子午線モニュメントというファシリティがある。西表島には世界でここしかないという123°45’6,789″という緯度を持つ場所があり、マサにここが子午線モニュメントというわけである。
西表島で一番の長さを誇る浦内川からジャングルクルーズというボートツアー(\1,500)が出ているので参加することにした。ボートはジャングルの中を流れる川を8Kmほどさかのぼり、途中でマングローブの群落等を目にすることが出来る。ところでマングローブといってもそれでキャッチボールが出来るわけではないので野球好きのマサであっても注意しなければならない。マングローブとは、熱帯・亜熱帯地方の、潮の干潮によって影響を受ける泥地に生育する植物群のことで決してミズノやゼットやローリングスのお店では買えないのだ。
軍艦岩という船着場で下船し、ジャングルをかき分けて進むと日本の滝百選にも選ばれているマリユドゥの滝やカンピレーの滝を見に行くことが出来るので西表島の自然を間近で感じることが出来る大変おとくなツアーである。
マサよ! 君は星の形をした砂をその目で見たことがあるか? ということで阪神の快進撃を支えているのは他ならぬ星野監督の選手掌握術であるが、ここ西表島の北部に星砂の浜という星の形をした砂を大量生産しているビーチがある。このビーチはカラフルな熱帯魚も生息する典型的な南の島の砂浜であるが、砂粒を手にとってよく観察するとシャープエッジもまぶしい星型をした砂をたくさん発見することが出来るのだ!
西表島に来てイリオモテヤマネコを見なければ西表島に来た意味がないと言われているのだが、実はイリオモテヤマネコはクロネコヤマトと違って非常に珍しい野生の猫であるのでめったに発見することは出来ないらしい。その代わりに西表野生生物保護センターというところでヤマネコのビデオと剥製を見ることが出来るので訪問することにした。イリオモテヤマネコは原始的な猫であり、サイズは家猫と変わらないが、特徴的な斑点と太い尻尾を持っている。島の道路にはヤマネコをモチーフにした交通安全の看板がたくさん出ており、車やバイクはヤマネコのお願いを聞いてゆっくり走らなければならないといわれている。
日本最南端の温泉である西表島温泉(¥1,200)が暴利を貪りながら開業しているので話の種に入湯を試みることにした。温泉のファシリティは建設中のホテルとフリチンで入ることが出来る内風呂と露天風呂のほかにやまねこの湯と命名されている水着着用の外風呂、それからプールからなっている。泉質は単純アルカリ泉であるが、外風呂のやまねこの湯には明らかに塩素が混入されている臭いを漂わせていた。
日本最後の秘境西表島情報
*人口はわずか1,700人程度のチンケな島であるが、一応普通に生活出来るのだ
*ドコモのアンテナは設置されているので携帯は一応使える
*コンビニがあるほど文明開化はされていないが、山に入ればイノシシ等を捕まえてとりあえず自給自足では食っていけそうである。
*民宿のおっさんが大量のもずくを取ってきていきなり夕食の食卓にならべやがった
FTBサマリー
総飛行機代 \6,500(残額はANA御利用券利用)
総レンタバイク代 \6,000
総高速フェリー代 \2,930
総宿泊費 \8,800
次回はGW特別企画「苦節??年念願の祝???!」をお送りする予定です。