FTBJ炎の離島デスマッチ第?弾 in 礼文島

♪僕の先生は~、フィ~バ~♪

というわけで、小学校学園物の先駆けとなった熱中時代の水谷豊扮する北野広大は礼文島出身であるという設定であったのだが、2年前はその礼文島の隣に浮かぶ利尻島へは何とか上陸を果たし(http://www.geocities.jp/takeofukuda/2008rishiri.html)、しかも利尻富士の頂上まで制して来たにもかかわらず、礼文島に行く時間が取れなかったために北野広大への仁義を欠いてしまったことが大きな心残りとなってしまっていた。今回私の心の中の忘れ物を取りに行くために忙しいこの時期を選んでわざわざ礼文島を目指すこととなったのだ。

2010年7月3日(土)

将来はマサの財力を利用してANAの筆頭株主に成り上がるという野望を持っている私はANAの株主優待券を利用してマサであれば\43,000かかるところを¥21,550の支払いで羽田発稚内行きのチケットを入手し、しかもプレミアムクラスへのアップグレードまで果たし、B767機の1-Kという筆頭席に陣取り、意気揚揚と日本最北端を目指した。ANA573便は午後2時過ぎに稚内空港に到着すると早速空港バスでフェリーターミナルへ向かった。

北海道の離島航海を取り仕切るハートランドフェリーが運航する午後3時25分発礼文島行きのフェリーの2等席に乗り込むと甲板で潮風にあたりながら約2時間の航海がスタートした。あいにくの曇り空で利尻島にそびえる利尻富士の雄姿は拝めなったものの穏やかな海上の快適な航海で午後5時20分に香深港に着岸した。

「お帰りなさい礼文島へ」の看板に迎えられるとおびただしい数の老老男女で構成されるエースJTBの団体旅行客やFTB御一行様はついに海抜ゼロメートルから高山植物が咲き誇る花の島への上陸を果たしたのだった。多数の観光バスをチャーターしやがっているエースJTBを尻目にFTBは宗谷バスが運航する路線バスで島の北部の船泊に向かった。

楽天トラベルに予約させておいたホテル礼文荘が提供する「ドーンと大きなボタン海老 北春丸さんありがとう」プランにより早速宿に到着後に夕食の時間となった。北春丸が釣り上げてきたはずのボタン海老の優雅なフォルムに見とれてデジカメのボタンが押せなかったために豪華な夕食はマサの想像にまかせるしかないのだが、食卓はウニやホタテや毛ガニの半身等豪華な海の幸で彩られており、宿泊客は皆、毛ガニの毛が指先に刺さらないように注意しながら黙々と身をほじっていたのだった。

7月4日(日)

早朝より日本最北の湖である久種湖と久種湖畔キャンプ場を軽く散策しているとテントからアルファベットを喋っている声が聞こえてきた。なるほど日本のこんな僻地にも律儀にテントを担いでキャンプにいらっしゃるアメリカ人がいるのかと感心させられた。尚、アメリカ人がいるからといって13日の金曜日にジェイソンが斧を持って襲いに来るような雰囲気のあるキャンプ場ではないことは確かであった。

8時半過ぎの路線バスで利尻礼文サロベツ国立公園が誇る最北端のスコトン岬に向かった。最北限のトイレで用を足すこともなく、スコトン岬からストンと落ちている低地に佇んでいる民宿を尻目に最北端ではなく最北限の地点から目の前のトド島を見渡していた。

トド島はその名の通りトドがとどまることが出来る無人島でゴマフアザラシも見られることもあるそうだ。また、とどめを刺されたトドはトド肉の缶詰として昆布ソフトとともに最北限の土産物屋のエースとして君臨しているのだ。

約300種の高山植物が咲き乱れ、「花の浮島」の異名をとる礼文島には数多くのトレッキングコースが整備されている。ねづっちのなぞかけが整う前に私のフィジカルを整える必要があったので礼文島で最も過酷な8時間コースに参戦することにした。最北のスコトン岬をスタートし、猫が寝込んでいる様子を横目に西海岸に沿って南に向かって歩いていた。

整備されたトレッキング道ではエースJTBの観光客を乗せた観光バスと何度もすれ違い排気ガスを出さないエコなFTBとの格差の違いを見せつけてやったのだが、トド島展望台という高台に到着した時には、トド島は手のとどかない遠くに逃げてしまっていた。

トド島の景色に別れを告げるとトレッキング道はバスの通るアスファルト道から野山を切り開いた土道に変わっていた。険しい崖に囲まれたゴロタ岬から見下ろす海はこれがホッケの泳ぐ海とは思えないほど透明度が高く、サンゴ礁が生えていれば沖縄の海に匹敵するほど美しいものであると思われた。

澄海岬から透明度の高い海で漁をしている小舟を見下ろし、いくつかの明るい漁村を通り過ぎると道はいつしか林に変化していた。ホッケの海とホッケキョのさえずりが響く林のコントラストの中でホテル礼文荘で用意していただいたおにぎり昼飯を食いながら体力の回復に努めたのだが、携帯していた500mlの飲料水をすでに飲みきってしまっていた。

林の中から水の流れる音がしたので川の上面をすくって喉の渇きを抑えたものの過酷なトレッキングはさらに続き、岩場にロープ伝いで降りなければならない難所にも遭遇した。薄曇りの空はいつしか晴れ上がり容赦なくトレッカーの体力を奪っていった。山をついに降りきるとそこに待っていたのはゴツゴツとした岩が転がる沿岸部の難所であった。

すでに5時間以上歩いているにもかかわらず、抜群のボディバランスで岩場を切り抜けると宇遠内というコンパクトな漁村に到着し、日陰と水分を求めて休憩所に転がり込んだ。早速アクエリアスで喉を潤そうとしたのだが、1000円札しか持っていなかったので休憩所を取り仕切るおばちゃんがぎりぎりでお釣りを用意する状況になってしまった。すでにビールとおつまみでいい気分になっていた先客の夫婦が土産物として売られている干しワカメや昆布を買う際に1000円札を出したのだが、こいつに釣銭を払ったので小銭がなくなったぜとプレッシャーをかけられ、罪の意識に駆られた私は図らずも300円の干し海苔を買わずにはいられなくなってしまっていたのだ。

北の離島の僻地で商売の真髄を目の当たりにした休憩所を後にすると残っている力を振り絞って最後の峠に立ち向かっていった。通常8時間設定の場合のコースであれば5時間程度でゴール出来るはずであるのだが、このコースはマサに山あり、谷あり、海あり、岩あり、商売ありだったのでまるまる7時間程度もかかってしまった。東海岸の香深井からフェリー港のある香深までさらに1時間かけて歩き、命からがら5時40分のフェリーに乗り込むとエースJTB観光客と一緒に雲に隠れて見えない利尻島の幻影を眺めながら稚内に帰って行った。

マサよ、君は日本最北端の地で松坂大輔が町興しのために担がれている実態を垣間見たことがあるか!?

ということで、稚内市内では何故かわからないが、おびただしい数の露天が出店し、浴衣を着たギャル等が闊歩しており、お祭り気分満載の様子であった。さらにおじいちゃんが稚内に住んでいるという理由だけで松坂大輔が稚内のヒーローに祭り上げられ、松坂大輔スタジアムに貴重品を献上させられている様子が確認された。同じ敷地内に港のゆ(¥700)という天然温泉が開店していたので寒冷地のためお湯がなかなか沸っかないはずの稚内では貴重なファシリティだと思われたので入って見ることにした。泉質は単純ナトリウム泉ということだったが、何故か昆布ローションのようなとろみが加えられているので美肌効果も期待出来るはずである。

温泉でトレッキングの疲労を癒すことに成功したので稚内駅前バスターミナルから運行している札幌行き都市間バスに午後11時に乗り込むとリクライニングの倒しすぎで後部座席の乗客からクレームをつけられながら、札幌駅を目指していた。

7月5日(月)

午前5時半に札幌駅前に到着し、そのままバスを乗り換えて新千歳空港へと向かった。午前7時30分発ANA050便にてプレミアムクラスへのアップグレードを果たし、1-Aという筆頭席で快適に過ごさせていただいた。午前9時半に羽田に到着し、筋肉痛が運動の翌日に発生したことに感謝しながら裏の仕事へ・・・

FTBサマリー

総飛行機代 ¥21,550

総バス代 ¥8,920

総フェリー代 ¥4,600

総宿泊費 ¥11,000

協力 

ANA、楽天トラベル、宗谷バス、ハートランドフェリー

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