シン・FTB電気自動車で回るもう一つのアメリカ西海岸ベイエリアツアー

3年ぶりの米国ツアーは想像を絶するほど過酷なものとなった。
前座として2月14日(火)の午後10時過ぎに羽田からサンフランシスコに飛び、サンノゼに1泊後、16日(木)の午前0時過ぎのフライトで羽田にとんぼ返りするという離れ業を演じなければならなかった。羽田に到着したのが17日(金)の午前5時前だったので1泊4日のツアーということになるのだが、行き帰りの便とも同じメンバーの乗務員のサービスを受けたため、これぞマサに乗務員並みの重労働に匹敵するものとなった。

週末に山口県の長門温泉で束の間の休息を取らせていただいたものの、20日(月)の夕方にはデンバー行きの機上の人となってしまった。到着地のデンバーはマイナス20℃の凍るような世界で、3日間虎の穴のような過酷なセールストレーニングを受け、23日(木)夜にはサンフランシスコに移動となったのだが、滑走路の状態が悪いため、飛行機の出発が2時間以上遅れた上に、到着したサンフランシスコ空港のゲートが閉まっているという落ちまでついてしまった。乗客の断末魔の叫びに後押しされ、何とか帰ってしまったゲート回りのメンバーを定位置に呼び戻し、晴れて降機、レンタカー確保、ホテル到着となったころには午前1時を回った時間となってしまった。

泥のように疲れた体にムチ打って金曜日にサンノゼオフィスで業務をこなした後、待望の週末のHolidayが訪れたので雪残るシリコンバレーからシン・FTBツアーを強行することとなったのだ。

2023年2月25日(土)
宿泊先であるHoliday Inn & Suite Silicon Valley – Milpitasには電気自動車用の充電器は装備されていたのだが、私がHertzより借り受けていたテスラのModel 3に電気をチャージするにはアダプターが必要だったのでここでの充電は断念し、テスラ純正の電気を求めてさまようこととなった。途中テスラのタッチパネルがSoftwareのupdateをしたいとわがままを言ったので、ふいにupdateをタップすると40分近く足止めを食らってしまった。

首尾よくテスラのご本尊と言えるFremont工場が数マイル先に位置していたのでそこに駆け込み、Superchagerという急速充電器でわずか30分程度で電力と体力を回復させると風光明媚なモントレー方面に向かってModel 3を転がした。電気自動車はマサに動く家電のような代物でアクセルを踏んだ時の加速感とペダルから足を離した時の減速感が素直に足首の動きと連動し、ガソリン車以上の反応で書き味のなめらかなボールペンで手でスラスラと文字を書くような走りを見せてくれる。

全般的なテスラ車の表情は男前のイーロン・マスクとは異なり、ショッカーの戦闘員のマスクにように無表情であるのだが、「イー!」という掛け声のように発進する様はマサに首領である運転手に対して従順であると言える。

今回の目的地をさ~どうしようかと思案していたのだが、ふいに日本の女子卓球選手が得点を決めた時に発する大きな「サ~!」という掛け声(ちなみに男子はチョレイ!」が頭をよぎり、愛らしい卓球少女が男を手玉に取る魔性の女に変貌を遂げたような感覚を覚えたのでナビゲーションにセットされた目的地は必然的にビッグサー (Big Sur)となった。

テスラ工場から約1時間半程のドライブで太平洋岸にあるカリフォルニア州の美しい街、モントレーに到着した。Carls Jr.でハンバーガーを食って腹ごしらえをするとModel 3にも栄養を与えるべく、近くのテスラのディーラーに駆け込み早めの充電に勤しんでいた。尚、充電にかかるコストは自動課金になっているようでHertzにチャージされたものがそのままレンタカー代にも反映される仕組みとなっている。

モントレーから海岸沿いに伸びるパシフィックコーストハイウエイは絶景の宝庫であり、切り立った断崖から見下ろす紺碧の海には巨大なコンプ的海藻であるケルプが繁茂し、多くの魚介類やアシカ、ラッコなどを養っている。

丘の上ののどかな草原地帯がいつしか巨木に覆われた険しい山々に支配され始めるとBig Surの胎内に入ったことが実感され始めた。ファイファー・ビッグサー州立公園地帯のビジターセンターには足を踏み入れたのだが、空模様が芳しくなかったので今日の散策は断念してモントレー方面へとUターンを決め込んだ。

カリフォルニア州道1号線を北上している途中で今回の訪米で何度も口にした将来のビーフ達をのどかな牧場で見守ったりしながらのんびりとModel 3を転がした。

パシフィックコーストハイウエイの数ある絶景の中で最も映えるポイントにおびただしい数の停止車両がひしめいていた。

断崖絶壁の切れ目を強固なコンクリートの柱とアーチ構造で繋げるビクスビー橋は1932年に架けられたものでビクスビークリークの急斜面を見れば当時の工事がいかに困難を極めたかが一目瞭然なのである。

日没前にモントレーに到着し、そそくさと本日の宿泊先であるHoliday Inn Express At Montrey Bayにチェックインするとネットで当地のサンセット時間を調べた。
17:58のサンセットまであと20分程だったので急ぎModel 3に鞭打って向かったポイントはモントレー半島の南、太平洋に面する小さな都市カーメル・バイ・ザ・シーであった。

ビーチの駐車場が満車状態だったため、近隣の住宅地の空きスペースを拝借して車を止めると駆け足でカーメルビーチにに向かった。さすがにカーメルビーチに太陽が沈みゆく景色は「カリフォルニアで一番美しい夕日」とも称されているそうで観光客はおのおのの出で立ちでシルエットロマンスの雰囲気に浸っていた。

日もとっぷり暮れたころにモントレーのフィッシャーマンズワーフに立ち寄ると待望のディナータイムとなった。立ち並ぶシーフードレストランの中から客引きのおね~さんのキップの良さに釣られて入ったレストランではクラムチャウダーとカラマリがサービスとなっている気前の良さではあったものの財布の紐がからまわりしないように時価となっているカニやロブスターの注文は控え、地道な価格設定のシーフードグリルで分相応のディナーを楽しませていただいたのだった。

2月26日(日)
早朝8時にはホテルをチェックアウトし、今日も相変わらずさえない雲行きの空を見上げながらフィッシャーマンズワーフを散策した。遠く海洋哺乳類の鳴き声は聞こえるのだが、その姿を拝むことは叶わなかったのでモントレーから再びビッグサーに向かって車を走らせた。

セコイアの木を繁茂させている険しい山々が姿を現すと曇り空は耐え切れずに雨粒を落とし始めた。ファイファー・ビッグサー州立公園の駐車場($10)に車を止め、軽くトレイルを歩き始めると♪よ~こそ ここへ クッククック♪というリズムを刻みながら♪私の青い鳥♪が飛び交っている姿を鑑賞するまでは良かったのだが、天候不良の中をビジネス仕様の革靴で歩き回る程の冒険心が湧き上がってこなかったので今日のところは引き上げることとした。

サンフランシスコ国際空港まで帰る道すがら、パシフィックコーストハイウエイ上で気になったVista Pointがあったので車を止めて散策してみることにした。切り立つ崖とワイルドなコーストラインはカラフルな植物で覆われており、遠目の海にラッコが見え隠れしていたようなのだが、その雄姿を明確に捉えることは出来なかったのだ。

午後4時半過ぎの飛行機でポートランドに飛び、雪降る世界に舞い戻るとHertzで深紅のテスラのModel Yをレンタルすると一気に裏の仕事モードに突入となったため、不本意ながら流れ解散とさせていただくことにする。

FTBサマリー
総飛行機代 ただ
総宿泊費 ただ
総レンタカー代 ただ
総電気自動車充電代 ただ

協力 ANA、IHG Group、Hertzレンタカー、Advanced Energy Inc.

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