新春スペシャル FTB野生の王国 in 南アフリカ

ハッピー ニュー マサよ!!

ということで、チーターから逃げ切れるだけの脚力をキープするために日々のトレーニングを怠ることが出来ない今日この頃であるが、実はチーターは一日一歩、三日で三歩しか進まず、しかも三歩進んで二歩下がるという行動体系が確認されていた。何はともあれ、もはや紅白歌合戦でも見ることが出来なくなったチーターはともかく、本物の野生とはどういうものかを認識するために年明けより地球の裏側まで飛行機を飛ばすことにしたのであった。

2007年1月1日(月)

元旦一日だけで年間売り上げの半分以上を稼ぎ出すという京成電鉄に乗り成田駅で下車し、初詣客で立錐の余地のない成田山新勝寺の参道を歩いていると境内は入場規制がかけられており、容易にお参りも出来ない様子が確認されたのでそのまま引き返し、成田空港へ向かった。ANAのラウンジにて成田山新勝寺のウエブサイト(http://www.naritasan.or.jp/index2.html)にアクセスし、リモートで2007年のマサの財務省での活躍を祈願しておいたわけであるが、神様も一日何百万件もの願い事はさばき切れるわけもなく、オンサイトでもリモートでもご利益には大差はないと思われたのだ。

日本最大級の初詣ファシリティの成田山新勝寺のご利益のおかげでANAから無償アップグレードを提供され、颯爽とB767-300ER機の1B席に腰をおろすと快適なフライトで翌2日の午前0時過ぎにはシンガポールに到着した。

1月2日(火)

SQ478便、B777-200機は満席の乗客を乗せて定刻午前2時15分にはシンガポールを出発し、約11時間のフライトで午前7時前には南アフリカ最大のヨハネスバーグ国際空港に到着した。世界最強の犯罪都市であるヨハネスバーグへの侵入は断念し、今回はそのまま南アフリカ航空SA317便、B737-800機に搭乗し、ケープタウンを目指すことにしていた。

ケープタウンに到着したのは午前11時過ぎだったので日本を出て約24時間で目的地に着いたことになる。空港のバゲージクレイムのそばに市内へのシャトルを取り扱っているカウンターがあったのでそこでR110を支払って予約し、午後12時過ぎにシャトルのミニバンに乗り込み、一路ケープタウンのダウンタウンを目指した。バンは空港の敷地を出て広い道をシティに向かっていたのだが、道路を仕切る柵の向こうには無数のトタン系のバラックによるコロニーが形成されている様子が垣間見れた。

あらかじめケープタウンロッジという☆☆☆☆ホテルを予約していたので客室最上階の8階の部屋が無意味に広いことに驚きながらチェックインした後、早速新年の喧騒で賑わっているであろうウォーターフロント地区に足を運ぶことにした。背中に迫り来るケープタウンのシンボルであるテーブル・マウンテンの迫力を感じながらウォーターフロントのシンボルである時計塔があるワーフまでたどり着いた。

観光案内所の近くにロベン島へのツアー窓口兼ビジターセンターがあったので入って見ることにした。ロベン島とはテーブル湾沖合い14km程のところに浮かんでいる島であり、アパルトヘイト時代に政治犯が収容されていた黒人専用の刑務所島で、ネルソン・マンデラ氏も収容されていたこともあり、今では世界遺産となっているのだ。尚、ロベン島へのツアーは非常に人気があるようで1月13日まですでに予約で埋まっているとの無常な張り紙があったため、ビジターセンター内に展示されているいくつかの写真の中で釈放されたマンデラ氏がマンザラではないという表情を浮かべている様子を見て我慢するしかなかったのだ。

テーブル湾の中でも入り組んだ波止場の地域はオットセイの格好のプレイステーションになっている様子で数多くのオットセイ野郎が階段の上で日向ぼっこをしたり、遊泳をしたりして観光客を喜ばせていた。さらにウォーターフロント一帯は一大ショッピングセンターとレストラン街で形成されており、道行く人の75%くらいは白人で、思わずここは「欧米か!?」を突っ込んでしまいそうな洗練された雰囲気を醸しだしていたのだ。

1月3日(水)

ケープタウンは公共の交通機関が発達してなく、主要観光スポットへはツアーを利用するのが一番便利だということなのでホテルにおいてあったパンフレットを参照してTable Mountain, Peninsula & CapePointのFull Day Tour (R570)に参加することにした。午前8時過ぎにフォルクスワーゲンのバンを駆る黒人運転手兼ツアーガイドが迎えにきたので車に乗り込むと何と他に参加者のない独占ツアーであることが確認されたのであった。

マサよ、君は黒人も日焼け対策を施している事実を目の当たりにしたことがあるか!?

ということで、まず最初に訪れたのはケープタウンの象徴的存在であるテーブル・マウンテンであるのだが、この名前の由来は岩盤でできた海抜1087mの山頂がナイフで横に切ったように平らなためであるという。頂上までたどり着くには徒歩かロープウエイを選択することになるのだが、ツアーの時間規制のためロープウエイ(R120/往復)を選択することにした。チケットを購入する列に並んでいると私の直前の黒人女性の顔に白いクリーム状のものが塗りつけられているのを発見したのだが、それは明らかにサンスクリーンであるものと思われた。

満員の観客で膨れ上がったロープウエイは内部が回転する構造で、上りながらすべての方向を眺望出来るような仕組みが取られており、5分程の短時間で頂上に到着するに至った。丁度ロープウエイに乗る直前にテーブル・クロスと呼ばれるテーブル・マウンテンを覆う白い雲がかかり始めていたので頂上ではいい具合に流れる雲の隙間からケープタウンの町並みや大西洋が見え隠れしていたのであった。

頂上にて30分程の美しい眺望を楽しんだ後、ロープウエイで下山し、ワーゲンバンに乗り込むとハウト湾という港町に向かった。ここでのアクティビティはオットセイのコロニーとなっているドイカー島行きのフェリーに乗り、そのまま引き返して帰ってくることである。早速チケット売り場で10時15分発のフェリーのチケットを買おうとしたのだが、売り切れになっていたため、近くの売店で巨大オットセイを回しているルンペン風のおやじに小銭を寄付した後、11時に出航する他の船(R55)に何とか乗り込むことと相成った。さわやかな海風と吐き気を催す揺れを感じながら15分程航行すると岩で出来た小島に多数のオットセイがへばりついている姿が浮かんできた。船の舳先でタイタニックのポーズを決めながらオットセイの生態を十分確認することが出来たので港に戻るとファンキーに着飾った原住民が下船する乗客にダンスを決めていたのでここでも低額のチップをはずまざるを得ない状況であった。

チャップマンズ・ピーク・ドライブ(R35)という高さ600mの岩山を通る全長10kmのドライブウエイでケープ半島一の眺望を楽しみ、さらに白砂のビーチを眺めて眩しくなった後、バンは喜望峰自然保護区(R55)のゲートをくぐることとなった。まずはケープポイントというケープ半島の先端にあるルック・アウト・ポイントまでケーブルカー(R25/片道)で登り、そこからあのヴァスコ・ダ・ガマも見た喜望峰を見下ろし、インド洋と大西洋の狭間に立ちながらインド洋からの風が大西洋の風よりも5℃高いことを実感していた。その後、喜望峰までバンで移動し、その看板の前で初詣が出来なかった腹いせとして代わりにマサの悲願である天下り先が速やかに斡旋されるように希望の願いをこめておいた。

ツアーのクライマックスとしてケープ・ペンギンが生息するボルダーズ・ビーチ(R25)を訪問した。観光客はペンギンの私生活をおびやかさないようにビーチへの侵入を禁止されているため、遊歩道を歩くことになっているのだが、目的地に近づくにつれてロッテ・クールミントガムを噛んだ時の爽やかさの代わりに獣の生臭さを強く感じることになるのである。尚、ここに住んでいるペンギンどもは人見知りをするどころかむやみに近づくと人類に対してもアグレッシブな攻撃を仕掛けてくる生態さえ確認出来たのであった。

ツアーも無事終了し、ホテルのレストランで南アフリカ産の赤ワインを飲みながら肉を食った後、深夜部屋でまどろんでいるとけたたましい喧騒により夢からうつつに引き戻されてしまった。何とホテルの目の前で年明けのわけのわからないフェスティバル&カーニバル系の黒人行進が笛やトランペットや歌声とともに私が気を失う午前2時くらいまで永遠に続いていたのであった。

1月4日(木)

早朝ホテルをチェックアウトする前に軽くケープタウンのダウンタウンを散策し、この都市がヨーロッパの各都市と比べても引けをとらないことを再認識した後、ホテルの送迎車(R250)でケープタウン空港へ向かった。南アフリカ航空のラウンジで出発前のひと時を過ごし、インターネットで浮世の情報を確認した後、午前11時50分発SA8800便、ERJ機に搭乗すると午後2時過ぎにはネルスプリット空港、別名Kruger Mpumalanga International空港に到着した。

空港のハーツでカローラ系と思われる5速マニュアル、パワステ、パワーウインドウなしの小型車をレンタルすると炎天下の中、ネルスプリットのダウンタウンに向かい、予約しておいたTown Lodgeにチェックインした。今日は着いた時間が中途半端だったため、山あいのパノラマルートという風光明媚なドライブルートで峠を攻めた後、明日からの野生の王国への侵入に備えて体力を蓄えておくことにした。

1月5日(金)

マサよ、君は本物の弱肉強食が日々展開されている舞台に足を踏み入れたことがあるか!?

私は・・・・・ついにその一歩を踏み出してしまった!!!

ということで、早朝ネルスプリットのホテルを後にすると、アクセル全開で南ア観光最大のハイライトと言われているクルーガー国立公園を目指した。この公園は南北350km、東西60km、総面積は日本の四国に相当する世界最大級の自然動物公園である。まずは公園最南部のマレネラゲートで入園料R120を支払って入場するといきなりバッファローの群れに行く手を遮られて度肝を抜かれてしまった。園内には総延長2,000kmの舗装道路が張り巡らされ、速度は50kmに規制されており、また、舗装されていない道は40kmで車を転がすことが出来るわけで、もちろんサバンナRX-7のようなスポーツカーを乗り入れることも可能なのだが、決してそのポテンシャルを発揮させてはもらえないのである。

バッファローズにいてまわれた後、しばらく単なるさわやかな草原ドライブが続いていた。ただっ広い園内では常に動物に遭遇出来るとは限らなく、しかもお会いできる動物の80%は鹿系のインパラであった。ふと、前を行く車がストップし、木陰がガサガサ動いている気配とゾ~とする感覚を覚えて見上げるとそこにはアフリカ象がその巨体を揺すりながら立ちふさがっていた。

園内には8ヶ所の入口と19ヶ所の設備の整ったキャンプ設備があるのだが、その中で最大のスクサーザ・キャンプに侵入した。ここにはコテージ、バンガロー、ガソリンスタンド、銀行、レストランと通常の街中にあるようなファシリティがすべて揃っており、おびただしい数の欧米人観光客で大変な賑わいを見せているのである。

マサよ、君はゲーム・ドライブを楽しんだことがあるか!?

というわけで、PS3やゲームボーイをプレイしながらハンドルは握れないので、ゲーム・ドライブとは動物を探しながら園内をゆっくりドライブすることでクルーガーへやってきた目的はこれに尽きるのだ。スクサーザを出て園内を東に向かい、さらに南下していると広大なサバンナを見下ろすビューポイントがあり、そこでは身の危険を冒すのを承知で車から降りてもよいという看板が立っていたので車外に出て体を伸ばすことにした。さらに川沿いを運転していると木の上の葉を食っているキリンに遭遇し、象に行く手を遮られもした。また、ロウアー・サビー・キャンプからサビー川を見下ろすとカバが遊泳したり、陸地を悠然と歩いている姿を遠めに眺めることに成功した。

とりあえず、午後4時過ぎにはゲーム・オーバーとさせていただき、この公園を設立した大統領の名前を冠したポール・クルーガー・ゲートから園外に出ることにした。ゲートでは入場の際にもらったレジストレーションの紙のチェックと動物を不正に拉致してないかを確認するために車のトランクを開ける等のセキュリティ体制が敷かれていた。

クルーガーのサバンナでのゲーム・ドライブで火照った体を冷やすために高地で涼を取る必要があったのでピルグリムズ・レストという高原地帯まで車を飛ばし、そこにある小奇麗なロイヤル・ホテルにチェック・インし、パラパラのリズムの中でインパラの数を数えながら深い眠りへと落ちていった。

1月6日(土)

現在訪問しているムプマランガ州のもうひとつの観光のハイライトとしてブライデ・リバー・キャニオンというブライデ川と1000mもの高さの峡谷が織り成す壮大な景色が見られるパノラマ・ルートが存在しているので大陸ならではのダイナミックな景観を堪能することにした。Pinnacleというキャニオンの中にニョキッと存在する岩の塔や窓枠から壮大な景色を提供するような神の窓の眺望に驚異し、さらにベルリン滝ではマサに川が流れ落ちる瞬間を間近に眺めることが出来るのだ。

ブルックス・ラック・ポットホール(R22)というブライデ川とトゥルー川が交わるところは有料の景観地として観光客を集めており、設置された橋の上から見る滝壷や川の流れにより削られたマーブル模様の岩肌が非常に印象的である。数々のビューポイントを提供するパノラマルートを完走し、そのまま乾燥した道を再びクルーガー国立公園を目指した。今回は公園の南北中央部あたりに位置するオルペンゲートに向かって時速120kmくらいで車を転がしていたところ、遠めに3本の高い木が動きながらこちらに向かっている光景が見えたため、徐々にスピードを落としてそれらの物体に接近することにした。近づくにつれ明らかになった物体の正体はキリンのトリオであることが判明し、車を路肩に止めてその挙動を観察していたのだが、私が接近しても彼らは危機キリン状態になることもなく悠然と公道の上で行動していたのだった。

何とか午後1時前に入園し、サタラというキャンプに向かっているとふと白黒はっきりしないようなあいまいな感覚に見舞われた。そこはシマウマのワンダーランドになっており、鹿類やヌー一族等の草食動物がのんびりと草を食んでいる光景が観光客の目を楽しませていたのだった。

ということで一日半かけてサファリを探索させていただいたのであるが、遭遇した動物はすべてベジタリアンであり、ライオンハートを持つ私に恐れをなしたであろうライオンは決して私の前には姿を現さなかった。また、獲物が獲れないチーターが♪汗かきべそかき歩♪いている姿も目撃することが出来なかったのでリベンジに来なければならないのではないかとも思いながら、クルーガーを後にしたのであった。

1月7日(日)

宿泊していたネルスプリットのTown Lodgeを後にすると近辺にあるローフェルト国立ボタニカルガーデン(R12)を訪問することにした。園内にはこの州の水瓶兼自然動物の宝庫となっているクロコダイル川が流れており、カバも時々姿を現すという。また、植物園だけあり、当然のことながらアフリカ中の珍しい木々も生えているのである。

空港の近くに私設のサファリ系のファシリティがあり、そこに2頭のシロサイを発見した。クルーガーでは遠巻きにしか見ることが出来なかったサイをここではじっくり観察することが出来たのであるが、サイは凶暴な動物なので一旦怒らすとごめんなサイとあやまってもうるサイと言って許してくれないそうでマサにサイ難な状況になるそうである。

というわけで、すべてのアクティビティを無事終了したFTBは午後1時発SA1264便、ERJ機でヨハネスバーグまで戻り、そこからシンガポール航空で「海猿」をはじめとする邦画3本を見ながらシンガポールに飛んでいた。

1月8日(月)

早朝シンガポールに到着し、そのままNH112便に乗り換え、ゲート直前でビジネスクラスへの無償アップグレードを獲得し、快適なフライトで成田に帰着、流れ解散となる。

南アフリカ、サファリ情報

・南アフリカの通貨ランド(R1 = ¥17)の紙幣には動物のスケッチが印刷されているのだが、それらはビッグファイブと呼ばれるライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローである。

・クルーガーの各キャンプ地のビジターセンターには布製の園内図に各色のピンを刺して動物目撃情報を提供し、観光客のガイドに一役買っているのである。

・遭遇した主な動物・・・インパラ、バッファロー、キリン、サイ、カバ、シマウマ、アフリカゾウ、ヌー、バブーン、ベルベット・モンキー、ヒョウ(木の上にいる気配のみ)、イノシシ等

FTBサマリー

総飛行機代 ¥72,250(ANA)、S$1,906(シンガポール航空)、R4,670(南アフリカ航空)

総宿泊費  R3,158.6 

総ケープタウン空港シャトル代 R110

総ホテルからケープタウン空港への送迎代 R250

総レンタカー代 R802.82

総ガソリン代 R495

総走行距離 1,400km

総高速代 R33

協力 ANA、シンガポール航空、南アフリカ航空、JTBトラベル、CTI Tours & Travel

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です