第二回ガリンコ号で行くガチンコ流氷ながれ旅ツアー(やらせなし!リベンジ編)

前回までのあらすじ

西暦2002年3月2日(土)構想5年の歳月をかけて実行に移されたFTB念願の流氷ながれ旅であったが、網走では強風のため、オーロラ号が欠航になり、翌日の紋別でのガリンコ号においては船は出航したものの航路上に流氷が無いため、単なる寒い海のクルーズに甘んじてしまったというこれ以上ない屈辱を味わってしまった。その日を境にFTBはリベンジの炎と化し、FTBの総力を結集して1年後に必ず雪辱を果たすべく、オホーツク流氷科学センターや北海道大学流氷施設とタイアップして物理的/化学的な観点から流氷のながれの綿密な調査を実施し、今回記念すべき瞬間を迎えるに至ったのである。

3月15日(土)

ノースウエストのマイレージが余っていたので、マサであれば¥6万くらいかかるところを私はただで日本エアシステムが運航する羽田-女満別の往復航空券を入手していた。JAS183便、エアバスA600-B2機にて午後1時過ぎに女満別空港に到着するとニッポンレンタカーでレンタルしたホンダのフィットが妙に体にフィットした感覚を覚えながら一目散に網走の海に向かって車を走らせていた。流氷レーダーで日々の流氷の動きをつぶさに観察していたものの去年の悪夢がトラウマになっていたため、実際に海の状況をこの目で見ないと不安で仕方がなかったのだ!

高鳴る鼓動と不安を胸に車が沿岸部に近づいて来ると思わず「何か知らね~けど、海がやけに白くね~か?」と叫んでしまった。そう、網走沿岸部は白くて分厚い氷で一面覆われていやがったのだ!とりあえず、海の状況を見て安心したのか、急に昼飯を食っていないことに気が付き、網走のとあるラーメン屋でガチンコラーメン道の佐野さんを彷彿とさせる親父が作っているみそチャーシュー・ワンタン麺(\950)を食って腹ごなしをした。

最大旅客定員450名を誇る流氷観光砕氷船オーロラ号が網走で営業しており、この船に乗らなければ網走に来たことにはならないと言われているのであらかじめ1ヶ月前から予約をしておいた。オーロラ号の砕氷の仕組みは傾斜角30度を持った船首の下に流氷を誘導し、船底方面で流氷を叩き潰すような技術を用いており、最大で80cm厚の流氷に対応出来るとパンフレットに誇らしげにうたってあった。しかしながら、今日、オーロラ号の受付カウンターで流氷が厚くて沖合いに出られないのでクルーズ時間を1時間から30分に短縮し、港内をちまちま航行するという事実に直面して愕然とさせられてしまった。その代わりに通常¥3,000の乗船料を¥1,500に値引きして観光客の機嫌を損ねないように営業努力している姿勢を買ってクルーズに参加してやることにした。

船が岸から離れるとあたりは一面氷に覆われた白い世界に囲まれてしまった。時おり巨大な流氷にぶちあたると491トンのオーロラ号であっても船は傾き、デッキは観光客の歓喜と恐怖と怒号に包まれていた。上空には渡辺真知子が放し飼いにしていると噂されるカモメが飛びかい、観光客がデッキから投げているかっぱえびせんの奪い合いが展開されていた。

ということで、今日は流氷クルージングの練習が十分に出来たので、夕方オホーツク沿岸を100km程度北上し、ガリンコ号が待つオホーツク紋別へと向かった。途中、サロマ湖の近辺で日が沈んできたのでかの有名なサロマ湖の夕日を見物しようと思ったが、残念ながらシャッターチャンスを提供出来るスポットに駐車することが出来なかったので断念せざるを得なかった。

3月16日(日)

FTBの常宿に認定された天然温泉付き、紋別プリンスホテルをチェックアウトすると予約していた9:30の便に乗船するためにガリンコ号ステーションに向かった。1987年に就航開始した初代ガリンコ号をさらにパワーアップして1997年から営業開始したガリンコ号IIは網走のオーロラ号よりも船体は小さいもののオーロラ号には装備されていない流氷を粉砕するためのドリルが船首についており、どんなに強力な流氷にもガチンコ勝負を挑むことが出来るものと信じていた。

ところがやはりここでも分厚い流氷の集団が行く手を阻んでいるため、船はあまり奥へは進めないと受付のおね~ちゃんにドリルの代わりに釘を刺されてしまった。しかもガリンコ号のプライドにより、一切のチケットのディスカウントは提供されなかったのだ!何はともあれ出航の時間になり、船は港を離れていった。デッキから流氷で覆われた海面を見下ろすと天然記念物であるオジロワシが流氷の上で羽休めをしながら観光客の挙動を観察している光景が目に飛び込んでくる。また、船上でアクセス出来る最前部からガリンコ号IIが誇る2基のドリルが流氷をガリガリする光景に多くの観光客の目は釘付けになっていた。尚、このドリルはガリガリするだけでなく、回転する方向や速度を変えることによって船の舵取りが出来る仕組みになっていた。

ガリンコ号IIは乗船場に戻ってくる前にオホーツクタワーに寄港し、ガリンコ号とオホーツクタワー見学のセットチケット(別々に買えば¥4、200だが、セットでは¥3,600)を購入している乗客はここで下船することになっている。オホーツク流氷科学研究所の拠点となっているオホーツクタワーは地上にある観測展示室や展望室に加え、海底階には海底自然観測室が設置されており、流氷の下でさまざまな生命を育むオホーツク海の知られざる状況を垣間見ることが出来るようになっている。また、ここでは生きたクリオネが水槽の中で飼育されており、オホーツクの天使といわれるその美しい姿を目を凝らしながら観察することが可能になっているのだ!

オホーツクタワー内の掲示板に紋別市内の流氷岬に数年ぶりに流氷山脈が出現したので見に行かないと損するぜ!といった内容が掲げられていたので見に行って来た。流氷山脈とは流氷移動の圧力により、波打ち際に打ち上げられた形になっている流氷群が山のように重なり合っている代物で立ち入り禁止区域に指定されているにもかかわらず、多くの命知らずの親子連れ等が流氷登山をエンジョイしていた。

ということで今年は例年になく、流氷の当たり年のようで昨シーズンにガリンコ号が公式発表した流氷体験率60数%を大きく上回る実績を残すものと思われる。尚、流氷クルージングは4月6日までが運航期間となっているので早く行くことをお勧めいたします。

FTBサマリー

総飛行機代 ただ

総宿泊費 ¥5,460

総レンタカー代 ¥8,400

総ガソリン代 ¥1,577

総流氷観光砕氷船代 ¥4,500

協力 ノースウエスト航空、日本エアシステム、ニッポンレンタカー、オホーツク流氷科学センター

   北海道大学流氷施設

http://www.ohotuku26.or.jp/organization/center/bunpu/radar.htm
http://www.hokudai.ac.jp/lowtemp/sirl/shome.html

次回はFTBSEAアンコールにおこたえしなくてもワット驚くアンコールツアー in カンボジアをおおくり

します。マサよ、放浪中のベトナムから国境を越えて私のところへ必ず挨拶に来いよ!

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