は~るばる来たぜ!はぁこだぁてぇ♪♪
あ~なたと食べたい さぁけちゃづけぇ~♪♪
・・・・中略・・・・
とぉ~てもぐゎまんが~ぁ出来なかぁあたよ~♪♪
というわけで、7月の3連休は家でごろ寝でもしようかと思っていたのだが、出かけたい欲求を抑えるのもどうなん?という思いがよぎったので急遽道南へと繰り出すこととなったのだ。
2017年7月16日(日)
10:20羽田発ANA553便は1人の乗客の手荷物のチェックに手間取り、10分ほど遅れて出発し、雨がそぼ降る函館空港に到着したのは正午前の時間であった。早速オリックスレンタカーで新車の臭いをぷんぷんさせた日産ノートをレンタルすると行き先のメモを取る時間もなく函館市街地へと繰り出した。約20分ほどで函館駅前に到着し、駐車場を探しているとホテルニューオーテという決して大手ではないホテルの駐車場が時間貸しをしていたので、そこに車を預けると豪雨の中、目の前の函館朝市にしけこむことにした。
おばちゃんが差し出すホタテの干物の試食の誘惑を振り切って「函館朝市どんぶり横丁市場」になだれこむと比較的すいてそうな食堂に入り、空腹で♪とぉ~てもぐゎまんが~ぁ出来なかぁあたよ~♪という勢いでおすすめの「朝市丼」を¥2,590もの高値で発注した。これから3時間もの移動が控えているので新鮮美味などんぶりを急いでかっこむとホテルニューオーテに大手を振って¥200の駐車場代を支払い、そそくさと函館を後にした。
函館エリアの人気観光地である大沼公園で道央自動車道に乗り、途中通行止めのため国道の迂回路を経て登別東インターで高速を下りるとソフトバンクホークスの柳田選手でもフルスイング出来ないほど巨大な金棒を携えた赤鬼に歓待されることとなった。ほどなくして温泉街に入ると道路は一本道で分かりやすく、本日の宿泊地であるトーホウリゾートホテルグループが経営する名湯の宿パークホテル雅亭でも笑顔の鬼の親子に迎えられたのだった。何はともあれ温泉を堪能しなければならないので硫黄濃度ランキング第5位(http://trendnews1.com/kateinoigaku/8561/)の高濃度硫黄泉に身を委ねてみることした。源泉は複数あり、単純硫黄泉やナトリウム・カルシウム塩化物泉、湯船の底に地獄からの贈り物であるはずの泥が堆積しやすい濃い硫黄泉をこころゆくまで堪能させていただいた。
夕食はバイキングとなっており、外国人観光客が大挙して押し寄せる時間帯を避けるため、早めの5時半にレストランに入場するとズワイガニを機軸にした北の大地のグルメを胃袋にめいいっぱい詰めこまさせていただいたのだ。
夕食の栄養素が全身に行き渡った時間を見計らって今回の宿泊プランに含まれる日本最大級の大露天風呂を標榜する「まほろば」まで足をのばすことにした。確かに湯船で足を伸ばすことは出来るのだが、日本最大級と名乗るほどのスケール感は他の温泉地の湯宿にまかせるべきであろう。
豊富な湯湧量を誇る登別温泉の源泉は主に地獄谷が供給源となっている。その地獄谷が漆黒の夜を迎えると期間限定のライトアップにより幻想と神秘の谷に変貌するというチラシがここかしこで見られたのでまずは「鬼祠」の赤青鬼に挨拶を交わしてゆるやかな坂道を登ってみることにした。
「鬼火の路」と銘打った路の先には幻想的な地獄谷の爆裂火口跡が口を開けており、遊歩道の終点には「鉄泉池」なる間欠泉が定期的に噴気を上げることも無く85℃のお湯を煮えたぎらせていた。その近くにはライトアップの紫外線につられて飛んできたヤママユガ科に分類されるオオミズアオの水色のシルエットが湯気の間から見え隠れしていたのだ。
7月17日(月)
登別温泉は新千歳空港からのアクセスが非常に便利なこともあり、おびただしい数の韓国人、中国人観光客に支配されている。温泉街の主要ホテルの食事はバイキングが主流で混雑時には仁義無き光景が繰り広げられることが容易に想像できる。地獄谷の背後の山道は遊歩道が設けられているのだが、北海道内でよく見られる「熊出没注意」の看板は見当たらず、このあたりのヒグマはあの有名な「のぼりべつクマ牧場」に収容されたのではないかと訝られた。
定刻10時にホテルをチェックアウトすると、地獄谷から流れる温泉の川沿いから噴出す間欠泉を利用した公園である「泉源公園」で噴気を浴びて身を清め、あらためて日中の地獄谷の風景を見に行くことにした。展望台から見下ろすといたってスタンダードな地獄の風景が広がっているものの、ここから多種類の温泉が毎分約3,000リットルも湧き出していることを考えると本当は地獄の皮を被った天国ではないかと思われた。
少し時間があったので登別温泉散策MAPで紹介されている「奥の湯」、「大湯沼」まで足を延ばしてみることにした。いずれも高温の硫黄泉をぐつぐつと煮えたぎらせている水場であるのだが、不思議なことに温泉卵や黒卵の生産地としては活用されていなかったのだ。
登別温泉を下り、「鉄のまち」「ものづくりのまち」で有名な室蘭市街地を抜けて地球岬へ向かった。随分大きく出た名称だなと思うかも知れないが、語源の「ポロ・チケップ」(親である断崖)が、チケウエ→チキウと転訛し、「地球岬」という当て字が使われたということなので決して地球を征服してやろうという野望を微塵も感じてはいけないのだ。
今日は海の日で灯台が開放されるということで駐車場までの道のりが大渋滞を起こし、車を停めるまでに30分以上の時間を要してしまったのだ、高台から見下ろす灯台と青い海のコントラスト、険しい断崖と地球の丸さを実感させる水平線はマサに「地球」そのものだと言えよう。
室蘭から撤収し、稀代の名横綱北の湖敏満を輩出した有珠郡方面へ車を走らせた。「日本ジオパーク」「世界ジオパーク」に認定されている活火山である有珠山の麓は自然と一体となったテーマパークの様相を呈しており、昭和の明峰「昭和新山」もその新鮮さを誇示するかのように山肌をさらしている。
かの有名な「のぼりべつクマ牧場」の入場料が¥2,592に対して「昭和新山熊牧場」はわずか¥850の支払いで入ることが出来るので躊躇せずに入場してみることにした。北の湖や白鳳であっても寄り切ることが出来ないはずのヒグマたちは年代別、性別毎に収容されており、年端も行かない小熊は比較的広いスペースで走り回ることが出来るのだが、小学生くらいのやんちゃ坊主は檻の中から娑婆の方を恨めしそうに見つめていた。
ここでのアクティビティは2袋¥200で販売されているクッキーを熊に向かって投げつけることなのだが、手馴れた熊は袋を持っている観光客に向かって手を振ったり、銅メダルを獲得した卓球の水谷選手のように後ろ向きに倒れこむようなパフォーマンスをかまして関心を引き付け、¥1でも多くクッキーの売り上げを上げようと躍起になっていたのだった。
熊とのふれあいを充分に堪能することが出来たので、2007年7月にサミットが開催された洞爺湖を抜け、高速道路に乗って函館方面に帰っていった。北海道新幹線と熾烈な乗客獲得競争を繰り広げている割には設備が充実していない函館空港は特に永谷園系列の定食屋の出店もなかったのでシャケ茶漬けを食うこともなく、19:35発ANA558便に搭乗し、次回は真っ先に「北島三郎記念館」http://www.kitajima-museum.jp/に駆けつけ、♪与作♪を熱唱した後に観光をかますべきだろうと考えながら流れ解散となった。
FTBサマリー
総飛行機代 ¥44,580
総宿泊費 ¥30,400(二食付き、二人分)
総レンタカー代 ¥11,460
総高速代 ¥5,640
総ガソリン代 ¥3,514
総駐車場代 ¥1,200
協力 ANA、楽天トラベル、オリックスレンタカー