FTBJ北の国から2012 大雪山

♪ア~ア~、ア ア ア ア ア~♪

じゅん、じゃなかったマサよ~ォ、君はロンドンオリンピックの熱戦を大々的に報じる各局をよそにある性格俳優の追悼番組がひっそりとちいさく放送されていた事実を知っているか!?

というわけで、北の国での好演により自身をスターダムに押し上げたタケオ仲間の俳優が田中邦衛や岩城滉一等の脇役を従えて躍動していた北の大地に追悼にやって来たわけで・・・

2012年8月12日(日)

お盆のハイシーズンを物ともせずにANAの株主優待券とeクーポンを利用してマサであれば\35,770かかるところを私はわずか\2,970の支払いで、16:00発ANA071便B747-400ポケモンジェットに乗り込むと約1時間半のフライトで新千歳空港に到着した。

空港から札幌市内行きのバスに乗り、7時過ぎに予約しておいた全日空ホテル札幌にチェックインするとすすきの葉が揺れるようにすすきのに繰り出すこともなく、ホテルのカフェで提供されるビュッフェの料理に舌鼓を打ちながら避暑地の夜を過ごさせていただいた。

8月13日(月)

ANAの「ダイヤモンドサービス」ホテル宿泊・お食事クーポンが余っていたのでほとんど無料で宿泊と食事を楽しむことが出来た全日空ホテル札幌をチェックアウトすると札幌駅前からバスに乗り北海道第二の都市旭川に向かった。約2時間のバスの旅で旭川バスターミナルに到着すると軽く旭川の市街地を散策することにした。JR旭川駅の構内には動物園をモチーフにした記念撮影用のオブジェが設えられており、この街へ来る観光客の大半が動物を見に来るであろうことを如実に物語っていた。

旭川くんだりまで来て旭山動物園に行かなければ旭川に来た意味が無くなったしまうことを西田敏行主演の「旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ」という映画で学んでいたので降りしきる雨をものともせずに動物園行きのバスに乗り込んだ。廃園寸前の状況から奇跡的な復活を果たしている旭山動物園の入場料は旭川市民は¥580に設定されているのだが、多額の交通費を使って市外からわざわざやって来る輩は¥800を支払わなければならないのだ。ちなみに中学生以下は無料となっているので子沢山の家族のレジャーには持ってこいのファシリティとも言えよう。

正門を通過してフラミンゴが赤く染まっている池を過ぎると早速旭山動物園の復活の代名詞ともなっているペンギン館に到着した。

ここには4種類のペンギンが飼育されており、南極ですでに一生分のペンギンを見納めている私にとってはさして珍しくはないものの、水中トンネル越しにペンギンが頭上を泳いでいる姿を見るとマサに空を飛んでいるかのような錯覚に落ちいるのだ。

ライオンや虎やヒョウを養っているもうじゅう館をチラ見してオオカミの森と呼ばれる展示スペースに踏み込んだ。ここはオオカミが走り回れる程の広さを誇っており、アクリル板で防御されたトンネルからはオオカミの餌食となるはずの動物目線の眺望が提供されているのだが、雨の日のオオカミは不貞寝を決め込んでいるのが関の山であった。

旭山動物園における動物の展示スタイルは「行動展示」と呼ばれ、動物本来の行動や能力を見せるものであるのだが、オラウータン館では高さ17mの位置に空中運動場を設置しており、一生の内の大半を樹上で過ごすオラウータンの本能に対する十分な配慮がなされていた。しかし雨の日のオラウータンは木陰で雨を凌ぐという特性を持っているせいか空中運動場には閑古鳥しか鳴いていなかったのだ。

悪天候をものともせずに元気に活動している動物を見学するために「もぐもぐタイム」で多くの観光客を引きつけているほっきょくぐま館の行列に並ぶことにした。野生の白クマは海に氷が張る冬季に主にアザラシを捕食して生計を立てているのだが、ここでは飼育員がイカをプールに投げ入れ、それを白クマがわざわざ泳いで取りに行くというパフォーマンスが繰り広げられていた。また、陸地の展示場には透明のカプセル越しにアザラシ目線で白クマを間近に見られるコーナーが活況を呈していた。

雨のために旭山動物園の行動展示のダイナミズムを十分に満喫できないまま撤収となったので冷えた体を温めるために名物の旭川ラーメンを流し込んで溜飲を下げておいた。

8月14日(火)

日本最大の国立公園として1934年に指定された大雪山国立公園が君臨している。大雪山連邦は北海道の最高峰「旭岳」を主峰としているのだが、旭川からその旭岳には日帰りでアクセス可能なので天空の世界まで足を伸ばしてみることにした。

旭川駅前から旭岳のロープウエイ乗り場まで一日3便のバスが出ているので9:25発の一便に乗るべくバス乗り場で待機していると地元のタクシーがやって来てバス料金と同等の相乗り料金を提示してきたので3人の相乗り仲間と共にタクシーに乗り込んだ。バスでは空港に寄ったりするために1時間半くらいかかるところをタクシーの機動力により1時間くらいでロープウエイ山麓駅に到着するとそそくさと大雪山旭岳ロープウエイの往復チケットを\2,800の高値で購入した。

標高1,100mの山麓駅からわずか10分程度で標高1,600mの姿見駅に到着し、ロープウエイを降りると乗客はガイドによるオリエンテーションを受けることになっている。ガイドは主に周辺の見所の説明をしてくれるのだが、ホワイトボードにはいくつかの注意事項も示されており、特にヒグマの目撃情報には注意を払わなければならないのだ。

ここ1年くらい左膝の鈍痛に悩まされ、そろそろグルコサミンやコンドロイチンが必要な肉体に衰えたのかどうかを診断するために姿見駅から3.3kmの行程の旭岳の山頂登山にチャレンジすることにした。姿見駅周辺は全長1.7kmの散策路があり、その折り返し地点には旭岳の勇姿を写し込む姿見の池が雪解け水をたたえている。旭岳の山頂に行くにはさらにその先の過酷な登山道を黙々と進むことになる。

標高がそれほど高くないとは言え、やはり北国ということもあり森林限界はすぐに訪れた。急斜面のガレ地は容赦なく登山客の体力を奪い、山ガールを装ったレポーターを擁する地元テレビ局の取材クルーも登山客にインタビューするという名目で適度な休憩を取っていた。山腹から見下ろす大雪山系の緑の大地はマサに神々の住む庭にふさわしく地元では神に例えられるヒグマも必ずやどこかに潜んでいるかのような神秘性を漂わせていた。

九号目を過ぎたあたりから風が強くなり、足場も安定しないために徐々に足の筋肉のダメージが大きくなっていった。さらにバックパックに忍ばせておいた携帯電話からはけたたましい緊急地震速報のアラームが鳴り響き、頂上到達への自信が徐々に削がれていくような不安に苛まれることとなった。最後の力を振り絞り、約1時間半ほどの山登りでついに標高2,291mの旭岳の山頂にたどり着いた。頂上からの絶景は苦難を乗り越えてたどり着いた者だけが見ることを許される天空の世界そのものであった。

山頂にてポカリスエットで乾杯し、発汗で失ったイオンを補給すると天空から緑眩しい下界を目指して一気に下山することにした。下りは上り以上に傾斜を感じるためか一歩進むごとに膝の笑い声が大きくなるような感覚を覚えていた。多くの下山者が滑って転んでいるのを横目に何とか姿見駅まで帰り着くとしばしの休憩時間を経て今度は散策路を歩き回って筋肉をクールダウンさせることにした。

「神々の遊ぶ庭」とも称されるその素晴らしい景色は色とりどりの高山植物や旭岳と流れる雲を写し取る鏡池、その伴侶を合わせて夫婦池と呼ばれるペアの池等、往復\2,800のロープウエイ代がお得に感じられるほどの絶景であった。

木の実かじりに余念のない散策路のマスコットであるエゾシマリスを刺激しないように遊歩道を歩いていると地獄谷と呼ばれるモクモクと噴煙を上げている噴気孔にたどり着いた。活火山である旭岳は約600年前の爆発で山頂部が崩落して現在の地形が形作られており、その噴火のエネルギーは今もなお地獄谷の地の底で日々蓄えられているかのようであった。

北海道最高峰を制した達成感を胸にロープウエイで姿見駅を後にすると17:30発のバスでサンセットを迎えた旭川駅に帰り、agodaに予約させておいた旭川ターミナルホテルにチェックインすると盛夏を彩るように打ち上げられている花火に見とれながら涼しげな夜を過ごしていた。

8月15日(水)

JR北海道が運行する観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」が旭川駅で待機していたのだが、それには乗らずに何の変哲もない富良野行きのワンマン鈍行列車に乗り込んだ。美馬牛駅というさびれた駅で下車すると約3kmの道のりを歩いて色鮮やかな絨毯の見学に繰り出すことにした。

展望花畑「四季彩の丘」にはケイトウやサルビア、マリーゴールドなどが咲きそろい、東京ドーム1.5個分の花畑は色鮮やかなストライプで覆われ、多くの団体中国人観光客で賑わっていた。広い敷地を楽して回るためにいくつかの乗り物も用意されており、トラクターで客車を引っ張るノロッコ号やカート、バギーなどが家族連れの人気を集めていた。

花畑には何故かアルパカ牧場も営業しており、多くのミラバケッソ系のアルパカが柵の中で養われているのだが、入場料\500分はソフトクリーム購入代に回すべきだと考えたので入場せずに高い塀の隙間から癒し系の草食獣をチラ見するにとどめておいた。

美馬牛から再び富良野線に乗り、中富良野駅に立ち寄った。北海道の真ん中にある中富良野は十勝連峰の勇姿を望み、ラベンダーをはじめとする美しい花々が人々を出迎えてくれる彩りの大地である。ところが、ラベンダーのシーズンは既に終わってしまっていたのでスキー場のリフトを運行させている町営ラベンダー園の斜面には夢の跡しか残っていなかったのだ。

町営ラベンダー園で購入したラベンダーソフトを舐めながら、ラベンダー園の名門であるファーム富田に向かった。ラベンダーのシーズンは過ぎ去り、ラベンダー畑には枯れそうな葉っぱしか残ってなかったのだが、辛くも温室に咲いているラベンダーを見て溜飲を下げることは出来たのであった。

園内には花畑だけでなく、工場や工房も公開されており、観光客は花精油抽出工程や石鹸や香水の製造方法を学ぶことが出来るのだ。さらに隣接するメロンハウスではメロンの直売のみならず、切り売りやメロンパンも販売されていたので早速果肉が封印されたメロンパンを買って昼食とした。しかし、量的な物足りなさは否めなかったため、こだわりメロンソフトを食って腹の足しにしておいた。

ラベンダーの残り香を引きずって中富良野を後にし、電車に乗って北の国からの聖地である富良野駅に降り立ったわけで・・・駅前に「北の国から」資料館が開館していたので名優地井武男の追悼コーナーがあれば入ろうと思っていたのだが、その様子は垣間見られなかったので入場は次回訪問時に持ち越しにすることにしたわけで・・・ 結局富良野にはふらっと立ち寄るだけにとどまってしまい、15:30発のバスで札幌に帰り、全日空ホテルで涼しさの余韻をかみしめていたわけで・・・

8月16日(木)

新千歳空港より9:30発ANA054便にて涼しい北の国を後にして猛暑が続く東京へと帰り、ちい散歩の最終回は賽の河原だったのだろうかと考えながら流れ解散となったわけで・・・

FTBサマリー

総飛行機代 ¥20,940

総宿泊費 ¥8,735

総バス代 ¥6,320

総タクシー代 ¥1,400

総JR北海道代 ¥1,190

協力 ANA、楽天トラベル、agoda、IHG・ANAホテルズグループ

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