マサよ、君は日本で一番インパクトのある方言をしゃべる地方はどこか知っちゅうがかや!?
それは私がはじめて東京に出てきた18年前のことであったのだが、私が入部した某大学某体育会野球部に土佐高校出身と名乗る2人の若者が姿をあらわした。2人のかけ合いを聞いていると彼らはうちゅうではなくシチューの彼方からやって来た異星人であるかのような言葉をしゃべっていやがった。なぜなら、彼らの会話の端々には「~~シチューき!」「~~シチューがや!」といったおおくのシチューがふんだんに盛り込まれていたからだ。
というわけでシチュー王国高知県は坂本龍馬や板垣退助等幕末から明治維新にかけて多くの偉人を輩出した県として有名であるが、近代においてもなお、番場蛮(侍ジャイアンツ)や二代目スケバン刑事(デカ)麻宮サキ(Acted by南野陽子)や広末涼子等を生み出し続けているのだ。
12月14日(土)
ANA561便にて高知空港に到着すると早速ニッポンレンタカーで日産マーチをレンタルすると5年ぶりに高知の町並みに繰り出すことにした。高知大学の受験に失敗して仕方なく福岡教育大学に進学してしまった武田鉄矢と同様に坂本龍馬を敬愛している私は5年前に訪れることが出来なかった龍馬歴史館を目指すことにした。空港から近いにもかかわらず交通の便が悪い龍馬歴史館(¥1,050)は日本の歴史を揺り動かしたひとりの自由人、坂本龍馬の足跡をダイジェストで辿ることが出来る貴重なファシリティである。館内には26の場面が設けられており、龍馬本人と龍馬にまつわる人物と歴史上重要な出来事を180体の蝋人形を駆使して表現しており、デーモン小暮率いる聖飢魔IIが誇る「蝋人形の館」でさえも太刀打ち出来ないほどおどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。
龍馬歴史館を後にすると南国市、高知市内を抜けて桂浜方面に車を走らせた。桂浜に面し、太平洋を見下ろす高台に国民宿舎桂浜荘とともに高知県立坂本龍馬記念館(¥400)が青い大海原に乗り出すように建てられているので5~6年ぶりに様子を見に行ってみた。坂本龍馬記念館は坂本龍馬生誕150年を記念して昭和60年に建設しようという意見がまとまり、数々の募金活動や建築様式のコンペ等を経て平成3年10月に竣工した新しいファシリティである。建築様式はハーフミラーの鏡張りになっており、8度の勾配を持った海に突き出した展示室はつり橋構造を取り入れ、高床式になっているため、強い風に吹かれると揺れを感じることもあるそうだ。
ところで館内の展示物であるが、龍馬が姉乙女等に送った手紙の数々や愛用していたピストル2丁、武田鉄矢垂涎の品である、龍馬直筆の「海援隊規約」、龍馬が暗殺されたときに血痕のついた掛け軸等が所狭しと並んでおり、マサに日本史を生で学習するには持って来いの場所だと思われた。結局館内には昼の2時過ぎから閉館の5時まで居座ってしまったのだ。
ANA超割ワンモアホテルを利用して予約しておいた空港近くの高知黒潮ホテルにチェックインすると早速1300mの地下からくみ上げている温泉である龍馬の湯に入湯した。龍馬の湯は数多くのミネラルが含まれており、四国で最高の19種類くらいの効能があるとの能書きが看板に誇らしげに書かれてあったのが印象的だった。
12月15日(日)
高知市内には土(佐)電という路面電車が走っており、高知城下のかみまち1丁目電停の目の前に「坂本龍馬生誕の地」という記念碑が奉られているので見物に行って来た。この記念碑はビルの谷間にひっそりと建てられているので車でボケ~と走っていると見過ごしてしまう危険性があるので細心の注意でわき見運転に専念しなければならないのだ。
日曜日の高知市内の繁華街にはたくさんの日曜市が出展しており、新鮮な野菜や魚やそれらをさばく鋭い刃物等が売られていた。繁華街を見下ろす高台に重要文化財の高知城がそびえている光景を目の当たりにしたのでこの機会に入城(¥400)してみることにした。高知城は1603年に竣工すると同時に当時の藩主であった山内一豊が入城したのであったが、1727年には城下町の大火で天守閣をはじめ城郭のほとんどが焼失し、1748年に復興したという歴史をもっている。また、城へ続く石段の最下部には昔百円札として一世を風靡した板垣退助像が誇らしげに立ちはだかっていた。
♪土佐の高知のはりまや橋♪がよさこい節の風情で君臨していたのでとりあえず見物しようとした時に通りに設置されている時計の針がいきなり1時を指してしまった。すると平時は普通の柱時計の装いだったものがけたたましいよさこい節のメロディとともに左右からはりまや橋とチンドン屋風情が姿を現し、多くの通行人の度肝を抜いていた。平井堅が童謡から強奪した大きなノッポの古時計も太刀打ち出来ないこのからくり時計のパフォーマンスを見ると死んだおじいさんも死にきれなかった心境になったことであろう。
高知市内を後にし、車で横浪黒潮ラインを流すことにした。太平洋と土佐湾のながめが美しい横浪黒潮ラインは全長18.8kmのダイナミックなドライブロードで起伏の激しいコースであるがゆえ、多くの走り屋たちが腕を競っていた。
マサよ、君は高知県で一番の景勝地である桂浜でしばし物思いにふけったことがあるか!?ということで今回のツアーの締めとして再び桂浜に波の音を聞きにいった。桂浜で最も有名なものは太平洋をながめるように建てられている巨大な坂本龍馬像である。この銅像は建立されてからすでに60年以上経っており、還暦時には「龍馬がゆく」の作者である司馬遼太郎も「銅像の龍馬さん、おめでとう!」とのメッセージを寄せているのだ。ちなみに桂浜は砂浜ではなく角の取れた小石の粒で形成されているため、波がよせると独特な音と旋律を奏でる癒し系の浜である。また、桂浜には観光客をおびき寄せるための多くのファシリティが存在している。中でも私が6年前くらいに訪問したことのある土佐闘犬センターには数々の歴戦により闘犬の汗が染み込み異様な臭気を発している土俵の上で土佐犬の命がけのデスマッチを見物することが出来、動物愛護協会の関係者は出入り禁止になっている場所なのだ。
FTBサマリー
総飛行機代 ¥400
総レンタカー代 ¥10,500
総ガソリン代 ¥846
総宿泊費 ¥5,750
次回はFTB炎の離島デスマッチ第?弾 in ハワイ島をお送りする予定です。