FTBJ北の国から2015 ラベンダー

♪ア~ア~、ア ア ア ア ア~♪

じゅん、じゃなかったマサよ~ォ、君は道央の丘陵地が紫に染まる7月の数週間の間に北海道のへそで田中邦衛よろしくくちびるをすぼめたことがあるか!?

というわけで、今年も恒例の北の国から発祥の地ツアーが粛々と執り行われる季節が巡ってきたわけで・・・

7月11日(土)
どんよりした梅雨真っ只中の東京を離れるべく午前10時発ANA059便に乗り込むと1時間半程のフライトで新千歳空港に到着し、い~レンタカーを格安で提供するはずのeレンタカーでショッカーよろしく「イ~」と叫んでトヨタのパッソをレンタルすると道央の高速道路を旭川方面に向かって疾走した。

旭川を過ぎ、日本の国立公園で最大の面積を誇る大雪山国立公園に侵入するとその中で最も洗練された観光地の一つである層雲峡に午後3時過ぎに到着する運びとなった。そのままの勢いで黒岳ロープウエイ乗場の駐車場に車を放置すると\1,950もの大金を支払ってロープウエイの往復券を購入した。

(株)りんゆう観光が1967年に全精力をかけて開通させた黒岳ロープウエイはゴンドラ式の101人乗りで、1人のガイドを除くと100人の観光客を乗せることが出来る大型の宙吊り箱物となっている。標高670mの層雲峡駅から標高1,300mの黒岳駅までわずか7分で到着するとペアリフト(往復\600)で標高1,520mの黒岳7合目まで15分の空中散歩で到達することが出来るのだ。

今回は時間の関係上標高1,984mの黒岳山頂への登頂は控えておいたのだが、それでも美しく可憐な高山植物や展望台から見渡せる大雪山系の山々の眺望は大金を支払ってでも見に来る価値は十分にあることを思い知らされた。

黒岳から下山すると迫り来る層雲峡の柱状節理の岩山にせかされるように今回の宿泊先である湯本銀泉閣になだれ込んだ。層雲峡温泉の源泉かけ流しの湯で体の表面を温めるとさらに夕食の薬膳鍋で体の内部のデトックスに精を出していた。

7月12日(日)
桃太郎侍親子がPR大使を務めているBBHホテルグループの銀泉閣を後にすると、層雲峡ビジターセンターでもっと恐ろしい物を目にすることとなった。大雪山国立公園はヒグマの生息地であり、黒岳周辺でも数多くの目撃情報が報告されている。ヒグマの聖地ともいえる知床国立公園のウトロシリエトクビジターセンターでもヒグマの剥製の展示は見られなかったのだが、ここ層雲峡では生後1ヶ月の2頭を含む合計6頭ものヒグマの剥製が観光客の恐怖を煽っていたのであった。

ヒグマに追われるように層雲峡から撤収すると恐怖で充血しているはずの眼を保養するために美瑛町の丘陵地の花畑を巡ることにした。旭川から富良野方面に向かっているとひときわカラフルな花畑が目に飛び込んで来た。ぜるぶの丘はこじんまりとしてはいるものの旬のラベンダーを中心とした見事な花々の配色で観光客を癒していた。また、展望台からはカルロス・ゴーン率いる日産社員によって庇護されているはずのケンとメリーの木が往年のスカイラインファンの郷愁を誘うように一本立ちしていたのだ。

美瑛町最大手の丘陵花畑である四季彩の丘はあいかわらず観光バスで乗り付けた多くの中国人観光客で占拠されており、彼らは株の暴落の痛手を拭い去るかのように美しい花々の前で記念写真を撮りながら心の傷を洗い流しているのだった。

元祖北の国からの地域が最も華やかな時期を迎えるとあって、上富良野を抜け、中富良野に近づくにつれて車の列が長くなっていった。中富良野の町営ラベンダー園の駐車場になんとか車をねじ込むとスキー場ならではの傾斜地にスプールを描く代わりに紫の絨毯を敷き詰めたパープルタウンを見下ろすべく、しばしリフト(¥300)に揺られることにした。

紫に支配されたゲレンデの頂上の一角に秋田県美郷町より寄贈されたという美郷雪華なる白いラベンダーが慎ましく植えられており、紫帝国富良野に対するひとつの挑戦状のように思えもした。

ほたるぅ、じゃなかったマサよ、君は太宰治似の創業者が廃業という人間失格の危機を乗り越えて今や紫帝国の総本家として付加価値の高い香水やメロンを売りさばいている光景を見て希望を捨てずに走り続けることの尊さを学んだことがあるか!?

ということで、町営の施設よりも明らかに金をかけた花畑を造営し、世界中の観光客を虜にしているファーム富田に居並ぶ観光客をかき分けて進入することとなった。ファーム富田は切り花を産出するラベンダー畑から石鹸、香水工場、さらにそれらを高値で売りさばく土産物屋とレストランから成っている。

富良野地区に存在する数あるラベンダー畑の中でもファーム富田のトラディショナル・ラベンダー畑は群を抜く輝きを放っており、各方面からの車や観光バスがこぞってここに集結しようとするのも無理なからぬことと思われるわけで・・・

ツアー会社の観光バスが出発準備の排気ガスを排出し始めたころ、後ろ髪をひかれる思いで富良野に別れを告げ、2時間弱の時間をかけて新千歳空港へと帰って行った。18:30発ANA076便は定刻通りに出発し、日本海側に沈む夕日を眺めらがら紫帝国との再会を期していたわけで・・・

FTBサマリー
総飛行機代 \40,480
総宿泊費 \15,554
総レンタカー代 \8,928
総高速代 \4,810
総ガソリン代 \3,805

協力 ANA、eレンタカー、楽天トラベル

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