ニイハオ、マサよ!
ということで、脳梗塞で病床に臥している父長嶋茂雄の代打としてANA高速中国のCMを受け継いだ長嶋一茂が推薦する癒し系の古都杭州は北京、南京、西安、洛陽、開封とともに中国六大古都のひとつに数えられている。13世紀末には90万人の人口を数えるほどの大都市となった杭州は世間知らずのマルコ・ポーロにして世界で最も美しく華やかな街と言わしめたほどすばらしい場所なのである。
7月16日(金)
ANAのマイレージが余っていたのでマサであれば¥14万くらいかかるところを私はただで入手していた成田-杭州の往復航空券を引っ提げて速やかにチェックインをすますと、日本で一番わけのわからん祭日である海の日連休を利用した海外旅行客でごった返す手荷物検査と出国審査を抜けて午前10時05分発のANA929便にてヒーリング都市杭州に向かった。12時過ぎに杭州空港に到着すると空港からバス(15元)で市内の中心部を目指した。杭州駅前で下車すると中国人民の人間模様を見るのに最適なファシリティである杭州駅を訪問して見ることにした。最近改装なった杭州駅は外見は非常にインテリジェントな建物のように見えるのだが、一歩その中に足を踏み入れてみると36℃の猛暑の中を夏バテ気味の様相を呈したおびただしい数の人民がいたるところに座ったり、転がったりして汽車を待っている様子はマサにここは人口13億人を誇る中国であることを否が応でも思い知らされてしまうのだ。
杭州駅から猛暑の中、3kmもの道のりを歩いて今回のツアーの宿泊先となっている☆☆☆☆☆ホテルの友好飯店に向かった。15F角部屋のレイクビューの部屋は数百メートル先の西湖を見下ろすような場所に位置しており、ここからクーラーの効いた環境で幻想的なサンセットも堪能することが出来るので今日は残りの一日を部屋でダラダラしながら過ごすことにした。
7月17日(土)
東西3.3km、南北2.8km、周囲15kmの西湖の北岸に高さ200mの小山がある。山を覆う岩石に光る石が混ざっていて、陽光を受けるとキラキラ輝くので宝石山と呼ばれている山に早朝より登ることにした。宝石山の頂上に保しゅく塔という高さ45mの塔が建っており、その塔は西湖のどの位置からも確認することが出来るランドマークとなっている。宝石山の山頂からは当然のことながら西湖の全景を一望することが出来る。
午後から猛暑の中、西湖周辺の散策に乗り出すことにした。西湖の名所は「西湖十景」に代表されるのでこれらが西湖観光のポイントとなっている。周辺の遊歩道にはANAハローツアー等の看板を装った電式のトラムが走り回っており、それに乗っていけば体力を消耗せずに効率的に西湖観光が出来るシステムになっているのだが、一般的ツアーとは一線を画しているFTBはあくまでも汗を流しながら歩き回る道を選んだ。西湖のいたるところに遊覧船や手漕ぎボート乗り場があり、夏バテ気味の船頭たちが客引きに精を出していた。西湖西側には緑の木々で覆われた公園が多く、適度な日陰を提供してくれるので適当に休みながらワビ・サビの境地を提供してくれる西湖の風景に見入っていた。
ホテルに帰ってしばし涼を取って体力の回復を図った後、たそがれ時の西湖に向かうとおびただしい数の夕涼み観光客がぶらぶら歩きまわっていた。午後6時半ごろには西日が宝石山の陰に隠れるように沈み始め、幻想的なサンセットの景色と真っ赤な夕焼けを十分堪能することが出来た。
7月18日(日)
銭塘江という杭州湾に注ぐ川があり、その北岸に六和塔(20元)という高さ60m、7層8角の塔がそびえているのでバスに乗って見物に繰り出すことにした。銭塘江の氾濫を鎮めるために、呉越王の命により、970年に創建された六和塔は創建当初は9層の仏塔だったが、北宋末期に破壊され、現存するものは1163年に再建されたものである。追加で10元を支払うと塔の上まで登ることが出来、そこから銭塘江と江南の田園風景を一望することが出来る。また、寺院の山側には中国や世界各地に現存する数多くの仏塔のレプリカも建てられており、それぞれの建築様式の比較も出来るように取り図られているのだ。
バスで再び西湖周辺に戻り、西湖北側の白堤という白蛇伝で有名な橋を渡り、孤山という西湖にある島の中で唯一自然に出来た島に向かった。古来より風光明媚な場所として詩人たちに愛されてきた孤山は自然豊かな公園となっており、湖岸近くは一面蓮の葉と夏に咲き乱れる蓮の花で覆われており、非常に美しい眺望が提供されている。また、蓮の葉や花をバックにここから見る夕日も絶景であった。
7月19日(月)
杭州は緑茶の産地として有名で西湖三大名泉の水で入れたお茶は非常においしいと言われている。虎跳泉(15元)という西湖三大名泉のひとつを訪問してみることにした。ここの水は表面張力がすごく、アルミ硬貨が浮かんでしまうほどであるのだが、それを実験するためのお椀と水とアルミ硬貨セットがセッティングされている場所もあり、実験好きそうな人民が慎重にアルミ硬貨を浮かべようと四苦八苦していた。また、ここには数多くのペットボトルや巨大な水筒等の入れ物を持参した人民が侵入し、くそ暑い中、水を汲んで重たいボトルを抱えてバスに乗ってまでうまい茶を飲みたいと思うこだわり派が数多く見受けられるのだ。
午後2時ごろ発ANA930便にて帰国。
編集後記
これまで数々の過酷なツアーを繰り返してきたFTBであるが、今回はじめて数々の忘れ物をしてしまうという事態に陥ってしまった。家を出て500mくらい歩いたところでパスポート忘れが発覚し、慌てて家に取りに戻り、ことなきを得たと思っていたら、空港でデジカメ忘れが発覚し、さらに友好飯店で着替えのパンツが入っていないことに気づかされ、1枚15元で現地調達することと相成った。また、昼食は麦当労(マクドナルド)等のファストフードを使ったのであるが、数がイー、アル、サン、スーしか覚えられなかったため、大きな数字のメニューが発注出来ないという屈辱も味わうことになった。
ということで、写真がないのでこれでも見てお茶を濁しておいてくれよ!http://www.xitong.net/hztour/index.html
FTBサマリー
総飛行機代 ¥2,760(税金のみ)
総宿泊費 ¥26,100
総バス代 37元(1元=¥15)
総空港使用料 90元