FTBラストエンペラー in 北京

ニイハオ マサよ!!

ということで、今年の春先から世界中を震撼させたSARS禍により、渡航制限が敷かれていた中国へのフライトが7月中旬より通常運行に戻された。ANAマイレージクラブダイヤモンド会員として活躍し、義理人情に厚く、責任感の強い私は中国旅行が安全であることを証明するためにANAが展開する高速中国路線にいち早く搭乗し、北京を目指すことにした。

7月18日(金)

常に余っているANAのマイレージを利用してマサであれば¥16万くらいかかるところを私はただで入手していた成田-北京間のE-Ticketを使って成田空港第2ターミナルのANAファーストクラスチェックインデスクでチェックインを試みると係りの女性に復航した中国便にご搭乗いただき誠にありがとうございますと深々と感謝されてしまった。17時25分発のNH955便、B767-300ER機はわずか40~50名程度の乗客を乗せ、3時間20分程度のフライトで1時間の時差を越えて北京首都空港に午後7時50分頃到着した。ところで飛行機の座席前ポケットに高級マスクが入ってないか確認したが、すでに撤去されている様子であった。

北京首都空港では入国審査の前に電子体温自動測定ゲートをくぐらされることになっており、入国者が発熱していないか瞬時に判別出来るような体制が取られていた。空港内の銀行で円を元に両替すると早速バス(16元)で市内に向かうことにした。今回の宿泊地はヒルトン北京を予約しておいたので、ホテルの近くらしいところで適当にバスを降りて2時間くらいあたりをさまよい、こんな遅い時間まで通りでぶらぶらしている人民の様子を観察しながら、10時半過ぎにやっとの思いでチェックインに成功した。あれだけ世の中を騒がせたSARSの影響がまるで何事もなかったかのように北京の人民はすべてマスクを脱ぎ捨てており、岩手県会議員に当選しても決してマスクを脱ごうとしないみちのくプロレスのサスケとはえらい違いであることを思い知らされた。

7月19日(土)

ヒルトンホテルは北京中心部のはずれに位置しているため、早朝より徒歩で1時間以上かけて北京の心臓部に進出することにした。通る道すがらの先々で道路はほじくり返され、建設中のビルには巨大なクレーンが設置されており、2008年のオリンピックに向けて急ピッチで開発が進んでいる様子が見て取れた。NHKのニュース等で見る北京の代表的風景と言えばやはり毛沢東の肖像画がかかげられた天安門である。天安門を目の当たりにして異常なまでの高揚感を味わいながらも天安門を素通りして世界遺産に認定されている故宮に向かった。紫禁城とも呼ばれる故宮は故宮博物院(60元)として一般公開されており、ここに来なければ中国に来た意味がないと言われるほどの観光拠点になっている。映画界の裏事情に詳しいであろうマサであれば知っていると思うが、ラストエンペラーに扮したジョン・ローンはハリウッドに抱えている住宅ローンを返済するために出演を了承し、また、エキストラとして活躍した坂本龍一はYMOが儲からないので別居中の矢野顕子との手切れ金を稼ぐために悪役を買って出たと言われている。いずれにしてもここに立っている建造物や調度品を目の当たりにするといやがおうでも観光客は皇帝溥儀の気分を満喫させられることになるのだ。

故宮の北側に景山公園(2元)が控えており、高さ43mの万春亭からは故宮や周辺の景色が一望出来るようになっている。とある全く言葉の通じない中華料理屋で野菜がたくさん入っているかけご飯系の飯を食い過ぎた後、炎天下の中を再び天安門に戻ってきた。天安門は今では一般公開されており、15元でチケットを買うと毛沢東をはじめ中国の歴代の主席が人民に対して演説を行ったステージまで上がることが出来るのだ。ここから道路を挟んで東京ドームの10倍くらいの収容人員50万人を誇る天安門広場を一望出来るのだが、この広場は1989年の天安門事件等数回に渡る血塗られた事件を経験している場所であり、毛沢東も事件が起こるたびに「も~たくさん!」と弱音を吐いていたことが容易に予想出来るのだ。

7月20日(日)

中国に入国し、円を元に両替していたので通常であれば福沢諭吉で賑わっている私の財布が毛沢東の集団に占拠されてしまっていた。この状況を打破するためにあえて金のかかるタクシーをヒルトンホテルでチャーターして北京郊外の観光に乗り出すことにした。中国観光のハイライトと言えば宇宙からもその存在が確認できる地球最大の建造物である万里の長城(世界遺産)である。長城は全長6,350kmにもおよんでいるのだが、北京から最も簡単にアクセス出来る八達嶺長城(45元)に向かうことにした。ここは燕山山脈の都軍山に築かれた明代の長城で、北京周辺では最も早く修復された観光用の長城として君臨している。さすがに中国を代表する観光地であるだけに日本人観光客抜きの状態でもツアー用の黄色い帽子を被った田舎者の中国人観光客で大変な賑わいを見せていた。

居庸関(35元)という難攻不落の関所が長城のいでたちで険しい山脈の中に佇んでいるので見物に行って来た。果てしなく続く急な階段を何段も登り、ゴールが見えない頂上目指して多くの観光客が苦痛の色を浮かべながらも観光に精を出していた。1時間半ほどかけてやっと頂上にたどり着いた観光客は大声を出してこだまの反響の状況を確認した後、だまって降りていくのが関の山であった。

明王朝歴代皇帝の陵墓として明十三陵(世界遺産)が観光地として賑わいを見せている。日本に例えて言うと徳川十五代の歴代の将軍の墓が観光地になっているようなものであろう。十三陵の中では定陵、長陵、昭陵が一般公開されているのだが、今回は長陵博物館(30元)と定陵博物館(40元)を訪問することにした。明十三陵の中でも最も多くの集客力を誇るのが定陵である。ここでは1959年に地下宮殿が発掘され、発掘現場には毛沢東も訪問した実績を持っているのだ。宮殿は深さ27mのところにあり、前殿、中殿、後殿と左右にある横殿という5つの殿で構成されており、中には発掘された当時の棺と皇帝、皇后の大理石の宝座が展示されている。

7月21日(月)

帰りの飛行機が午後2時45分発だったので午前中の時間を観光に充てるべく路線バス(2元)で北京中心部に向かった。中心部やや南側に皇帝が五穀豊穣を祈願して建立した天壇(30元、世界遺産)が君臨している。ここは現存する中国最大の祭祀建造物で1421年に造られた物である。祈年堂という天壇の中で最も荘厳で美しい建物は三層構造の屋根を持っているのだが、これらは全部で28本の柱だけで支えられており、ほかには梁も釘も一切使用されていないそうだ。

ということで中国に旅行しても何も問題ないことが確認出来たので、マサよ、財務省の慰安旅行では幹事として必ずここを訪問してくれよ!!

世界遺産の宝庫北京市情報

*人類学者にはたまらない周口店猿人遺址(世界遺産)が北京市中心部から約50km西南部にある。ここはかの有名な北京原人ぺキネシスが掘り起こされた場所である。

*その他有名観光地として頤和宴(世界遺産)や日中戦争の勃発地点である蘆溝橋も見逃せないポイントであろう。

*北京市内にはマクドナルド、ケンタッキー、ピザハット、スターバックス等おなじみのファーストフードやカフェがある。中でもスターバックスは故宮内部にも進出してやがった。

FTBサマリー

総飛行機代 ¥2,820(税金のみ)

総中国ビザ代 ¥4,500

総バス代 18元

総タクシー代 826元

総地下鉄代 6元

総北京空港使用料 

協力 ANA、GYC旅行社、HiltonHHonors

次回はFTBロッキー4ゴジラの逆襲をお送りします

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