FTBサミット夢跡ツアー in 厳島神社

先月開催されたG7広島サミットの成果としてウクライナに平穏な日々が訪れ、核軍縮は実行されるのであろうか?
この疑問に対する答えを求め、今回のツアーの目的地として厳島神社が選定されたわけだが、コロナ明けの人気観光地も人手不足で猫の手も借りたいはずなので事前に猫集会を開いて対応を協議しておくことも忘れなかった。

2023年6月10日(土)
12:30羽田発予定であったANA635便岩国行は羽田空港A滑走路近くの誘導路で、台湾のエバー航空とタイ国際航空の旅客機2機が接触した影響で1時間以上の遅れを出したため、山口県東部の岩国錦帯橋空港に到着したころにはすでに午後3時を回っていた。

早速ニッポンレンタカーでトヨタのヤリスをレンタルしたのだが、錦帯橋を世界遺産に推しているポスターを見ていささかやりすぎではないかと感じながらヤリスを転がしていた。約15分程のドライブで山梨県大月市の猿橋、徳島県三好市の祖谷のかずら橋とともに日本三奇橋として君臨している錦帯橋に到着した。

1673年に岩国第三代藩主の吉川広嘉によって架けられた錦帯橋であったが、残念ながら政治家の情報漏洩よろしくすぐに流失してしまったそうだ。しかし改良を加えて翌年再建された錦帯橋は、1950年9月にキジア台風による洪水で流失するまで276年の間、架替えを繰り返しながら威容を保ったという。

流失後、鉄筋コンクリートで再建という意見もあったそうだが、市民の強い要望により、1953年に再度、木造の錦帯橋として再建され、現在に至っている。平成13年度(2001)から平成15年度(2004)にかけて、劣化した木造部分を架け替える「平成の架替事業」を行い2004年3月、装いを新たに完成し、訪れる人を魅了し続けているのだ。

橋の形状であるが、5連のうち3連がアーチという木造橋は世界にも類を見ないもので、夏季には鵜飼いも楽しめるようでそれに関連するかどうかわからない釣り人も数人散見された。

錦帯橋への入橋は¥310の支払いで往復可能となっていたので町側から山側に向かって橋を渡らせていただいたのだが、セット券販売されているロープウエイによる岩国城への入城は時間の都合で断念せざるを得なかった。次回は屋形舟に乗って伝統的な鵜飼による夜の鮎漁を観賞しながらライトアップされた錦帯橋を愛でつつ地元北九州の若戸大橋や関門橋といった海峡をまたぐ吊り橋にも思いを馳せなければならないことであろう。

錦帯橋の勤怠管理システムにより営業時間が決まっているはずなので余裕をもって退勤させていただき、広島方面に車を走らせた。広島東洋カープの練習場と寮に隣接している安芸グランドホテルに首尾よくチェックインを果たし、「やっぱ広島じゃ割」クーポンをゲットして気を良くするとフロントで深々と頭を下げている銅像と目が合ってしまった。それはあたかもオリラジ中田率いるパフォーマーがG7首脳というパーフェクトヒューマン達が一堂に会した広島サミットを讃えているかのようでもあったのだ。

8階の部屋から名物牡蠣の養殖棚が並ぶ瀬戸内海を見下ろし、宮浜温泉を引き入れた内風呂「平安の湯」で旅の疲れを体の中からほぐした後、懐石系の夕食で舌鼓のメロディーを奏でていた。

瀬戸内海を挟んでいるが宮島フロントに君臨している安芸グランドホテルの桟橋から世界遺産ナイトクルージング(¥2,000)なるものが運航されているのでチェックインの際にすでに9時20分発の便の予約をかましておいた。

中島みゆきよろしく銀の龍の背に乗るような感覚で船は静かに出向し、一路厳島方面に向かって行った。夜の厳島神社では大鳥居がライトアップされ、光と影がとけあって、とても神秘的な時間が流れているようであった。小雨そぼ降る中、観光客はその様子をカメラと心に刻みつけながら、30分のクルージングに酔いしれていた。

6月11日(日)
大物芸人にも決して物怖じしないはずの♪I am a perfect human♪に別れを告げ、ホテルをチェックアウトするとあっちゃんの言動はいくら何でもやりすぎではないかと思いながらヤリスを転がして宮島口に向かっていた。

宮島口に宮島観光協会が開業していたので中に入ってみると「けん玉発祥の地」という輝かしい称号とともに宮島の干潮・満潮時刻を表示したしゃもじが目に飛び込んできた。宮島は日本一の木製しゃもじの産地だけでなく、しゃもじの発祥の地として有名で広島出身の岸田首相がウクライナ電撃訪問の折にゼレンスキー大統領に宮島のしゃもじを献上して「敵を召し取れ」と檄を飛ばしたそうであるが、広島サミットでの会談の際には支援物資のおかわりについて議論されたようである。

宮島口から10分おきに運航されているJR西日本宮島フェリーに乗り、10分ほどの航海で宮島フェリーターミナルに到着した。

みちのくの松島、京都の天橋立とともに日本三景の一角を担っている宮島であるが、厳島神社へ向かう道すがらおびただしい数の人なれした野生の鹿に遭遇するのだが、奈良公園における鹿せんべいのような餌付けはされていないので観光客の隙をついて食べ物を強奪する光景が散見された。

朝食での牡蠣グラタンの摂取が腸内環境に影響を及ぼしたためか、便所に立て籠もる回数が増えてしまったものの無事厳島神社の観光コースに乗っかることが出来た。

ここでの最大の見どころは何といっても潮の満ち引きの塩梅による大鳥居との大捕り物であるのだが、歩いて行けるタイミングと神社が海に浮かんで見えるタイミングを逃さないためには終日宮島にいなければならないはずであろう。

さらに厳島神社を慈しむために¥300という世界遺産としては破格の安さの拝観料を支払ってお参りさせていただくことにした。

拝殿、本社本殿等、威厳のある建造物には圧倒された一方で境内の中の御手洗の存在は観光客に安心感を与えるのだが、御手洗川には決して排出してはならぬことを肝に銘じて見学させていただいた。

ところで、厳島神社と言えばその造営者である平清盛の存在を忘れてしまっては困るのであるが、平家は清盛から代々篤くこの神社を信仰してきた。一方宮島の人々も清盛に深い愛着を持っており、清盛没後770年にあたる1945年には、「清盛を祀る社を」という宮島の人々の思いから清盛神社が創建され、見事その愛が結実されたのであった。

宮島にはびこる「馬と鹿」を目にした米津玄師も思わず♪これが、愛じゃなければ何と呼ぶのか僕はしらなかったぁ~♪と口ずさんでしまったことであろう。

FTBサマリー
総飛行機代 ¥16,740 / passenger
総フェリー代 ¥360 / passenger
総宿泊費 ¥39,100(2食付き、2名様)
総レンタカー代 ¥6,710
総ガソリン代 ¥493
総高速代 ¥430

協力 ANA、楽天トラベル、ニッポンレンタカー

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