FTBJみちのくひとり旅2006 第1弾

♪たとえ~どんなにうらんでい~ても~ たとえ~どんなに明かりがほしくても~ 俺にはお前が最後のマサよ~♪

ということで、残暑厳しい今日この頃、凡人を代表するマサであれば夏の終わりのハーモニーを味わうまでもなく暑い夏をうらんで明かりを欲しがっていることが予想されるが、FTBJでは秋を先取りし、なおかつ夏の疲れをいやすためにみちのくを渡り歩き、秘湯を求めるツアーを敢行することにした。

9月2日(土)

午前9時15分発ANA873便秋田行きは定刻通り10時過ぎに秋田空港に到着すると早速ニッポンレンタカーでダイハツブーンというマイナーな小型車をレンタルすると一路田沢湖方面に向かってさわやかな晴天の中、ブーンブン車を飛ばしていた。約1時間半ほどの快適なドライブで田沢湖町近辺に到着し、さらに田沢湖を一望する田沢湖高原を抜け、乳頭温泉郷を目指した。

日本を代表する秘湯として名高い乳頭温泉という名前を聞くだけで思わず乳首を抑えてしまうような衝動に駆られてしまうのであるが、まずは温泉郷でもっとも古く江戸時代初めにはすでに名湯とされてた鶴の湯(¥500)に浸かることにした。歴史を感じさせる門構えを抜け、茅葺屋根に彩られた宿泊ファシリティの奥に牛乳のように白い湯をたたえた露天風呂が得も言えぬ雰囲気を醸し出しているので早速すっぽんぽんになって白い液体に身を委ねると日ごろの疲れも一気に吹っ飛んでしまうような癒しを堪能することに成功した。

鶴が飛び立つ勢いで鶴の湯を後にすると山道を下って田沢湖白浜のボート乗り場でしばしボ~としながらソフトクリームを食った後、再び田沢湖高原への山道を駆け上がり、秋田で最も高い山である秋田駒ヶ岳の情報提供と火山防災ステーションをセットで提供しているアルパこまくさというファシリティに寄り、最終的に乳頭温泉郷にある休暇村田沢湖高原にチェックインし、ぶな自然林に囲まれた露天風呂に浸かったり、秋田名物を含むバイキング料理に舌鼓を打ちながら去り行く夏を惜しんでいた。

9月3日(日)

早朝休暇村をチェックアウトするとブーンをブン回して十和田八幡平国立公園の八幡平に向かった。手始めに八幡平ビジターセンターにてウォーミングアップ程度の情報収集を行い、秋田県と岩手県の境に位置する八幡平の頂上を目指した。頂上近辺のレストハウスの駐車場に車を止めるとそこから2kmほどの道のりを1613mの八幡平山頂に向かって足を運んだ。高山植物の宝庫である八幡平の山道で可憐な花々が咲き誇っている光景を楽しみながら緩やかな散策をこなした後、このあたりの温泉・火山地帯を代表する後生掛温泉に隣接する後生掛自然研究路に向かった。

後生掛自然研究路は原始的な火山の見本地帯で、強烈な熱湯の噴出と、湯沼がみられ、軽めの坊主地獄や泥火山等、賽の河原系の景観を醸し出している天然系ファシリティである。自然研究路の途中に売店があり、そこで黒玉子という火山で茹でられカラが黒く変色したゆで卵(3個 = \180)を食って硫黄に負けない体力を蓄えて散策にいそしむことに成功した。

田沢湖町に秋田を代表する湯治温泉である玉川温泉が君臨している。この温泉は玉川温泉ビジターセンターを併設するほどの気合を見せているため、まずはその気合に応えるためにビジターセンターを訪問させていただくことにした。ここでの展示内容は焼山を中心とした火山活動や自然環境等この地域の地形や温泉がいかに形成されたかがひとめでわかる模型やパネル等であり、人も住めないような過酷な環境がいかにして温泉街へと発達していったのかをダイジェストで学習することが出来るのだ。

マサよ、君は理科の実験でビーカーの中の塩酸に浸された一円玉の気持ちになったことがあるか!?

ということで、満を持して八幡平の焼山山麓にある日本屈指の名湯地域に足を踏み入れることになったのだが、温泉地域はもうもうと硫黄が噴出す究極の賽の河原地域となっており、大噴という唯一の湯が湧き出す穴からは98℃の熱湯が毎分8600リットルも供給されている。また、岩盤浴といって火山で暖められた岩の上にゴザを敷いて天然オンドル状態で汗を搾り出すというアクティビティも盛んで、皆自らのひ弱な体を横たえられる場所探しに余念がない様子であった。

ところで、玉川温泉(¥600)のお湯のほうであるが、いくつかある浴槽は源泉100%のストレート、源泉50%のお湯割り等に分かれており、また箱蒸しや蒸気サウナ等のファシリティも完備されている。強酸湯で有名な草津温泉の数倍の酸度を持つ源泉100%に身を委ねると数分で溶解しそうな感覚を覚えたのでケロイド状態になる前に50%お湯割で肉体を正常ペーハーに戻して玉川温泉を後にすることにした。

ワイルドな温泉エリアに圧倒された八幡平や田沢湖町を去る前に再び田沢湖に戻り、深さ423.4mと水深日本一が醸し出す神秘な雰囲気と伝説の姫たつこ像の金色に輝く妖艶さを見て♪うしろ~がみひく かなしいこ~えを~ せなでたちきる みちし~るべ~♪という未練をアイルトンのようにせなで断ち切り秋田地区を後にしたのであった。

9月9日(土)

♪つきの~まつしま しぐれのしら~かわ~ きのうとあしたはちが~うけど~♪

というわけで、午前11:30発成田発仙台行きANA3131に搭乗し、仙台空港から空港バス、JRと乗り継いで午後2時過ぎに松島海岸駅に到着した。日本三景および奥の細道を代表する景勝地はおびただしいほどの観光客で混雑しており、行き交う車や松島湾内クルーズ船から排出される排気ガスの匂いが漂っていた。

観光の手始めとして中央観光桟橋に隣接する松島観光協会に程近く、赤い橋でつながる一番近い島に建立されている五大堂を見物した。坂上田村麻呂が東征の折りに建てたと伝えられているお堂は優雅な外形を誇っており、松島を代表する建造物として君臨している。

松島や ああ 松島や まつしマサよ !

ということで、景勝地松島エリアの中で松島発祥の地として名高い雄島に朱塗りの渡月橋を渡って上陸した。島内には多くの小窟があり、諸国の僧侶・巡礼が修行した後が生々しく残っている。また、島には芭蕉の句碑なども残っており、特に印象的なのは芭蕉が松島のすばらしい光景を見て絶句し、句を読めなくなったときに、私にとってのマサのような存在であったろう芭蕉の弟子である曽良がバックアップで句を読みやがったという事実である。

松島には当然のごとくおびただしい数の旅館やホテル等の宿泊施設が君臨しているのだが、東北本線松島駅前に旅館光が経済的な宿泊料で観光客の憩いを提供しているので麦飯石温泉で疲れを取り、新鮮な海の幸に舌鼓を打ちながら一句ひねる間もなくダウンさせられてしまった。

9月10日(日)

宮城県は独眼流政宗こと伊達政(マサ!)宗で有名であるが、松島観光エリアに伊達政宗歴史館(¥1,000)が数多くの渡辺謙ファンを集めているという実態を把握するために入場してみることにした。蝋人形で東北地区出身の偉人や伊達政宗の生涯を表現しているこの歴史館で政宗が豊臣秀吉に対峙した決死の覚悟の身の振り方を学び、財務省での出世競争に明け暮れることになるであろうマサに伝授するつもりはなく、白血病を発症する前の若き渡辺謙の眼帯姿にその後のハリウッド進出の野望を見取ることに成功した。

名勝松島とあいまって名高い東北随一の禅寺である国宝瑞厳寺(¥700)が伊達家の菩提寺としての歴史的風情をたたえているのでイタチの出てきそうな伽藍に詣でることにした。壮大な松並木の奥に佇む本堂や伊達政宗甲冑像等の貴重品を収蔵した宝物館を見物させていただいたのだが、特に印象的だったのは禅宗寺院の台所である庫裡の内部に鎮座している菩薩の隣で微笑む釈由美子の防犯ポスターであったのだ!

瑞厳寺の隣に政宗の孫光宗の菩提寺である円通院(¥300)が竜安寺の石庭を思わせる七福神庭園とともにスギ林、支倉常長が欧州遠征から持ち帰ったと伝えられるバラの庭を配しながら17世紀に誘ってくれるのでロマンを求めて入院させていただき、わび、さびと豪華絢爛を同時に堪能することに成功した。

マサよ、君は松島湾観光船「仁王丸」のデッキで仁王立ちで島巡りをしたことがあるか!?

というわけで、松島観光のハイライトは何といっても日本三景松島湾クルーズであるのだが、所要時間50分、航路17kmの松島湾内を巡る仁王丸(¥1,400)が午前9時から1時間毎に出航しているので午後12時の便に乗船することにした。すでに座席は満席状態になっていたため、仕方なく後方部のデッキに立ち尽くしたまま出航時間を迎えた。船内に流れる解説放送によると松島には八百八島あると言われているが実際には260の島しかなく、また航路上に現われる有名な島々に対して細かな説明がなされていた。さすがに松島と言われるだけあって大小各島々には松が生えており、それぞれが盆栽のような風情を醸し出していた。数ある島々の中で松の生えていないユニークな形をした岩島があり、それが松島のシンボル仁王島として君臨しているのだ。

仁王丸に乗船し、デッキに仁王立ちの状態で仁王島を見物するアクティビティを堪能し、船を下船すると全長252m、幅2.6mの出会い橋(¥200)を渡って福浦島に上陸した。この島には250余りの植物が自生し、その緑の茂みは幽境の小径を織り成し、絶好の散策路を提供しているのだった。

総飛行機代 ¥200

総宿泊費 ¥12,390(2食付) + ¥7,875(2食付)

総レンタカー代 ¥12,600

総ガソリン代 ¥2,760

協力 ANA、ニッポンレンタカー、日本三景交通、楽天トラベル

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