我輩はヤマネコである。名前はマサよ!
というわけで、東洋のガラパゴス、日本最後の秘境と言われる西表島に最初に上陸したのは今から遡ること6年前であった(http://www.geocities.jp/takeofukuda/2002iriomote.html)。近年の離島ブームの影響で西表島の神秘性が失われてきたのではないかという不安にふと苛まれたため、その近況を調査すべくFTBツアーを敢行することにしたのだ。
4月18日(金)
午前7時55分発ANA121便、B747-400ポケモンジェットに乗り込むと11時前に那覇空港に到着し、そのままANA1765便石垣行きに乗り換えると正午過ぎに石垣島に到着した。早速空港バスでフェリーターミナルに移動し、安永観光の高速フェリーにて西表島に向かった。約40分程の航海で歯茎の眩しい巨人のエースを彷彿とさせる上原港に到着した。
上原は島の北東部に位置し、そこから今回の宿泊地である星立まで約9kmの道のりであったが、島の雰囲気を肌で感じるため歩いて宿舎まで向かうことにした。島内にはあいかわらずイリオモテヤマネコをだしにした交通標識が数多く見受けられ、この島の食物連鎖の頂点に立つヤマネコは人類の存在さえ凌駕している存在感を醸しだしていた。
鬱蒼とした浦内川のマングローブ林を過ぎ、ヤエヤマヤシの群落に支配された星立天然保護区域を横目に何とか海の家「南ぬ風」に到着することに成功した。チェックイン後、とりあえず目の前のビーチ沿いを散策し、夕飯時を迎えると食卓には海人が取ってきた魚が並んでいた。また、食堂の壁にはおびただしい数の有名人の色紙が張られており、にしおかすみこのブタ野郎サインやアルピニスト野口健のエベレスト清掃登山の一筆が目を引いた。
4月19日(土)
早朝より徒歩で白浜方面に進んでいると123°45′6、789”の子午線モニュメントがが6年前と変わらない勇姿を称えている光景が目に飛び込んできた。5km程歩くと舗装道路の終点である白浜港に到着し、ニッチもサッチも行かなくなったので西表島交通バスの3Day Free Passを¥1,500で購入して来た道を引き返すことにした。
浦内川でバスを降りるとアナコンダもいないくせに東洋のアマゾンの名をほしいままにしている浦内川ジャングルクルーズ(¥1,500)に参加することにした。午前11時30分に出発した遊覧船は外国人観光客、プチツッパリ系3人組若人、傷心系ギャル一人旅等を乗せてコーヒー牛乳色の浦内川をすべるように進んでいった。途中船長のマングローブに関する解説を交えながらオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ等を眺めながら30分ほどの航行で軍艦岩へ到着した。
軍艦マーチの代わりに水の流れる音を聞きながら山道を1.5km程歩くと展望台に到着し、そこから日本の滝百選に選ばれている豪快なマリユドゥの滝を見下ろした。そこからさらに進むと神々の座る場所を意味するカンビレーの滝に到着した。近年の事故の増加によりマリユドゥの滝壷へ下りる道は閉鎖になっていたため、落差の少ないカンビレーの滝の周辺で観光客は自然との対話を行っていた。
浦内川の入り口近くを独占するIriomote Cafeでコストパフォーマンスの悪い昼飯を食いながら離島の物流体制の厳しさを実感した後、路線バスで星砂の浜に向かった。ビーチには浅瀬でシュノーケリングを楽しんでいるギャルや星の砂を集めて気休めにしようとしている観光客で軽く賑わっていた。
4月20日(日)
海の家「南の風」を後にするとバスで島の西部に向かい、水牛車入り口で下車することにした。ここは言うまでもなく日本有数の♪ドナドナドォナ ド~ナァ♪スポットであり、亜熱帯植物園になっている由布島(¥1,300)まで水牛車に揺られながら離島の風情を満喫出来るように演出されているのだ。
早速7号車の水牛車に実車すると水牛のケツを見ながら西表から由布島までの400mの浅瀬渡りがスタートした。水牛は観光客を乗せている途中であっても遠慮なく糞便を垂れ流すので水牛車には糞便よけの板が標準装備され、ドライバーがその予兆を察知すると板を上げて観光客にしぶきがかからないように防御されているのである。
水牛の活躍で由布島への上陸を果たすと南国のパラダイス亜熱帯植物楽園を十分に満喫させていただくべく狭い島の散策をさくっと行った。蝶蝶園にはおびただしい数のオオゴマダラが飛び交い、その黄金のサナギが葉っぱにぶら下がっていた。また池の中には今日はオフになっている水牛が「生き返るぜ~」といった風情で水に浸かっており、近くには将来の由布島の金づるになることが保障されている水牛の子供たちがまだ角も生えていない幼い表情を覗かせていた。
マサよ、君は水中観光船うみえ~るに乗船し、海の底がきれいにみえ~るという体験をしたことがあるか!?
ということで、バスで島の南岸の大原港に到着し、午後2時15分発出航のうみえ~る(¥3,000)に乗船した。うみえ~るは港を出港すると15分程度でサンゴ礁ポイントに到着し、そこでうみえ~る状態を実現するために船の中央のキャビン部を徐々に下げると窓越しに龍宮城を出現させることに成功した。
ガイドの説明によるとこの海域のサンゴの種類の多さはグレートバリアリーフを凌駕し、海の透明度の理由はプランクトンの少なさによるものだということであった。海底の岩盤にはサンゴがびっしりと繁茂し、熱帯魚の格好の居住地帯を提供しているのだが、このあたりは潮の流れが速いためダイビングには向かないとのことでマサにうみえ~るでないと見ることの出来ない夢の世界となっているのだ。
FTBサマリー
総飛行機代 ¥17,200
総宿泊費 ¥19,000
総高速フェリー代 \3,540
総西表島バス代 ¥1,500
総空港バス代 \400
協力 ANA、楽天トラベル、西表島交通、浦内川観光、安永観光、八重山観光フェリー