2003年日本プロ野球を制覇し、栄華を極めたダイエーが小久保の無償トレードとともに身売りされる危機にさらされている。かつて大航海時代といわれた時代に7つの海を制覇した大英帝国も今では日本と同様にアメリカの植民地に成り下がっている。しかし、大英帝国が残した栄光はアメリカ東海岸をはじめ、香港、中国、オーストラリア、ニュージーランド等FTBが制覇して来た数多くの土地に刻まれていることが確認されている。新しい大陸や土地の発見に大きな貢献をもたらした人物は英国の探検家キャプテンクックであるが、彼が率いる探検隊もどこへ行っても桜田淳子のように♪ようこそここへクック、クック♪と歓迎を受けたわけではなく、当然命の危険を伴ったものであったろう。
というわけで、世界中の数多くの地域で大英帝国が残した文化の遺構に触れてきたわけであるが、今回念願のロンドン入りすることによって帝国の繁栄と衰退の歴史が晴れて解明されることになったのだ。
12月19日(金)
午前11時35分発、ANA201便、B747-400機テクノジャンボが誇る航空業界ナンバー1と評価されたANAスーパースタイル機内エンターテイメントで映画を2本ほど見ていると12時間のフライトはあっという間に過ぎ、飛行機は午後3時過ぎにロンドンヒースロー空港に着陸した。空港からロンドン中心部には地下鉄(£3.7)で1時間ほどで到着した。今日はFTBの子会社であるJCBトラベルに予約させておいた巨大☆☆☆ホテルであるロイヤルナショナルに引き払ってとっとと寝ることにした。
12月20日(土)
北緯50度を超えるロンドンの12月は朝8時の段階でもまだ夜が明けず、しかも外は雨が降っているにもかかわらず人々は傘もささずに歩いており、いきなり雨の都ロンドンの実力を思い知らされたような気がした。ホテルを出て適当にさまよっているとセント・ジェームズパークからバッキンガム宮殿を抜け、ハイド・パークに到着した。ここでも雨の中スキンヘッドのサンプラザ中野系のランナーがジョギングをしたり、ダッシュをしたりする姿を見ることが出来た。
バッキンガム宮殿を取り巻く広場では年端もいかない日本人の餓鬼を中心としたおびただしいほどの観光客が降りしきる雨の中を衛兵交替式が始まるのを今か今かと待ち構えていた。ところが、係りのおっさんが突然出てきやがって今日は天候不良のため、衛兵交替式は中止すると言いやがったので撤収を余儀なくされてしまったのだ。
ビクトリア駅の3階にあるケンタッキーでフライドチキンをを食った後、ダイアナ元妃の葬儀が行われたことで有名なウエストミンスター寺院(£6)を見学した。イギリスのゴシック建築の中でも最も壮麗と言われるこの教会は歴代国王の戴冠式場であり、また墓地としても機能している。エドワード、ヘンリー、ビクトリア、エリザベスI等のおなじみの王や女王がここに埋葬されており、ここに来れば大英帝国統治の歴史をダイジェストで学習することが出来る非常に有効な場所である。
ウエストミンスター寺院に近く、テムズ河の河岸に重厚なネオゴシック建築の国会議事堂が君臨している。正式名称はウエストミンスター宮殿と言われ、時計台を持つビッグベンという塔はロンドンのシンボルになっている。その後テムズ河沿いを歩き、高さ135mの世界最大の観覧車であるロンドン・アイをスルーしてセントポール大聖堂(£7)に到着した。チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式も行われたここセントポール大聖堂は現在改装中ながらもドーム内部のらせん階段を上りきるとロンドン市内が一望出来る展望台に達することが出来るのだ。
午後4時を過ぎるとあたりが暗くなってしまったので明るいネオンを求めてロンドン一の繁華街であるソーホーに向かった。ニューヨークのブロードウエイのようなソーホーにはたくさんのミュージカルの劇場があり、チャイナタウンにも隣接しているため、はなやかさと土臭さが同居した独特の雰囲気を醸しだしていた。
マサよ、君はピエロも空中ブランコもないサーカスを知っているか!?
ということでロンドンのヘソと言われているピカデリー・サーカス一帯はウエストエンドと呼ばれ数多くの夜遊び好きの輩で賑わっている場所であるのだが、決して♪ミスターサマータイム♪のようなスローな音楽は流れてなく、ユーロビート、パンク、フーリガンに似つかわしい環境が提供されている。また、少し南にあるトラファルガー広場では素人クリスマスソング合唱会らしきものが行われており、サンタクロース帽子を被ったおばちゃんたちがストリートミュージシャンを寄せ付けないような迫力で寒風の中おたけびをあげていたのであった。
12月21日(日)
デーモン小暮率いる聖飢魔IIの出世作である「蝋人形の館」のモデルになっていると思われるマダム・タッソー蝋人形館(£19.99)を見物することにした。ここに展示されている物体は♪生きたままの蝋人形のごとくぅ~♪化粧の濃い観光客が並んで写真を取っているとどちらが蝋人形だかわからないほど精巧に出来ていた。館内は今をときめく俳優や女優のコーナーから始まり、シルベスター・スタローンやスティーブン・スピルバーグ等の映画人から歴史上の人物さらにはロンドンタクシーをあしらった乗り物に乗り込みロンドンスピリットを体感するコーナーから最後にはプラネタリウムと非常に幅広いエンターテイメントが提供されているのだが、ここには何一つとして日本人の蝋人形は存在することはなかったのだ。
現在日本では年金崩壊と財務官僚の関与という問題を抱えているが、この難事件を解決するために名探偵シャーロック・ホームズ博物館(£6)を訪問し、解決の糸口を探ることにした。ホームズの友人であるワトソン博士にはパソコンがおかしな挙動を起したときにお目にかかることが出来るのだが、ホームズゆかりの品々を生で見るためには221b Baker Street Londonにあるこの博物館に来なければならない。一見すると普通のアパート風のこの建物は入り口を入るとかわいいメイド姿のシャルロッテが迎えてくれ、1階はみやげ物コーナーになっている。2階はホームズの仕事場になっており、ホームズゆかりの小道具が所狭しと並べられているのだ。3階はワトソン博士の部屋もあり、また、3階、4階にはホームズが解決した数々の難事件を蝋人形等で再現したストーリー仕立てになっている。
シャーロックホームズ博物館から一気に南下してサウス・ケンジントンという繁華街の中で一見すると大聖堂のような出で立ちで君臨している自然史博物館(無料)にやってきた。ここには世界中から集められた4億点もの動植物の標本などが展示されており、児童が自然科学を学習するのに最適なファシリティになっている。数あるコーナーの中で特に恐竜物が非常に充実しているのと哺乳類のコーナーでは地球最大の哺乳類であるシロナガスクジラの模型が全長30mに渡って幅を利かせているが印象的である。また、ヒューマンバイオロジーのコーナーでは生命誕生の神秘や人間の体の動きを特命リサーチ200Xよりも詳細に体感することが出来るようになっており、エージェントの伊達君も一目置くのではないかと思われた。
12月22日(月)
今日は月曜日ということで早朝から颯爽と闊歩するビジネスマンの後を追って歩いていると段々とお金の匂いが強くなってきた。かつて大手証券会社のトップセールスマンとしてならしていた私はいつのまにか世界の金融市場であるシティに紛れ込んでいることを実感させられた。ロンドン発祥の地であるシティはロンドン証券取引所を始めロイズ保険会社の本社や数多くの金融機関であふれているが、一方ではローマ時代の城壁が残されており、新旧入り混じった独特の雰囲気を醸し出している。
今日は気温が非常に低いものの早朝から晴れ渡っていたのでバッキンガム宮殿にて衛兵交替式が間違いなく実施されるだろうと思ったのでわざわざリベンジにやって来た。11時30分開始にもかかわらず、1時間前からすでに人だかりが出来ており、宮殿の門の前では騎馬婦人警官たちが観衆の整理にいそしんでいた。おそらく0℃近くに冷え込んでいるであろう気候の中でじっと立っていると体の芯から凍えてくるのを感じずにはいられなくなってくるのであるが、フランス語らしきものをしゃべる外人たちはバッキンバッキンガムを噛みながらも寒さをこらえていた。ついに衛兵交替式が始まった11時半ころにはディズニーランドのパレードの3倍くらいの人が集まり、ロンドンで最もロンドンらしい儀式が厳かに行われるのを人だかりのわずかな隙間から眺めつつ、雰囲気だけでも味わっていたのであった。
マサよ、君はロンドンが世界有数の心霊スポットであることを知っているか!?
ということでここから世界有数のロンドン心霊スポット特集をお届けすることになるのだが、その第一弾であるロンドン塔(£13.50)へ入城することにした。ロンドン塔はそもそも中世時代にウイリアム征服王がロンドンを守る要塞として作った城であるのだが、その後血なまぐさい歴史の舞台となる牢獄として機能するようになるのだ。城内には数々のタワーがあり、それぞれがラチ、監禁、暗殺等の歴史を持っているため夜な夜な幽霊が現れるにもかかわらず多くの霊感の弱い観光客で賑わっていた。また、ジュエル・ハウスという宝物館には歴代王、女王の冠をはじめ、目もくらむような財宝も展示されており、多くの女性観光客がため息をついていた。
地下鉄駅ロンドン・ブリッジの高架線の下のじめじめしたスペースを利用してロンドン・ダンジョン(£12.95)というホラー系のファシリティが営業していたので軽く入場して見ることにした。ここではロンドンの血なまぐさい歴史的事件の数々が人形を使って再現されているのだが、ホラー系のメイクを施したストーリーテラーのおにいさん、おねえさんもいきなり観光客をわっと驚かせて楽しませてくれたりもするのだ。また、天井は配管剥き出しで狭いと思われた館内は以外にも広く、しかもボート系の乗り物まであり、ホラー系カリブの海賊プラスジェットコースターのような気分も味わうことが出来るように取り計られている。基本的には見ず知らずの観光客同士のグループ行動が原則とされているのだが、観光客は皆、いけにえにならないようにストーリーテラーの係りとは決して目を合わせようとはしないであった。アトラクションの最後はかの有名な切り裂きジャックのストーリーテリングになっており、おおとりは絞首刑にされた犯人が上から降ってくるというおまけまでついていやがった。
12月23日(火)
ギャラリーフェイクといわれ、過去ルーブル、メトロポリタン、上野等数々の美術博物館を制覇してきたFTBであるが、今日は念願の大英博物館(無料)を訪問する日となったのだが、今回のツアーの目的はこのためだけにあると言っても決して過言でないのである。ダイエーの王監督も訪問したことがあるであろう大英博物館はミレニアム記念事業のひとつとして2000年末にオープンしたグレート・コートを中心に世界各国から略奪された貴重な代物が各コーナーでこれ見よがしに展示されているのだ。世界的に評価の高い展示物の中でも必見物はロゼッタストーンとアテネのパルテノン神殿の彫刻群である。また、古代エジプト関係のコレクションは群を抜いており、数多くのファラオの棺やミイラや保存状態のいい古代エジプト人の死体等かなりのきわものまで展示されていた。また、ここではパネルでミイラの製造工程も学習することが出来るのだ。
大英博物館内を長い間さまよっていると脳みそがだんだんとミイラ化してくるような感覚を覚えてきたので昼飯時にコヴェント・ガーデンという小洒落たモールで露天市の小物を見ながら脳みそに水分補給することにした。コヴェントガーデンからさらにトラファルガー広場に抜けると55mの塔から市民を見下ろしているネルソン提督像が目に入ってきた。1805年のスペイン・トラファルガー沖の海戦で、ナポレオン率いるフランス軍を破ったイギリスの英雄ネルソンは不夜城ロンドンでは寝ると損するぜ!とでも言いたげな憂いのある表情を浮かべながら塔の上で寒さに耐えているのではないかと思われた。
ウエストエンドはクリスマスを控えたファッショナブルなMichiko London風の買い物ギャルで賑わっており、流行の最先端であるロンドンの実力を否が応でも思い知らされるのだが、玉塚新社長が立ち上げたユニクロロンドン店も数多く出店しており、そのすきまを埋めるようにGAPも細々と営業しているのだった。
FTBサマリー
総飛行機代 ¥117,290
総宿泊費 ¥48,000
次回は第二回アグネス・チャン杯争奪香港飲茶ツアー+αをお送りします。
協力 ANA、JCBトラベル