FTBJ比叡山 with しがない滋賀ツアー

真言密教の総本山である高野山での修行を終え(http://www.geocities.jp/takeofukuda/2010koyasan.html)人間として一回り大きくなった私であるが、メジャーな空海と比較して最澄が地味な印象しか与えないのは比叡山延暦寺のブランドを打ち消してしまうほどの滋賀県民のしがない県民性のせいだという疑念を拭いさることが出来なかった。今回そのしがなさを体感するためにあえて滋賀に足を踏み入れることにしたのだ。

6月12日(土)

裏の仕事の関係で大阪城公園に付属するホテルニューオータニ大阪に宿泊していたので早朝より大阪城を散策して覚醒することにした。姫路城、熊本城と共に日本三名城のひとつに数えられている大阪城で豊臣秀吉の魂を吸収していると大阪城ラジオ体操会のメンバーがすでに撤収し、スタンプも押してもらえないため、仕方なくひとりで♪うでを~前から上にあげて、お~きく背伸びのうんど~~♪から始めるしかなかったのだ。

素人ギャル系B級タレントを起用しているはずの「おけいはん」をメインキャラクターに据えている京阪電鉄で京都の三条に参上すると見せかけて一気に終点の出町柳まで来てしまった。出町柳で出待ちをしている人ごみを掻き分けながら叡山電鉄の改札をくぐり、ワンマンカーに乗り込むと14分で八瀬比叡山口に到着した。

京都市内から出町柳・八瀬経由で比叡山に行く場合には叡山ケーブル・叡山口ロープウエイが通例となっているのでまずはケーブルカーに乗車することにした。総延長1.3km、標高差は日本一の561mを誇る叡山ケーブルは大正14年創業で乗客が思わず「ひぇ~!」と叫んでしまうほどの急こう配を9分かけてロープウエイ乗り場まで引っ張り上げてくれるのだ。

ロープウエイ比叡駅には開運厄除の大義名分の下、観光客が待ち時間を利用して「かわらけ」という円盤を投げて運試しが出来るアクティビティが設定されており、油断なく観光客から金を巻き上げるシステムが確立されていた。叡山ロープウエイで3分間宙づりにされた後、標高840mの比叡山頂に到着し、眼下に広がる琵琶湖の遠景を眺めた後、ついに比叡山の散策が開始されることとなった。

世界文化遺産比叡山延暦寺(¥550)は東塔、西塔、横川から形成されており、それらの拠点を結ぶ比叡山内シャトルバス(¥800)が運行されているので、早速バスに乗り、東塔に向かった。そもそも1200年前に伝教大師最澄が日本の国の安泰と国民の幸せを祈って開いた比叡山の教えとは「個々が思いやりの心をもって一隅を照らす人になる」すなわち、一人ひとりが相手の立場に立って考え、自分の出来ることを精一杯行うことが、周りが良くなっていくことにつながるという、すべての財務官僚が肝に銘じておかなければならないありがたいものである。

この教えに触発されるかのように東塔の境内には錚々たる企業の後援による祖師御行績絵看板という絵物語が数多く立ち並んでいる。ところで比叡山は織田信長と対立し、1571年に焼討ちにあっているのだが、織田信長の末裔である織田信成と自称織田信長の末裔兼生臭坊主である織田無道(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%94%E7%94%B0%E7%84%A1%E9%81%93)は生まれながらにして比叡山出入禁止という特権を持っているはずであろう。

信長の焼討ちから400年ぶりに再建され、塔の朱と自然の緑が溶け合っている法華総持院東塔の隣に1937年に比叡山開創1150年大法要を記念して建立された阿弥陀堂に阿弥陀如来がまつられているのでソチ・オリンピックでは織田信成の靴ひもを切らないように祈った後、立て続けに戒壇院と大講堂を見学させていただいた。

総合案内所兼無料休憩所となっている一隅を照らす会館に比叡山宗教サミットの案内が掲げられ、キリスト教、イスラム教等の宗派を超えた催し物が大々的に喧伝されているのだが、高校野球ファンにとってはアルプススタンドに陣取った僧侶の読経を起点に得点を重ねた実績を持つ比叡山高校とPL学園、天理高校等との甲子園での宗教対決の方がより興味をそそるのではないかと思われた。また、延暦寺会館で開店している喫茶「れいほう」では宗教法人に対する優遇税制が事業仕分けの対象にならないように日夜議論が交わされているはずである。

延暦寺の総本堂であり国宝に指定されている根本中堂は内部の写真撮影厳禁であるものの、御本尊秘仏薬師如来をまつる宝前に1200年間守り継がれた「不滅の法灯」が光り輝いており、圧倒的に荘厳な雰囲気が醸しだされていた。さらに比叡山にまつわる宝物を管理・保管するために開設された国宝殿(¥450)には焼討ちの難を逃れた薬師如来坐像や不動明王像等が織田信成の4回転ジャンプにプレッシャーを与えるかのように睨みを利かせていた。

延暦寺の諸堂は16:30に閉堂になるため、西塔と横川への参拝は断念するかわりにシャトルバス運賃の元を取るために比叡山ドライブウエイを横川まで往復してお茶を濁しておいた。延暦寺バスセンターから京都方面に京阪バスが運行されているので路線バスに乗り込むと三条で下車して祇園方面に向かって歩いていた。八坂神社をチラ見して祇園で舞妓さんを探していると迷子になりそうになったので観光は外人に任せておいて撤収することにした。

6月13日(日)

私の大阪地区での定宿になっているANAクラウンプラザ大阪の近くに学門をすすめるかのように福澤諭吉生誕地の碑が陸の王者のごとく存在感を示していたので日本銀行が発行した福澤諭吉の肖像画が私の財布に大量発生すると同時にもしマサがここにお参りに来なければマサに振り込まれるはずの1万円が私の口座に自動振替されるように祈っておいた。

ところでマサよ、私が京セラという会社を仕切ってブイブイ言わせていたときに京都の伏見区に住んでいたのだが、その地区の水道水は琵琶湖の疎水(http://agua.jpn.org/biwacanal/top.html)から取水されており、非常にまずかったことがトラウマになっている。そこで今回の滋賀ツアーの機会を利用してそのまずさの謎を解明するために再び滋賀に向かうことにした。

京都と大津を結ぶ京阪京津線で大津港の最寄駅となっている浜大津駅で下車し、レイクサイドアミューズメント浜大津アーカスに向かった。しがない滋賀を活性化するためか、ここではコスプレイヤーが大集合するという催し物が行われており、ギャルに扮装した中年おじさんや道頓堀川から復活したはずのカーネルサンダースが幅を利かせていやがった。

缶ジュースも仮面サイダーのコスプレを施している大津駅を後にしてJR琵琶湖線で温泉街ではない草津で下車した。草津駅西口から近江鉄道バスに乗車すると25分程で烏丸半島に張り出している滋賀県立琵琶湖博物館(¥750)に到着した。館内のレストランでは口蹄疫に感染していないはずの近江牛にちなんだメニューが目白押しだったのでとりあえず近江牛コロッケバーガーを食してみることにした。コロッケはその90数パーセントはじゃがいもやパン粉から形成されているのだが、わずか数パーセントの含有量で近江牛の価値を認識させるところが近江牛たる所以であることを思い知らされたのだった。

琵琶湖博物館の最大の見所は広大な琵琶湖に生息する数多くの魚を拉致して繁殖させた水族館であり、大阪天保山の海遊館、沖縄の美ら海水族館に勝るとも劣らない水族企画展示によりコンスタントな集客力を誇っているのだ。展示室に入るとまず上空を魚たちが飛び泳ぐトンネル水槽で琵琶湖内部を魚瞰的に眺めることが出来、さらにVIP水槽で飼育されている琵琶湖の主、ビワコオオナマズに挨拶をするという段取りになっている。

さらに本チャンの琵琶湖では外来魚であるブラックバスの餌になっているであろう浜崎系のアユやビワマスもここでは我が物顔で泳いでおり、水生昆虫の王者タガメや特別天然記念物のオオサンショウウオもそのユニークな風貌で存在感を示したいた。

湖の環境と人びとのくらしという展示室では昭和30年代から始まった水利用の変化、またそれにともなう人びとの暮らし方、生活感の変化により琵琶湖が汚染され、さらには生態系が変化していった様子を学習し、琵琶湖水系の水のまずさの原因を思い知らされた。さらに水道が生活の中に入ってくる以前の農村の暮らしが移築された伝統家屋により再現されており、水の有効利用や排泄物が肥えだめに直結する古代和式便所等の効率的なエコシステムの重要性を再認識させられた。尚、家屋内には星一徹の力で簡単にひっくり返すことが出来るちゃぶ台もセットアップされているのだが、飛雄馬が父ちゃんに口ごたえしないので伝家の宝刀が抜けないというジレンマに陥ってしまっているようだった。

マサよ、君は恐竜のウンチの化石が語るうんちくにより、琵琶湖の歴史とおいたちが如実に語られているという事実に愕然としたことがあるか!?

というわけで、琵琶湖のおいたちという展示室でおよそ2億5千万年前からの自然環境の変遷をマンモスの骨とともに学習することにした。鼻で吸引する動物が好きなはずの酒井法子であれば、思わず「マンモス うれピー!」と叫んでしまう程、古代象の化石コレクションが充実しているこのエリアで特筆すべきことはマンモスも滋賀県で発掘されるとシガゾウというしがない象に成り下がってしまう衝撃的な事実だったのだった!!

FTBサマリー

総飛行機代 ただ

総宿泊費 ¥800

総ケーブルカー・ロープウエイ代 ¥840

総バス代 ¥2,200

総鉄道代 ¥3,320

協力 ANA、ANAホテルズ、京阪電鉄

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