♪風の中のマサよ~♪砂の上のマサよ~♪
ということで、日本列島にはユネスコ世界自然遺産に登録されている場所が2箇所ある。ひとつはすでにFTBJが縄文杉の解明に成功している屋久島であり、もうひとつは青森県と秋田県の県境に位置する秘境白神山地である。いずれもNHKエンタープライズが製作したドキュメント番組であるプロジェクトXに取り上げられた実績を持っているのだが、今回あらためてFTBの手によって白神山地のすばらしさが深く掘り下げられることとなった次第である。
6月19日(土)
早朝7時25分発ANA787便にて通称あきた北空港と呼ばれている大館能代空港に1時間ほどのフライトで到着したのだが、東北地方には前線が居座っており、降りしきる雨の中をニッポンレンタカーでレンタルしたミラを駆って早速現地調査に乗り出すことに相成った。空港から30分ほど走ると白神山地世界遺産センターというファシリティに行き着いたのでそこで軽く白神山地について学習した後、まだ舗装されていない山道をさらに奥地に進み、1時間ほど走って到着した場所は青森県西目屋村の暗門の滝という白神山地を代表するトレッキングスポットであった。ちょうど昼飯時に差し掛かっていたのでビジターセンターで名物マタギそばを食った後、早速暗門の滝の散策に繰り出すことにした。黄緑色がまぶしい広大なブナの原生林を分け入るようにして開かれている散策路を進むとふいに体に冷気を感じるポイントに差し掛かってしまい、何事かと山側を見上げると氷河の装いをした雪の塊のトンネルの中を吹き抜けていく風が冷却されて観光客に襲い掛かっているのだった。
暗門の滝は3段からなる滝であるが、今日は天候の関係で一番下に位置する第三の滝の見学にとどめておいたのだが、ブナや松などの大木が生い茂る急峻な岸壁から流れ落ちる滝はマサに世界遺産にふさわしい神秘的な雰囲気を醸し出していたのであった。
悪天候のため、今日は早々と予約しておいたブナの里白神館に引き払い、温泉リゾート気分と山菜を中心とした郷土料理に舌鼓を打ちながらいかにしてこの世界遺産を後世に伝えていくべきかを真剣に考えながら夜を更かすことにした。http://www.jomon.ne.jp/~misago/s_proX.html
6月20日(日)
早朝4時から野茂が松井にホームランを打たれる光景をテレビで見るなどしてくつろいだ後、ブナの里白神館が誇るしらかみの湯で殿様気分を味わい10時前には白神館を後にして雨の中を再び白神山地に乗り出すことにした。秋田と青森の県境に位置する白神山地世界遺産登録地をぐるっと囲むような山道はまだ舗装されていない砂利道が主流であるのだが、道路を取り囲む神秘の山々の緑がまぶしいほど車窓をすり抜けていく様は圧巻である。
気がつくと車は日本海側の国道101号線を走っており、とある地点で十二湖という観光地らしき看板を発見したので寄ってみることにした。十二湖は白神山地近辺の12もの単なる池状の湖が密集する総合癒し系自然観光ファシリティであるのだが、この地域の深い森の緑は非常に美しく、とある湖岸の宴会場系レストランでは拉致されたツキノワグマ2頭が不貞寝状態で飼育されていた。この近辺に日本キャニオンという日本を代表する峡谷が大きな口をあけて待っているという情報を入手したので散策してみることにした。広葉樹林の中に忽然と存在する日本キャニオンはグランドキャニオンをまだ見たことがない人にとっては最高のキャニオンではないかと思われた。
豊かな自然を満喫しながら白神のブナ林を実体験出来る森林科学館「八森ぶなっこランド」に軽く寄らせていただくことにした。ここで学ぶことに成功した最高の収穫は今回のテーマにもなっているマタギとは何かということである。マタギとはブナの森で熊や鹿などを捕らえる伝統的な狩猟民のことなのだが、「巻き狩り」という8~10人のマタギが熊を包囲し、指示するもの(ムカイマッテ)、追い出すもの(セコ)、射手(ブッパ)など、それぞれが役割を果たして仕留める狩猟法を駆使していたとされており、現在ではほとんど見られなくなっているそうである。
ということで番組も終了時間を迎えることになってしまったわけであるが、次回は天候を考慮して世界遺産の核心地域に侵入することを誓わざるを得ないほどすばらしい地域であることは間違いない!
♪ヘッドライト♪テールライト♪(Song by M. Nakajima)
FTBサマリー
総飛行機代 ¥600
総宿泊費 ¥7,500
総レンタカー代 ¥10,500
総ガソリン代 ¥1,814