ここに来て急に秋の気配も深まってきた10月の3連休をさ~ど~やって過ごそうかと考えていたところアメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定の解除をしやがったので佐渡ヶ島の人々も気が気でないだろうと思いながら佐渡に渡り、曽我ひとみ、ジェンキンス夫妻を中心にした佐渡の島民の暮らしぶりを観察しに行くことにした。
10月11日(土)
地震に対する脆弱性をすでに露呈しているJR東日本が誇る上越新幹線Maxトキで日暮れ時の燕三条駅に到着し、楽天トラベルに予約させておいたワシントンホテル燕三条に引きこもり、ワシントンまでわざわざ直訴に行ったにもかかわらず拉致家族の奪還の成果が上がっていない拉致被害者の会の無念を思いながら夜を過ごしたのだった。
10月12日(日)
早朝ワシントンを発ち、さ~ど~やって佐渡に行こうかと思案しながら新潟駅を降りて佐渡汽船のターミナルに向かった。新潟から佐渡の両津港へは高くて早いジェットフォイルか安くて遅いカーフェリーの選択肢があるのだが、資金力が豊富なFTBではあるがここは手堅くカーフェリーを選択し、午前9時20分発のおおさど丸に乗り込んだ。
けたたましいドラの音(録音)が出航の合図となり全長132mの巨船おおさど丸は日本海の荒海への航海へと乗り出した。出航後しばらくすると船内イベントとして無料のヨガ教室が開催されているとのアナウンスが入ったが、体の固い私にはヨ~ガないと思われたのでそのままやり過ごした。
2等客室雑魚寝スペースで体を横たえているとフェリーの大きな揺れを感じながら2時間半の航海で両津港の埠頭が見えてきた。おけさで有名な佐渡はおけさ灯台、おけさ橋等いたる所におけさの名を冠したファシリティが存在し、観光客も思わず拉致の恐怖を忘れ「OKさ」と思いながら佐渡への上陸を果たしている様子が見て取れるのである。
12時半に島内交通の路線バスの本線に乗り、40分程で佐和田バスターミナルに到着し、そこから徒歩で南に歩いていると佐渡博物館(¥700)に行き当たったのでいち早く佐渡の全容を解明するために入ってみることにした。ここには佐渡の自然、風土、芸術の貴重な資料、作品が所蔵されており、総合博物館として充実した内容を完備しているのだが、特に目を引いたのは企画展「金と銀の島佐渡」で紹介されている鉱山の発掘や鉱石の粉砕、金銀の精錬等の往時の最先端のテクノロジーであった。
佐渡博物館前から再びバスに乗り、小木港を目指している途中に西三川ゴールドパークという砂金取り体験が出来る砂金山跡があるのだが、ちまちました砂金より一攫千金を狙う私には関係ないと感じたのでそのままスルーさせていただいた。
マサよ、君は佐渡名物たらい舟でたらい回しにされている観光客を見下したことがあるか!?
ということで、小木地区のシンボルたらい舟はワカメ、アワビ、サザエなどの漁に実際に使われていたたらいの舟でここ小木港では観光用のたらい舟が人気を博している。1人¥450の支払いで狭い港内を一周し、観光客自身で舟を漕ぐ体験も出来るようになっているのだが、たらい回しで目が回るのを恐れて遠巻きに眺めるだけにとどめておいた。
10月13日(月)
早朝バスで両津港に戻り、ニッポンレンタカーでホンダのフィットをレンタルすると佐渡観光のハイライトであり、ここに来なければサ~ド長嶋を欠くV9巨人のような物足りなさを感じるであろう佐渡金山へ向かった。
世界遺産暫定リスト登録された佐渡金山は言わずと知れた徳川幕府300年の財政を支えた金銀山跡であり、観光コースとして江戸時代のトンネルの「宗太夫坑」と明治時代のトンネルである「道遊坑」が公開されている。早速両方のトンネルの入坑許可証、共通券(\1,200)を購入するとまずは「宗太夫坑」に潜り込むことにした。
「宗太夫坑」の内部は採掘、保坑、測量などの坑内労働の様子が実物大の動く人形で再現されており、とあるおっさん人形の「早くここから出て、酒飲みて~、なじみの女に会いて~よ~」という台詞を聞くとあたかも江戸時代にタイムスリップした感覚を覚えるのだ。坑道が終了すると展示室に抜けるコースになっており、ここでは選鉱、製錬から小判鋳造までの過程を学習することが出来、その成果物として金の延べ棒や大判、小判のレプリカも光り輝いているのだ。
売店にて佐渡金山特性の純金ソフトクリーム(\300)で金を体内吸収した後、明治32年、佐渡鉱山の主要鉱脈「道遊脈」の開発を目的に開削された主要運搬坑道である「道遊坑」に侵入した。近代的なトンネルの内部はトロッコが通れる線路も形成されており、金鉱を載せてトロトロ走っている往時の様子が偲ばれるのだ。さらに佐渡金山の象徴となっている「道遊の割戸」は「道遊脈」が地表に露呈した部分を採掘した江戸時代の露頭堀跡で異様な程の存在感を示していた。
佐渡金山で徳川埋蔵金のルーツが確認出来たので海岸線沿いにフィットを走らせ、尖閣湾へと向かった。佐渡の海は透明度が高く、海中透視船シャーク(\1,000)が尖閣湾内の海底を映し出すことが出来るとの情報を得ていたので早速乗船することにした。沖縄のグラスボートのテクノロジーを採用したシャークは棒読み台詞のおばちゃんガイドの説明とともに湾内への航海をスタートさせた。なるほど海の透明度は高く十数メートル下の海底までガラス越しに見下ろすことが出来るのだが、沖縄で見慣れた珊瑚礁の彩りはなく、砂色とワカメブラウンの単調な風景が続き、魚も黒鯛の群れが軽く行き来するだけであった。
大佐渡スカイラインという佐渡金山を通る全長30kmの山岳観光コースを軽くフィットで流しながら、紅葉の始まりを実感した後、日本の国鳥である朱鷺にときめくためにトキの森公園(\200)を訪問することにした。1871年に学名ニッポニア・ニッポンと名づけられたトキの絶滅の危機を免れるため、この場所ではトキの保護、繁殖を行っており、先月は試験放鳥を行ったばかりである。尚、トキが生息する自然環境を守るために佐渡の田んぼは無農薬の有機農法が行われており、トキの餌となるタニシやドジョウや昆虫も元気に生息しているのだ。
午後4時30分発のフェリーに乗り込み、展望デッキで佐渡の島影に沈む夕日を眺めながら感傷に浸っていた。新潟からMaxトキに乗り込み、時々トキの繁殖状況を確認するためにマサを佐渡に送り込まなければならないと思いながら帰京する。
FTBサマリー
総宿泊費 \15,650
総JR代 \18,930
総フェリー代 \4,880
総バス代 \3,140
総レンタカー代 \5,460
総ガソリン代 \1,084
協力 JR東日本、佐渡汽船、楽天トラベル