FTB炎の離島デスマッチ第?弾 in 福江島

11月末を持って「なるほどザFTB2003秋の祭典」を終了したものの、息つくまもなく次の企画の立案に東奔西走している今日この頃であるが、ふと、いにしえの旅人にさそわれるように九州の西の果て、長崎県沖の五島列島最大の島である福江島を訪れ、はるか東シナ海のかなたの中国大陸に思いをはせることにした。

12月13日(土)

羽田から福岡空港を経由してANK785便にて午後4時前に五島福江空港に到着した。空港からバスで福江市の繁華街までわずか10分程度で到着すると適当なところに五島バスターミナルホテルというバスターミナルとビジネスホテルを兼ねたファシリティがあったので軽くチェックインすると福江市街地をぶらぶらすることにした。ホテルから歩いて2分くらいのところに福江港があり、ここから博多行きのフェリーや長崎行きのジェットフォイルが出ているのが確認された。

さらにうろついていると街中に福江城(石田城)跡が君臨しているのを発見した。福江城は三方が海に望む我が国唯一の海城であり、外国船(黒船)の襲来に備えて国防のために江戸時代最後に築城されたものであるが、現在は石垣や城壁程度しか残っておらず、今ではその中にひっそりとたたずむ長崎県立五島高校の健児たちを不良観光客から守っている様子だった。

福江市の繁華街は通常の長崎の繁華街の様相を呈しているものの、驚いたことにマックやロッテリア、ケンタッキー等のファーストフードやセブンイレブン等のメジャー系コンビニは一切存在しないことが確認された。

12月14日(日)

福江市の市街地には1634年に五島藩士170余家を福江に定住させ、城下町を形成していた名残である武家屋敷が数多く、そのまま武家屋敷通りとして残されている。その中心となるファシリティは福江武家屋敷通りふるさと館であり、ここには地元のバラモン凧、草木染と織の実演が体験出来るコーナーがあるのだが、午前9時過ぎの段階では地元の猫数匹以外観光客は誰もいなく、すさんだ猫屋敷と化していた。

福江城の城壁の中に五島観光歴史資料館(¥220)が営業していたので入って見ることにした。ここでは大小140の島々から成る五島列島の歴史や自然、民族行事等を学習することが出来るのだが、最大の見所は福江島を最後の寄港地として中国大陸に向かう遣唐使が健闘している様子をビデオや再現された遣唐使船や歴史年表等でわかりやすく理解出来る点であろう。

地元のレンタカーでホンダのライフをレンタルすると福江島一周ドライブに乗り出すことにした。五島列島最大の島とはいえ、福江島は東西45km、南北30kmの小さい島なので半日もあれば一周出来てしまうのだ。島の最西端のそのまたはずれに大瀬崎断崖という東シナ海に突出した入り組んだ海岸線を持つ断崖がある。この地の突端にある白亜の灯台は200万カンデラという日本一の明るさで日本の西の海の航海安全を守っている。尚、ここでは日本最後の夕陽を拝むことが出来るのだ。

高浜ビーチという天然の海水浴場としては日本一の美しさを誇る白砂のビーチがある。日本の渚百選にも選定されている高浜ビーチは季節柄、ウエットスーツに身を包んだ一人のヘタクソなサーファー以外は誰もいなかったので沖縄のどのビーチよりも美しい景色を十分に堪能することが出来た。

日本の奈良時代から平安時代にかけて文化的に世界で最も進んでいた国は唐である。当時は唐から学ぶべきものが非常に多かったため、遣唐使を派遣して貢物と引き換えに唐の進んだ文化を吸収していたのだが、福江島は日本における遣唐使の最後の寄港地として重要な役割を果たしていたのでここには遣唐使にまつわるものが数多く残されている。私も平安の世に生きていれば、894年に遣唐使を廃止した菅原道真と喧嘩してでも遣唐使になることを検討していたはずであったろう。

というわけで島の西北端の柏崎というところから遣唐使を乗せた4つの船が出港していた当時のおもかげをしのばせる碑が万葉集に詠まれた遣唐使に関する短歌として数多く残されているのだが、その中で一番観光客の注目を集めているものは真言密教の教祖である空海記念碑である。高野山に金剛峰寺を開いた空海は天台宗の比叡山延暦寺の開祖である最澄とともに遣唐使として長安に入り、帰国後現代のオーム真理教に匹敵する密教を広めたことはあまりにも有名であろう。

長崎県というとキリスト教伝来、キリシタン大名、かくれキリシタン等で名高い場所であるが、かくし事の好きな私はかくれキリシタンが禁教令を解かれ正々堂々と信仰出来るようになった最初のファシリティである堂崎天主堂を訪れることにした。明治41年に建てられた五島最古の洋風建築物である堂崎天主堂はヨーロッパの典型的な教会スタイルを採用しており、庭には聖母マリア像だけでなく、十字架にはり付けにされたフンドシ野郎の銅像等で彩られていた。

マサよ、君は西海国立公園の代表地であり、且つ五島のシンボル的存在でさらに市民の憩いの場になっている場所を知っているか!?

福江空港の近くに鬼岳温泉を核としたリゾート地であるコンカナ王国が君臨しており、そこに入国すると標高315mの全山芝生に覆われた美しい臼状の火山である鬼岳へのルートが開かれている。尚、鬼岳周辺にはゴルフ場や口径60cmのニュートン式反射望遠鏡を持つ鬼岳天文台等のレジャー施設が充実しているのだ。

FTBサマリー

総飛行機代 ¥2,200

総宿泊費 ¥5,250

総レンタカー代 ¥5,250

総ガソリン代 ¥1,520

次回はダイエー帝国の繁栄と衰退の歴史を探るツアーをお送りする予定です。

協力 ANA,ANK

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