三波春夫推薦FTBSEAバンコク博覧会

♪こんにちわァ~、こんにちわァ~世界のマサから~♪

ということで、SARS渦により恐怖のどん底に叩き込まれている広州ツアーの余韻も冷めやらぬうちに南部でイスラム過激派のテロが盛んになっているにもかかわらず、世界の国からおびただしい数の観光客を集めているアジアで最もアジアらしいと思われているバンコクから最新情報とともに「お客様は神様です!」スピリットをお届けすることにする。

1月9日(金)

搭乗と出国手続きをつつがなく終わらせ、ANAのSignetラウンジでボケェ~としながらくつろいでいるとラウンジのコンシュルジェと名乗る職種に対して年相応の女性が3年連続3回目のANAマイレージクラブダイヤモンド会員の座を防衛することが約束されている私のところにわざわざ新年の挨拶に来やがった。「昨年はたくさんご搭乗いただきありがとうございました。今年もよろしくお願いします。」とありきたりの言葉でジャブを打ってきたものの、一瞬「いつも安いチケットとANAご利用券でただ同然で搭乗させていただいて申し訳ありません。」と、ついカウンターの本音が出そうになるところをグッと抑えながらも何とか持ちこたえることができた。

ANA915便バンコク行きは定刻どおり午後5時25分に出発し、バンコクのドン・ムアン空港に夜の10時30分頃到着した。空港からエアポートバス(100バーツ)に乗り今回のツアーの宿泊先となっているウエスティンホテルがそびえているスクンビット通りで適当に下車した。この通りは外国人社用族のための高級住宅街として発展したエリアで高級ホテルや外国人向けのショップやレストランが軒を並べており、多くの白人で夜遅くまで賑わいを見せており、またおびただしいほどの露天の土産物屋や食い物屋がしのぎを削っているのである。

1月10日(土)

バンコクで一番見所が固まっているのが、王宮周辺であるという情報を入手していたのでホテルから5km以上の道のりを街歩きも兼ねてそのエリアへ足を運ぶことにした。タイで最も格式の高い王室寺院としてワット・プラケオ(200バーツ)が君臨している。バンコクに来た旅行者でここを訪問したことがない輩はいないであろうワット・プラケオは本堂に祀られている仏像の色から別名エメラルド寺院と呼ばれている。仏教国タイの数ある寺院の中でもワット・プラケオのドレス・コードが一番厳しく、サンダルやノースリーブでは決して中に入れてもらえないため、観光客は入り口でダサい服を借りて入場しなければならない場合も多いという。タイの仏教寺院は日本のものとは違い、いたるところに金メッキが施されて非常に華やかなので特に西洋からの毛頭的観光客には受けるのではないと思われた。同じ敷地内に歴代王の住まいであったきらびやかな王宮が1789年の建造以来、何度も応急処置を繰り返されながらもなんとか生き延びていた。

王宮の周辺には万国博覧会のパビリオンのごとくいくつかの有名な寺院が存在している。ワット・ポー(20バーツ)という芸術を爆発させた岡本太郎作の太陽の塔を横に倒したくらい巨大な寝仏陀を祀ってある寺院はタイ式マッサージの総本山としても有名なのできっと仏陀が寝て暮らしても善良な観光客からマッサージでブッタくっているので勝手に金が舞い込んでくるという図式を提供しているように思われた。

チャオプラヤ川の渡し舟(2バーツ)で対岸に渡ると目の前に三島由紀夫の小説の題材ともなったワット・アルン(20バーツ)の塔がそびえていた。この仏塔の表面には無数の陶器の破片が埋め込まれ、陽光を受けてキラキラと輝いていた。再び渡し船で元の船着場に戻るとそこから徒歩で北へ向かったはずがなぜか途中であらぬ方向に進んでしまったため、思いがけずワット・スタットという赤い鳥居状の建造物がそびえる王室寺院に到着して本堂の中の高さ8mの巨大な黄金大仏のふもとでお参りをしている原住民のそばで休息を取らせていただいた。

ウエスティンホテルの近くにタイ式マッサージ屋が開業していたので1時間の足裏マッサージを250バーツで受けた後、ものの弾みで全身フルマッサージ1時間半まで受けることになってしまい、体中くまなくもみほぐされてしまった。

1月11日(日)

バンコクから北へ約80km、チャオプラヤ川とその支流に囲まれた中州にアユタヤ遺跡(世界遺産)という有名な遺跡があり、日帰りで訪問出来るということだったので汽車に乗るべくホアランポーン駅へ向かう道すがら、自ら警察官と名乗り、私服のためIDを提示して私を悪の道に引きずりこもうとする詐欺師の攻撃をかわしながらも汽車(15バーツ)で1時間半かけてアユタヤ駅に到着することに成功した。

タイのトラディショナルなタクシーであるトクトクという3輪の乗り物がある。駅の周辺をうろうろしているとトクトクの運転手兼客引きが私の後をトコトコと付いてきて、しきりにトクトクがおトクだと言うことをアピールしていたのだが、軽くいなして駅のレンタサイクルで1日30バーツの子供用のように小さいマウンテンバイク系のチャリを借りて観光に乗り出すことにした。

炎天下の中、まず到着したのはワット・プラ・ラーム(30バーツ)という1369年に建立されたクメール様式の寺院である。その後ワット・プラ・シー・サンペット(30バーツ)という3人の王が眠る王室の守護寺院であり、アユタヤのシンボルとなっている寺院を訪れた。ここには3基のセイロン様式のチェディという塔が建っており、その中のひとつは侵入可能となっているのだが、こうもりの鳴き声と強烈なアンモニア臭により、一般観光客は足を踏み入れるのをためらってしまう仕組みになっていた。

ヴィハーン・プラ・モンコン・ボビットで高さ17mの青銅仏を拝み、ワット・ラーチャ・ブラナでプラーン(クメール式仏塔)の内部の小さな空間でアユタヤ様式の壁画を見た後、ワット・プラ・マハタート(30バーツ)に到着した。ビルマ軍によって壊滅され、あらゆる仏像は頭部を落とされており、廃墟のようなこの寺院で一番観光客の注目を集めているものは木の根に取り込まれてしまった仏像の頭部であり、観光客が並んで写真を撮る際にはしゃがんでこの仏像よりも頭の位置を低くしなければならないという管理人付きの厳しい制限が敷かれていた。

アユタヤ遺跡から発掘された宝物が展示されているチャオ・サン・プラヤー国立博物館(30バーツ)で古美術品を堪能し、観光用のアジア象を操っているエレファントキャンプから数多くの象が象使いと観光客を乗せ、糞の後始末用の係りを従えて隊列を組んで歩いている様を見物し、ケツの痛みをこらえながらもなんとか自転車で駅に帰還し、夕方の急行列車(20バーツ)でバンコクに帰っていった。

ホアランポーン駅からバンコク一の歓楽街の中にあるハッポン通りを歩いていると壮大な草むらの中で緑色の虫が飛び跳ねているような感覚を覚えてしまうのだが、ここには土産物屋の露天が所狭しと並んでおり、明らかにバッタ物であることをアピールするようなエセブランド品が並び、ゴーゴーバーからは轟音が響き渡っていた。タニヤ通りという日本の場末の繁華街のような通りには日本語の看板を掲げたカラオケバーやクラブが林立しており、毎夜日本人の駐在員や観光客が乱痴気騒ぎを起し、ひんしゅくをかっている場所であることが確認された。

1月12日(月)

マサよ、君はタイが世界有数の毒蛇大国であることを知っているか!?

ということで、タイ赤十字協会の敷地内にあり、ブラジルに次いで世界2位の規模があるといわれているスネーク・ファーム(70バーツ)を訪問した。ここは毒蛇の血清などを研究する機関であり、多くの毒蛇やニシキヘビ等を飼育している。午前10時半からのスライド上映の後、11時より研究員兼蛇使いのデモンストレーションが始まった。まず、蛇使いのおっさんが持参したのは体長3mはあろうかと思われるキング・コブラである。ここでのお楽しみはおっさんと目が合ってしまった観光客がコブラにキスをさせられたり、ニシキヘビを首に巻かれたり、実際の蛇毒採取を生で見られることである。

チャオプラヤ川のほとりのごちゃごちゃしたチャイナタウンで人ごみを掻き分けながら北上し、渡し舟で対岸に渡り、バンコクの大手の病院であるシリラート病院に到着した。この病院内にはタイ薬学博物館、解剖学博物館、法医学博物館というものが無料で公開されており、とくに解剖学博物館ではホルマリン漬けにされた人体のパーツや死体の標本やべトちゃん、ドクちゃんのようなシャム双生児や異常胎児の標本がところ狭しと並んでいる。また、法医学博物館では拳銃で打ち抜かれた頭蓋骨や切断された腕、死刑に処された凶悪犯の樹脂で固められた死体等を生で見ることが出来るので暑いバンコクの中で唯一涼しい思いが出来るファシリティであろうと思われた。また、とある病院棟の受付らしき所には身元不明の惨殺死体の写真が並んでおり、日本のチャチなホラー映画も真っ青になるくらいの状況が病院内の日常で展開されていることが確認出来た。

夕暮れ時にワット・ベンチャマボビットで大理石寺院の美しさを見物しているときに雨が降ってきて、その後豪雨となったので撤収し、そのまま深夜12時過ぎのANA916便にて帰国することと相成った。

世界最強レベルの観光地トクトクバンコク情報

*タイはマーガリン系の名前を持つラーマ国王が統治する国で街のいたるところで国王の写真を見ることが出来る

*タイの鉄道の線路の周辺はスラム街的居住地域になっており、列車の脇では子供が遊び、犬が歩き、誰かが屋台で飯を食っている状況を車窓から垣間見ることが出来る

*バンコクには排気ガスで汚れたおびただしい数のやせ犬が年中夏バテ状態で道端で寝転んでいる

*悪名高いバンコクの渋滞のために街中に排気ガスがあふれており、また、信号は車優先で歩行者用信号は機能していないので歩行者は危険を冒して横断歩道を横断しなければならない

*街歩きで腹が減ると適当に麺類(20バーツ)を食ったり、のどが渇けば切り売りフルーツ(10バーツ)やみかん生絞りジュース(10~20バーツ)等で手軽にのどを潤すことが出来る

FTBサマリー

総飛行機代 ¥69,740

総宿泊費 13,182.9バーツ(1バーツ=¥3.2)

総エアポートバス代 100バーツ

総汽車代 35バーツ

総タクシー代 300バーツ

総ドン・ムアン空港使用料 500バーツ

次回予定:「FTBJ北の国から2004たんちょう」

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