ところでマサよ、君はフジテレビのスポーツニュース番組「すぽると!」が始まる随分前、はるか昔に「プロ野球ニュース」という神聖な番組が幅を利かせ、キャンプ情報を見ると12球団すべてが優勝するかのような報道をされていたという贔屓の引き倒しが存在していた事実を知っているか!?
ということで、プロ野球のキャンプインに歩調を合わせるようにFTBも1年分の過酷なツアースケジュールに耐えられる体力を蓄えるために今ではキャンプ銀座と化し、プロ野球ニュース初代キャスターの佐々木信也も取材で行き損ねたであろう沖縄まで飛行機を飛ばして乗り込むと同時に日本で一番早いセリーグの順位予測をすることにした。
1位 巨人 - 二岡という重荷をかついで前半低迷した昨年と違い、二岡がモ~ナくなった今年は間違いなくぶっちぎりの優勝であろう。
2位 広島 - 新球場オープンのご祝儀の勢いと前田智徳、緒方孝市らベテラン勢の引退間際のひと花により優勝戦線に食い込んでくるであろう。
3位 ヤクルト - 昨年の開幕シリーズで巨人に3連勝したジャパネット高田監督のテレビショッピング采配がお茶の間の指示を得てAクラス入り。
4位 阪神 - 「ショートでマユミ!?なんぼや??」とかつて西川のりお師匠にこきおろされた実績のある真弓新監督の半身浴不倫デートスキャンダルにより低迷。
5位 横浜 - 大矢監督の白羽の矢があたった若手の台頭と浜の番長に入れられたヤキが回ってかろうじて最下位を免れる。
6位 中日 - タイロンウッズ、中村紀が抜け、川上憲伸の献身的なピッチングももはや見られず、落合監督も落ち目になるであろう。
1月31日(土)
午前6時35分発ANA993便に搭乗すると3時間弱の意識朦朧フライトで9時半頃沖縄空港に到着し、早速ニッポンレンタカーでSUZUKIのSWIFTをすばやくレンタルすると南部エリアに向かって車を転がした。奥武島にもずくを沖縄そばに練りこんだもずくそばで生計を立てている食堂に入ってもずくのおかわりが自由である中味もずくそばを食った後、新原(みーばる)ビーチに向かった。ビーチの近くに受水走水(うきんじゅ はいんじゅ)という沖縄の稲作発祥の地で米米クラブのメロディを口ずさみ、その勢いで新原ビーチの眺望を中国人観光客と一緒に堪能させていただいた。
沖縄南部のドライブスポットとして人気の高いニライカナイ橋で人工的な造形とマリンブルーのコントラストに感動し、その流れで斎場御嶽(せいふぁーうたき)¥200 <世界遺産>に突入した。御嶽とは、南西諸島に広く分布している「聖地」の総称で、斎場御嶽は琉球開びゃく伝説にもあらわれる、琉球最高の聖地であるので観光客といえども神妙な面持ちでお参りしなければならないのだ。
1853年に来島したペリー提督もその石造建築のすばらしさを賞賛した中城城跡(なかぐすくじょうあと)\300<世界遺産>で南海の古城に息づくいにしえのロマンを感じると同時に野面積み、布積み、あいかた積みという三種類の石積みを学習した後、約280年前の代表的な沖縄の農家である中村家(\500)にお邪魔させていただいた。
国指定重要文化財に指定されている中村家住宅は先祖代々の中村さんが住んできた家だと思われ、士族屋敷の形式に農家の形式である高倉、納屋、畜舎等が付随して沖縄の住居建築の特色をすべて備え持っている豪邸である。
マサよ、君は教訓茶碗から教訓を受け、人間の強欲に対して釘を刺されたことがあるか!?
というわけで、中村家のモデルルームの内見が終了するとチケット売り場兼土産物屋にてお茶と黒糖菓子が振舞われることになっているのだが、管理人風情のおばちゃんがお茶請けに教訓茶碗のデモをかましてくれるので観光客一同で見入ることにした。教訓茶碗とはお茶を八分目まで注いで飲む分には普通の茶碗として機能するのだが、八分目を超えるとお茶がすべて茶碗の下から流れ出てしまうというからくりを実装した財務官僚の物欲を抑制するのに最適な、一家にひとつは備えておきたい代物であることを思い知らされた。
中村家で昼行灯の婿殿こと中村主水が実は必殺仕事人であるという事実に相当する教訓を得ることに成功したので、宜野湾にある沖縄コンベンションセンターに隣接している海浜公園に向かった。IHG ANA共同ブランドホテルおよびANAホテル無料宿泊券が余っていたのでマサであれば2~3万くらいかかるところを私はただで泊まることが出来るラグナガーデンホテルにチェックインした。12階の眺望の良い部屋に荷物を置き、宿泊者にもかかわらず¥500の支払いを強制される地下の大浴場で汗を流していると女性が見ると欲情しそうながたいの良い若者達が洗い場で肉体をこすっていた。ラグナガーデンホテルは横浜ベイスターズ1軍の宜野湾キャンプの定宿になっており、セリーグ最下位に甘んじている選手達はサインを求められることも少ないので一般宿泊客に混じって思う存分南国ホテルライフを満喫出来る現状が確認されたのだった。
2月1日(日)
プロ野球では元旦に例えられるキャンプインの初日を海に面したホテルのベランダから高みの見物と洒落込んだ。今年こそは最下位を脱出しなければならないベイスターズは午前9時より宴会場に参集しミーティングを行った後、グランドでの長い挨拶を経て10時から練習が開始された。その光景を目にして闘志に火が着き、体の火照りを感じたのでホテルをチェックアウトして観光を続行することにした。
読谷村に座喜味城跡<世界遺産>が西海岸を見渡せる標高125mの丘の上で廃墟の様相を呈しているので美しい曲線を有する城壁沿いでウォーミングアップした後、残波岬で巨大シーサーと沖縄一高い灯台を見上げて首のストレッチを行った。
万座ビーチホテルが大改装中だったので近くの景勝地である万座毛でまんざらでもない景色を堪能し、そのまま58号線を北上して名護方面に向かった。北海道日本ハムの名護キャンプで移籍してきた二岡がハムを食ってスキャンダル痩せを克服出来たかどうかを確認するまでもなく球場脇をスルーして八重岳を目指した。
マサよ、君は日本一早い桜祭りで一足先に満開気分を満喫したことがあるか!?
ということで、本部町にそびえる標高453mの八重岳は寒緋桜(かんひざくら)の名所になっており、開花に合わせて毎年桜祭りが盛大に開催されている。山頂への道沿いには満開となった寒緋桜がその枝で車の往来を困難にしており、本土のソメイヨシノの気の抜けた白い花びらとは風情の異なる花見を堪能することが出来るのだ。沖縄の桜の色合いが本土の物より鮮やかであるとはいえ、遠山の金さんよろしく桜吹雪を散らすようなタイプではないので♪もろ肌ぬいで べらんめぇ~♪という上野公園のような花見の狂騒はここでは見ることが出来ないと思われた。
今回のキャンプの締めとして世界遺産と桜のコラボレーションが体験出来る第2回今帰仁(なきじん)グスク桜まつりに乱入することにした。今帰仁城跡(\400)は琉球三山時代、北山の拠点として栄えた沖縄屈指の名城と知られており、沖縄本島有数の桜の名所としても有名である。祭期間中の土日には琉球古典や舞踊、民謡等の催し物が目白押しで夜間には城と桜がライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸しだすことが約束されている。
というわけで、今年も順調なスタートを切ったFTBであるが、沖縄には♪ババンバ バン バン バン♪ ジンベエザメ でか!と思わず叫んでしまう美ら海水族館や「さくら」の歌唱で有名な森山良太郎の母親が歌う♪ざわわ♪サトウキビ畑等解明していかなければならないスポットがまだまだ残されているので予断を許すことが出来ない日々をこれからも過ごさなければならないのだ。
FTBサマリー
総飛行機代 ¥14,000
総宿泊費 ただ
総レンタカー代 \9,500
総ガソリン代 \1,880
総高速代 \1,000
協力 ANA、IHG ANA共同ブランドホテル