都会は秒刻みのあわただしさで、恋もコンクリートのかごの中の生活に少し疲れたので怒涛の2週連続FTBJを南国鹿児島県屋久島からお伝えすることにします。
2月10日(土)6:30発ANA241便、B767-300機に乗り込み、一路福岡空港を目指した。博多から西鉄高速バスに乗り換え鹿児島市内に到着したのはお昼を過ぎた頃だった。FTBの社訓第1条FTBのFはFlexibilityをあらわすことは先週説明したが、第2条FTBのTはTairyoku(体力)をあらわすため、鹿児島直行便ではなく、わざわざ福岡に飛んで厳しい高速バス(\5,300)を使った次第である。今回ANAのご利用券が大量に残っていたため、マサであれば¥66,000くらいかかっているところをわずか¥3,000で東京-福岡の往復航空チケットをゲットすることが出来た。ちなみにFTBのBはBinbou(貧乏)をあらわすとはまだ誰からも言われたことはない。
鹿児島港からトッピ-(\7,000)というジェットフォイルで屋久島を目指した。トッピ-とは大分空港から大分市内を往復しているホーバークラフトに匹敵する、海上を高速で航行することが出来る乗り物で翼走速度45ノット(83km)で滑走する鹿児島商船が誇る最強の乗り物である。トビウオのように海を飛ぶことからトッピ-と名付けられているこの船はウオータージェット推進システムという技術を使い、前後の水中翼で船体を海上から1.5~1.8m浮上させて走るため、全く揺れを感じることがないのである。
鹿児島埠頭でもくもくと噴煙を上げる桜島を見上げながら、飛行機のキャビンを彷彿とさせるトッピ-に乗り込むと途中種子島を経由して2時間半ほどで屋久島の安房港に到着した。今日は着いた時間が遅かったのでバスで屋久島温泉まで移動してしなびた国民宿舎の温泉宿に引き払った。
翌日曜日、バスに乗り、玉置浩二の「田園」を思わせるような光景を見ながら再び安房まで戻り、ニッポンレンタカーでカローラを借り、荒川地区の屋久島自然休養林を目指した。30分くらい山を登ると屋久島を代表する杉の1つである紀元杉に到着した。この杉は推定樹齢3,000年、胸高周囲8.1m、樹高19.5mを誇る観光客が手軽に見られる屋久杉としては最大、最長寿の物であり、訪れる人を太古の世界に誘ってくれる。観光客がきげんよく紀元杉と記念写真を撮っているのを見物した後、来た道を6kmくらい戻り、ヤクスギランド(\300)に入ることにした。ここは標高1300mの高さに位置し,樹齢数千年の屋久杉を含む原生林を容易に鑑賞出来る地域であり、風の強い日には杉花粉が沢山飛び交う花粉症の人には最適の自然公園である。ここには観光客の体力に応じて30分から150分のトレイルが設けられている。マサであれば鼻水ダラダラ涙ボロボロの状態で屋久島の環境を害していたであろうが、アレルギーをエネルギーに変換する体質改善に成功している私は難なく150分コースを短時間で制覇することに成功した。
ここヤクスギランドには母子杉、仏陀杉、三根杉等さまざまな名物杉があり、観光客の目を楽しませてくれる。しかし、傷ついてすきま風が吹いている良太郎(杉)のような演歌系の杉が中年のおばちゃんに囲まれてないか流し目で探し回ったが、とうとう見つけることは出来なかった。また、ここは日本でも杉の殿堂として名高く、月に向かって本塁打を量産した元ヤクルトの大杉(故人)や要らなくなったオメガトライブをカルロス・トシキに押し付けてさっさとソロ活動を始めやがった杉山清貴等名前に杉のつく有名人がたくさん訪れているそうである。
ヤクスギランドで森林の成分を吸収したあと、縄文杉登山の入り口である荒川ダムに向かった。1993年にユネスコの世界遺産に登録されている屋久島を代表する杉が世界最長の樹齢7,200年を誇る縄文杉である。しかし縄文杉が生えている場所までの道りは往復21kmの本格的登山になり、一般の観光客が目にするにはそれなりの準備と腹積もりが必要である。今回は冬季登山になるために縄文杉を見ることを断念せざるを得なかったが、伐採した材木を運搬するトロッコ列車の線路づたいの登山道を小杉谷小、中学校跡地まで約5kmの道のりを登った。登山道には欄干のない幅数10cmの橋が随所にあり、1歩間違うと数10m下の岩の多い川に転落してしまいそうなほど危険な道のりであった。
荒川ダムから車で下山する途中に屋久猿を見つけたのでその挙動を観察するために車を止めているとそいつはいきなり車のボンネットからフロントガラスによじ登りやがった。その後、ぞろぞろと猿の集団が姿を現し,レンタカーのカローラに対して乱暴、狼藉を繰り返し、みごとに「野生の証明」を果たしたのであった。
林野庁・大自然 緑の会が仕切っている白谷雲水峡(\300)という標高800mに位置する原生林がある。ここの見所は昨年秋に訪問した同じく世界遺産に指定されているシアトル近郊のオリンピック国立公園のホー・レインフォレストに匹敵する、思わず「うっそ~」と叫びたくなるほどのうっそうと茂ったコケである。一般ピーポーより15%重心が低いと言われ、クロスカントリーの帝王という異名を持つほどアップダウンに強い私の行く手に容赦なく苔で覆われた獣道が立ちはだかったが、マサであれば3時間くらいかかるであろうトレイルをわずか1時間程度で制覇することが出来た。ちなみにここでも樹齢3,000年の弥生杉を始めとしてさまざまな名前を持つ杉を観察することが出来る。
2月12日(月)安房港にてスーツケースいっぱいにつめこんだ希望という名の重い荷物を軽々と持ち上げて笑顔を見せている観光客を横目に朝一のトッピ-でトピ,トピと鹿児島港への帰路についた。上陸後西郷隆盛像を見学し、その足で甲突川の川べりにある西郷隆盛の生家と維新ふるさと館(\300)を見物した。ここでの見所は最先端のロボットテクノロジーで西郷隆盛、大久保利通、坂本竜馬、勝海舟を自在に操り、日本の夜明けを告げた獅子たちのドラマをリアルに再現している維新体感ホールである。ここでは幕末から明治維新を演出した薩摩隼人たちの情熱や知性を目の当たりにすることが出来、ここに来なければ鹿児島に来た意味がないと言われるほどすばらしいところであった。
南国屋久島の特産物特集
*鹿児島県はポンカン、ブンタン等柑橘系果物の宝庫であるが、ここ屋久島にも固有の果物がある。ダンカンはたけし軍団に所属しているがタンカンというみかん系の果物は屋久島でしか取れない代物である。
今後のFTBJ活動予定
*網走発ガリンコ号で行くガチンコ流氷流れ旅(やらせなし!)
*打倒森首相の失言、釧路湿原ツアー