FTBボンバイエ祭り 祝!地球の裏側進出ツアー

マサの愛人へナータと大鶴義丹をギタンギタンにしたマルシアをはじめとするブラジル人ギャルは何故かアドリアーナ、カロリーナ、パトリシア、マリナ、リアナ、ルシアナ等、末尾にア行の文字がつく奴が圧倒的に多いのだが、これはいったいどういうことなのか!?

ということで悶々とした疑問をいただきながら、いつかはブラジルツアーに参戦しなければならないと考えていたFTBであるが、このたびついに地球の裏側に足を踏み入れる機会が訪れることと相成った。ところでブラジルというと中森明菜も推薦する♪ミ・アモーレ♪の都リオデジャネイロや最近ドットコム系で本の売れ行きも好調なアマゾンが思い浮かぶのだが、アマゾンへ行くと瀬戸内海を見て「日本にも大きな河があるじゃないか!」という突っ込みを入れてくるエセ親日家に必ず遭遇することを恐れたため、今回FTBが厳選した訪問先はアルゼンチン、パラグアイと国境を接する世界最大級の滝イグアスとなったのであった。

1月11日(火)

ブラジルとの戦いは飛行機に乗る前から始まっている。ブラジルに入国するためにはビザの取得が必要であり、JTB等の大手旅行会社であっても通常10営業日くらいかかるところを実力派ツーリストのFTBはわずか4営業日で取得出来る交渉に成功していた。今日朝一でブラジル総領事館に乗り込んで査証つきパスポートを受取ることになっていたのだが、何と外交官のサインが間に合わず午後2時に再訪するように指示されてしまったものの何とか短期間でのブラジルビザの取得に成功したFTBであった。

1月12日(水)

ANA010便ニューヨーク行きは定刻午前11時に出発し、同日午前9時過ぎには厚い冬雲に覆われたJFK空港に到着した。空港からAirTrain($5)と地下鉄($2)を乗り継いでマンハッタンに進出し、工事が進んでいるグランド・ゼロをちらっと見た後、バッテリーパークからCircle Ferry($10)に乗りこんだ。ブラジル行きの飛行機が出るのは夕方の時間帯だったのでとりあえずつかの間の自由を満喫出来る現状に感謝を込めて自由の女神にお礼参りと洒落こむことにしたのであった。9.11テロの傷も癒えたと見えて前回来た時には公開されていなかった自由の女神内部のファシリティに入ることが出来たのだが、相変わらずセキュリティのチェックは厳しく荷物をぶち込むためのロッカーの鍵は指紋認証というハイテクノロジーが使用されていた。

自由の女神が送り主であるフランスに向かってにらみを利かせるLiberty islandを出航したCircle Ferryは次の寄港地であるエリス島に着岸した。アメリカの移民局がそのまま博物館に成り上がったメインビルディングの内部には1800年代の後半にヨーロッパから大挙して押しかけてきた移民の持ち物や写真等がところ狭しと並んでおり、否が応でも開拓者魂をかきたてさせられる場所であることが確認されたのであった。

1月13日(木)

昨夕6時45分に出発したヴァリグブラジル航空RG8865便、MD11型機は定刻午前7時過ぎに3時間の時差を越えてサンパウロのグアルーリョス国際空港に到着した。長い行列の出来た入国審査を何とかクリアして念願のブラジルに入国を果たすと早速空港の両替所でUS$をブラジルの現地通過であるレアル(R$)に恐らく良くないレートで両替していただいた。今回のツアーの最終目的地であるフォス・ド・イグアス行きのRG2251便の出発は午後12時50分となっているため、適当に時間潰しをしなければならなかったのであるが、無常にもサンパウロの空港内は特に見るべきものはなかったのだった。

30分ほど遅れて出発したRG2251便に搭乗して1時間半ほどすると眼下に思わず「うっそ~」と叫んでしまうほどのうっそうとしたジャングルが広がっていた。飛行機の機長のアナウンスが左手にイグアスの滝(世界遺産)の存在を告げるとまもなく緑色の森林を切り裂くように落ち込んでいる大量の水の流れが目に飛び込んできたのであった。飛行機はまるで遊覧飛行をしているように滝の周辺をゆっくりと旋回した後、ついにフォス・ド・イグアス空港に着陸した。

空港からタクシー(R$12)で予約しておいたリゾートホテルであるHotel San Martinに入り、今日は30時間以上にもおよび移動の疲労を軽減するために部屋でゆっくり休ませていただくことにした。

1月14日(金)

宿泊していたホテルがイグアス国立公園のゲートのすぐ近くだったので徒歩10分程で公園のターミナルに到着することが出来た。チケット売り場で入園料(R$19.35)を支払うと園内で観光客を運ぶバスに乗り込み、ついに念願のイグアスの滝ツアーがスタートした。

国立公園内にある唯一の高級リゾートホテルであるトロピカル・ダス・カタラタス前に遊歩道口があるのでそこでバスを下車すると全長1.2kmにわたる遊歩道の散策を開始したのだが、ほどなくすると眼前にこの世のものとは思えない一連の水のカーテンが広がっていた。イグアス川べりの高台に沿って造られている遊歩道からは全長4kmにわたり大小約300の滝が段を成して連なっているイグアスの滝の大部分が観察出来るのであるが、これらの滝のいたるところに虹がかかっており、インドの山奥で修行をしなくても誰でもレインボーマン(http://www.urban.ne.jp/home/ak1go/tvhero10.html)になれる環境が提供されていることが確認された。

終始下り気味の道が続く遊歩道のハイライトは最奥の滝の中段にせり出した桟橋で「悪魔ののどぶえ」といわれるイグアス最大の瀑布の絶景が目の前に迫っている展望台であり、ここで絶え間ない水しぶきの洗礼を受けることになる。また、落差約80mを流れ落ちる莫大な水量が醸し出す轟音は郷ひろみ少年が♪きみたち女の子♪と言っても♪ぼくたち男の子♪と言ってもゴ~ゴ~という返事しか返すことが出来ないでいるのである。

桟橋を戻ると土産物屋の近くにエレベーターがあり、レストハウスまで上がれることが出来た。イグアスの滝を取り囲むジャングルには豹柄の毛皮を身にまとったジャガー系の猛獣等の野生動物の宝庫となっているのだが、人馴れしているアナグマは人間が食っている食い物を求めてアナアナグマグマと集団で進出してくる。園内のそこらじゅうに野生動物に餌をやるなとの看板が出ているのだが、アナグマの連中は字が読めないのでおかまいなく観光客の食い物を奪っていたのだ。

結局園内には朝の9時頃から夕方まで滞在していたのだが、その間おびただしいほどの観光バスと色とりどりのサッカー系のユニフォームを着た多数のラテン系青少年少女の観光客と遭遇してしまった。いずれにしても、クリントン元大統領をはじめとするアメリカ人にして「Poor ナイアガラ!」といわしめるほどの迫力を誇るイグアスの滝には日本の滝百選の要素もすべて含まれるほどの多様性にも満ちていることを思い知らされてしまい、石川さゆりも♪じょうれんのたぁきぃ♪とのん気に歌っている場合ではないと思われたのだ。

1月15日(土)

早朝より、国立公園前のバス停から市バス(R$1.65)に乗りこみ、フォス・ド・イグアスのダウンタウンに向かうと30分程度で中心部の近距離バスターミナルに到着した。そこからさらにバスを乗り換えてフォス・ド・イグアスの町から20km離れたブラジルとパラグアイの国境に位置するイタイプー・ダムを目指した。

マサよ、君は世界最大の出力を誇る水力発電所がこんな南半球の僻地に存在していることを知っていたか!?

私は・・・今日知ってしまった!!!

ということで、Ticket窓口で首尾よく9時半からスタートするツアーの無償チケットを入手すると指定された番号の大型観光バスに乗り込み、イタイプー・ダムへのツアーがスタートした。ブラジルとパラグアイの国境を流れるパラナ川に建造されたイタイプー発電所は両国の共同事業として1975年に着工し、1984年に送電を開始している。パラナ川を堰き止めた貯水池面積は琵琶湖の2倍にものぼり、水の毎秒排出量はイグアスの滝の30倍にも及んでいるそうだ。最初に訪れた見学場所はすさまじい量の水が流れている様子が確認出来るファシリティであったが、フーバーダムや黒部ダムのようなアーチ式ではないので迫り来る壁のような迫力は感じられなかったものの、バスがダムの上に作られている道路を走りながら景色を眺めていると総計8kmにもおよぶ長さのダムのスケールの大きさをいやがおうでも感じさせられてしまうだ。

その後、博物館に戻り、Auditoriumにて記録映画を鑑賞させていただいたのだが、そこには石原プロモーションが総力をあげて製作した「黒部の太陽」http://www.ishihara-pro.co.jp/ac/ishihara/i_movie/mo_83.htmに匹敵するダム建設に命をかけた男たちのドラマが繰り広げられていたのであった。

1月16日(日)

ブラジルとアルゼンチンの国境を流れるイグアス川を越えてアルゼンチンに渡るためにはまずフォス・ド・イグアスのダウンタウンに出てそこからアルゼンチン側の観光拠点であるプエルト・イグアス行きのバス(R$3)に乗らなければならないので多くの観光客で混雑したメルセデスベンツのエンブレムを冠してあるものの高級そうには見えないバスに乗り込むことにした。ブラジルの国境をスルーしてアルゼンチン側の国境で入国スタンプをもらうと黄金の左足を持つ薬漬けのマラドーナが仕切っている水色の国アルゼンチンへの入国を果たした。

町全体が土色をしているプエルト・イグアスのバスターミナルのKIOSCOで安いコーラの購入と引き換えに首尾よくブラジルレアルをアルゼンチンペソに両替していただくと早速イグアスの滝国立公園行きのバス(P$2.8)に乗り込んだ。森林畑系地帯を疾走するバスは30分程度で公園ゲートに到着し、P$30の入園料を支払うと公園内を移動する交通手段となっている鉄道を走る電気機関車に乗り込んだ。

最初の駅で下車して向かった先はまずイグアスの滝を上から見下ろすことが出来る展望トレイルである。イグアスの滝の大部分はアルゼンチン側から流れ落ちているのでアルゼンチンサイドでは一本道トレイルのブラジルよりもより多様な滝の側面を間近で観察することが出来る。また、イグアス川に下っていく遊歩道もあり、川岸から川の真中に浮かぶSan Martin島行きの無料の渡し舟に乗ると数分で砂のきれいなビーチに到着することが出来た。そこから登り階段のトレイルが続いているのだが、島の頂上に到着すると目の前に自然の織り成すこの上なくすばらしい水の芸術作品を目の当たりにすることになり、思わず感動で打ち震えてしまうのであった。尚、ブラジル側にもアルゼンチン側にも滝に接近するボートツアーが高値で営業されているのだが、そのような商業的エンターテイメントに頼らなくても十分に滝のすばらしさは満喫出来るのである。

イグアスの最大の見所といわれている「悪魔ののどぶえ」は、鉄道の終点で降り、そこから1.2kmある脆弱そうな橋を渡って到着するのだが、途中洪水で破壊された橋の残骸を見ながら進むことになる。やがてかつての郷ひろみ追っかけギャルの掛け声のようにゴ~ゴ~という轟音とともに「悪魔ののどぶえ」が姿を現すのだが、目の前を落下する滝のすさまじさは思わず観光客を引き込んでしまいそうな迫力があり、横溝正史原作「悪魔が来たりて笛を吹く」と同等の不気味ささえも醸し出していた。

つつがなくブラジル行きのバスに乗り、フォス・ド・イグアスまで帰ってくることに成功すると腹が減っていることに気づいたので適当に飯屋を探すことにした。丁度Hokkai Sushiという日本食屋があったのでそこでたこポンと牛丼を発注すると吉野家でいうところの牛焼肉丼のような牛丼が出てきやがり、しかも味は悪くなかったのだった。

1月17日(月)

イグアス国立公園ゲートの手前にバードパーク(R$25)があり、入り口近くで飼われているダチョウに誘われるように思わず入園してしまった。ここにはブラジルで見られる鳥を中心に世界中から珍しい鳥が集められており、天然の亜熱帯林の中の全長1kmにも渡る散策道を歩きながらバードウォッチングが出来る環境が提供されている。最近玉の輿に乗って毒が消えかかっている杉田かおるの「鳥の詩」をサンバ調で歌いながら歩いているとペリカン系のくちばしを持った鳥達が「チーボー!」というような鳴き声とともに観光客に近づいてくるのであった。

午後一の便でフォス・ド・イグアスを後にすると3時ごろにサン・パウロ空港に到着し、深夜までニューヨーク行きのフライト待ちをしなければならなかったので市バス(R$3)でサン・パウロの中心に乗り込むことにした。赤字国債を乱発して日本に財政破綻を招きかけている財務省と同じくらいいいかげんな外務省より「十分注意」の危険情報が発出されている大サン・パウロ圏のとあるTatuapeというバスターミナルで下車すると地下鉄(R$2.1)で市の中心部であるセントロのセー広場に向かった。カテドラル・メトロポリターナという大聖堂が君臨するこの広場の周辺には道行く一般市民と共にたくさんのホームレスが暮らしており、多少怪しい雰囲気を醸し出していたのでそこから歩いて5分ほどの東洋人街にエスケープすることにした。地球の裏側に存在する日本のどこかの駅前商店街の様相を呈しているこの町は赤い鳥居と多数のノボリやYakisoba屋台等を有しており、これぞマサに大阪との姉妹都市サン・パウロを代表する光景ではないかと思われた。

日中合作ホテルの雰囲気を漂わせた万里ホテルで和中折衷のレストランが客を集めていたのでそこでお得そうなFestival de Sushi(R$23)というセットメニューを発注した。するといきなり、ネギトロの手巻きが出現し、引き続きサーモン、マグロ、カツオ系の魚の刺身と寿司が山盛りされた舟盛り器が登場した。舟盛りを何とか撃沈して一息ついたところに揚げ餃子や野菜の天ぷらが出され、しかも寿司のお代わりの希望を聞くという暴挙にあったため、マサにサン・パウロは「十分注意」に値する地域であることを思い知らされた気がした。

1月18日(火)

昨夜の23時59分発のフライトで早朝6時過ぎにニューヨークに到着した。そそくさと米国入国、ANA便のチェックインを済ますとラウンジに駆け込んで静かな時間を過ごさせていただこうと思っていた。窓から飛行機を眺めているとふいに延髄を斬られるような衝撃を覚えたのでふとラウンジの入り口方面に目を向けると何とそこにはブラジルで少年時代を過ごしたアントニオ猪木が豪快にリンゴをかじっている姿があったのだった。

格闘技人気という追い風にもかかわらずK1やプライドに押されて大晦日に「猪木祭り」を開催出来なかった猪木はワインを注ぎにいったもののボンバイエ http://www.inokiism.com/(注:ボンバイエの音楽が流れるので家で聞けよ!)のリズムに乗りきれずにワインをこぼしてけなげにテーブルや椅子を拭いていたのであったがファンの皆様としては係りの女子を呼びつけて「なんだこの野郎!」といちゃもんをつけている姿が見たかったであろう。その後猪木は腹いせに免税店で大量の物品を買いこんだ後、”闘魂”という刺繍のないジャケットを身にまとってとっととファーストクラスに逃げ込んでいったのだった。

1月19日(水)

午後3時ごろ成田着、無事にツアーが終了したので猪木とともに「いち・に・さん・ダァー」で決めようと思ったが、ファーストクラスの上客は逃げ足が速いのでそのまま流解散となった。今回のツアーの目的は20~30時間の移動が人体にどのような影響をおよぼすのか評価することであったが以外に楽であることが実証された。

FTBサマリー

総飛行機代 \200,110

総宿泊費  R$525.28(朝食付き)、(US$1 = R$2.65)

総Air Train代  US$10

総ニューヨーク地下鉄代  US$4

総アルゼンチンバス代  P$8.6 (P$1 = R$0.9くらいか?)

総ブラジルバス代

総ブラジルメトロ代 R$4.2

総ブラジルビザ代 ¥3,000

今回歴訪した国 アメリカ合衆国、ブラジル、アルゼンチ

次回もバリバリ行くぜ!

協力 ANA、ヴァリグブラジル航空、猪木事務所

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