マサよ、君は日本の狭い国土の中で地平線を拝んだことがあるか?
私は・・・ある!!!
ということで日々の雑務に追われ、疲れた心身を癒すために広い道でもドライブしようと思ったのでとりあえず、ANA741便に飛び乗って道東の釧路に向かうことにした。
4月14日(土)の午前中に晴れ渡った釧路空港に着陸し、早速ニッポンレンタカーで小型車を借りて釧路を代表する釧路湿原国立公園に向かった。ここは昭和62年7月31日に指定された日本で28番目の国立公園であり、ここに来なければ北海道に来た意味がないといわれているほどすばらしい場所である。空港から15分ほど離れたところに釧路市湿原展望台(¥360)という場所があり、ここから釧路湿原の全景を見渡すことが出来る。ここでの最大の見所は何も見所がないところである。以上!
釧路方面から北上して弟子屈を抜け、昼過ぎに摩周湖に到着した。摩周湖はたくさんの神々が住む神秘の湖としておそれられており、また霧が濃く滅多にその全景をあらわすことはない。しかし、私の日ごろの行いの良さも手伝ってか、この日の空は青く晴れ渡り、凍てついた湖の全景を見渡すことが出来た。
摩周湖を後にし、さらに北上を続け、道東の観光名所の1つである硫黄山に到着した。ここはわずか標高500Mほどの低い山であるが、山の各所から水蒸気を伴ったイオウが噴出しており、一種イヨウな雰囲気を醸し出していた。ここで卵売りの老夫婦と出会った。かれらは火山の地熱を利用して蒸し卵を大量生産しており、5個入り400円の高値で観光客に売りつけていた。卵が腐った臭いのする空気の中で食う出来たての蒸し卵はここでしか味わえない格別な味がした。
マサよ、君はクッシ-という怪獣を知っているか?
ネッシーはネス湖、イッシーは池田湖、メッシ-やアッシーは六本木等で見かけることが出来るが、このクッシ-は屈斜路湖で数々の目撃談が報告されている巨大な水生生物である。屈斜路湖は火山の噴火により陥没して出来た日本最大のカルデラ湖であり、この時期はシベリアから飛来してきた白鳥が湖岸近くの氷上にたたずんでおり、大変な賑わいを見せていた。また、ここの湖畔は砂湯と呼ばれ、砂を掘るとお湯が湧き出すという世にも恐ろしい光景を目にすることが出来る。
屈斜路湖からクッシ-街道を抜け、数10キロの山道を登ると美幌峠という風光明媚な峠に到着した。ここから屈斜路湖の全景を見下ろすことが出来、最初にクッシ-が目撃されたのもこの峠であると記録されているそうだ。
この日は道東で最大級の温泉郷である川湯温泉の国民宿舎、川湯パークホテルで強酸性の温泉に浸かり日頃の垢を根こそぎ削ぎ落とすことに成功した。
4月15日(日)の早朝に宿舎を後にし、その足で阿寒湖に向かった。残念ながら阿寒湖ビジターセンターは改装中のため、入ったらアカンと言われてしまったが、雪で埋まった湖岸の散歩道を歩いていると火山性地形が生み出すボッケといわれる泥がボコボコと噴出す光景や名物のマリモを育む湖が分厚い氷で覆われた光景を見ることが出来た。
阿寒湖から釧路への帰り道に阿寒国際ツルセンター(\400)というファシリティを発見したので立ち寄ることにした。日本には3種類の鶴(ナベヅル、マナヅル、タンチョウ)が生息しており、いずれも絶滅の危機に瀕しているそうだ。3種類のうち1年中日本にいて子育てをするのはタンチョウだけであり、このタンチョウは日本の特別天然記念物として保護されており、財務省で不遇な生活を送っているマサよりも手厚く扱われているとパンフレットにうたってあった。ここでの見所は冬場の餌の少ないときに給餌を行うため、多くの野生のタンチョウが飛来し、その優雅な姿を拝むことが出来ることである。しかし、今の時期は給餌をやっていなかったために野生のタンチョウを見ることは出来なかったので養殖もののツガイで我慢せざるを得なかった。
空港に帰る途中に史跡北斗遺跡という看板が目についたのでどんなところか見物に行ってきた。ここは旧石器時代から縄文・続縄時代を経て擦文時代に至る重複遺跡である。釧路湿原を望む台地上に、縄文・続文時代の浅い円形・楕円形竪穴102軒、擦文時代の四角形竪穴232軒がくぼんだ状態で残されている。「最近ヒグマが目撃されたので注意しやがれ!」という看板を横目に見学コースの山道を進むと復元され、葦で屋根が葺かれた竪穴式住居のモデルハウスを目にすることが出来、東京に帰ってセキスイハウスや三井のリハウスに対して自慢話が出来ると思った今日この頃である。
次回のFTBは予備校生と行く第3次MLBツアー、イチローまでは許してね!をお送りする予定です。