なるほどザFTB2003秋の祭典第5弾アカシアの街大連

日露戦争と帝政日本の植民地支配の歴史を研究している私にとって中国東北部の遼東半島の最南端に位置する大連は決して避けて通れない目的地である。大連は「北方の香港」として現在も発展を続ける北方最大の港湾都市であり、日本をはじめ多くの国の企業が投資を行っている。また、大連外国語学院が供給する良質な外国語スピーカーにより、数多くの日本企業のコールセンターを抱えている街でもあるのだ。

11月15日(土)

JALのマイレージが余っていたのでマサであれば¥15万くらいかかるところを私はただで大連行きの往復航空券を入手していたので、早速午前9時30分発のJL797便に乗り込み、空路大連を目指した。約3時間のフライトで飛行機は大連周水子国際空港に到着した。空港で円を元に両替して足早にタクシー乗り場に向かい、今回のツアーの宿泊先となっているHilton大連へと車を走らせた。HiltonHHonorsのポイントが余っていたのでマサであればUS$180くらいかかるところを私はただで宿泊することが出来る☆☆☆☆☆ホテルのHiton大連にチェックインし、そのまま大連市街地の散策に繰り出すことにした。

ホテルから400m離れた街の中心である中山広場に向かう道すがらおびただしい数の工事現場に遭遇し、大連市街が急ピッチで近代化されている様子を垣間見ることが出来た。中山広場からは放射状に道路が延びており、中国第2位の港である大連港へは人民路を歩いて20分程で到着した。土曜の昼過ぎの大連港は人影もまばらで日本における晴海ふ頭のようなコンテナが醸し出す物悲しさに耐え切れなくなり、足早に撤収を決め込むことにした。

大連港からホテルへ戻る道すがら「博多」や「中洲」といった数件のさびれた日本名の飲み屋が並んでいる通りを発見した。また、回春系の薬を販売している店の看板には性が「セッワス」と訳されていたのはご愛嬌だったのか?

勝利橋(旧日本橋)を渡ってロシア街方面に足を運んで見た。大連は日露戦争以前はロシア語でダーリニーと呼ばれており今もロシア街にはロシア風建築様式の遺構が残されている。その隣の上海路では寒風吹きすさぶ中、路上散発屋で髪を切ったり、髭を剃ったりする光景をライブで見ることが出来る。

ホテルに帰ってテレビのリモコンを操作していると中国の放送でワールドカップバレーの中国対日本の熱戦が繰り広げられていた。無類のバレーボール好きである私は当然テレビの前に釘付けになってしまった。フジテレビから提供される映像は日本選手のアップばかりを追っかけているのだが、音声は中国語という非常にアンバランスな状況で「帰って来たオリンピック戦士吉原」や「日本の元気印高橋」等の奮闘を目の前に回りの中国人に気づかれないように小さな声で「ニッポンチャチャチャ」を繰り返しながら大連の夜は更けていった。

11月16日(日)

早朝より中山広場を経由して2kmほど南西に位置する人民広場まで歩いて行った。人民広場は広大な芝生の敷地となっており、数多くの暇人たちがゲイラカイト系の凧あげにいそしんでいた。広場の周辺では満州帝国の建築物である大連市人民政府(旧関東州庁)等の歴史ある箱物を見物することが出来る。

大連森林動物園(60元)が市の南、緑が鬱蒼と生い茂る白雲山風景区内に君臨しているので中国人には相手にされなくても動物からは愛されている私にとっては格好の訪問地であると思われたため、見物に立ち寄ることにした。ここでの見所の一つとして大熊猫(ジャイアントパンダ)があげれれる。ぬいぐるみ状の大熊猫はまばゆい青空の中のんきに昼寝をこいており、いくら観光客が歓声を上げても決して身じろぎだにしない頑固な性格を持っている様子であった。

大連森林動物園は大きく2つのパートに分かれている。ひとつは上野動物園状の普通の施設であるが、園内に設置されているゴンドラで山を越えるといきなり自然動物園が出現してしまうのだ。虎の縞文様をあしらったバスに乗り込むと恐らく北限に位置するであろうと思われる壮大なサファリパークへの旅がスタートするのである。パークにはヒグマをはじめ、アフリカ系の動物であるシマウマやライオン、スプレーで塗られたような見事なホワイトタイガーや通常の黄色い東北虎などの猛獣を真近に体感することが出来るようなシステムになっていた。

上野駅の建築様式を模倣して作られたと言われている大連駅がホテルから1kmほどのところに位置しているので出稼ぎに来たたくさんのおのぼりさんを見ることが出来るのではないかと期待して見物に行ってきたのだが、普通の大連駅であった。

Hiltonホテルの対面に百姓屋という居酒屋風の飲み食い屋があったので入って見ることにした。惣菜等はすべて中華になっており、また、所狭しと並んでいる魚や蟹を指名すると勝手に料理してくれるらしいので28元の白身系の魚と88元の蟹を指名させていただき、豪勢な中華ディナーを堪能することが出来た。

11月17日(月)

朝飯用の食料を調達する道すがら、中山広場の朝の光景を見物に行って来た。広場では裕福そうなマダム達を中心とした軽快なリズムのエアロ系ラジオ体操が繰り広げられており、皆蝶のように手をひらひらとさせて自己満足に浸っている様子であった。

尚、中山広場を取り巻く建物のほとんどは日本統治時代から引き継がれており、旧大和ホテルは現在大連寶館というホテルに生まれ変わっており、旧横浜正金銀行大連支店は今では中国銀行としてなおも人民の財布を牛耳っているのであった。

午後1時発JL798便にて帰国

FTBサマリー

総飛行機代 ¥2,760(税金のみ)

総宿泊費 ただ

総タクシー代 83.7元(1元=約\15)

総空港使用料 90元

次回はなるほどザFTB2003秋の祭典完結編を超南の島からお送りする予定です。

協力 日本航空システム、HiltonHHonors

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