それが始まりよったんは今年の5月に佐賀に工場を持っちょる株式会社SUMCOを訪問し、品質問題の打ち合わせが寒かった腹いせに帰りの佐賀空港で水出し嬉野茶を買った頃であったろう。

当時猛暑を迎えようとする中で何故かそれがFTBで大ヒット商品となったけん、なんべんも発注をかけないけんごとなったんやが、いっそのことそれがどけんして作られよるんかを思い知るために百聞は一見に如かず系のツアーが開催されるごとなったんよ。
10月3日(金)
13:05発ANA453便は羽田を定刻通りに出発し、15時過ぎには国際空港の看板を掲げちょる九州佐賀国際空港に到着した。楽天トラベル経由で予約したオリックスレンタカーのコンパクトカーが何か知らんけどスバルのハイブリッド普通車に格上げされちょったけん、気分よう佐賀平野の干拓地に繰り出すことが出来たんよ。
約1時間程車を転がし、栄光の名であるはずの武雄温泉をスルーしてついに嬉野温泉街へと滑り込んだんは5時過ぎくらいやったろうか?創業90年以上で嬉野川沿いに佇む和モダンの隠れ宿である吉田屋にチェックインを果たすと早速嬉野茶の香りが鼻孔をくすぐりよった。それもそのはず吉田屋の宿泊者限定のメニューとしてすでに「お茶体験」がスタートしており、フロントで生茶葉を受け取りよった客人は嬉野茶を自分で炒ってお茶の香りを楽しみながらお茶づくりを体験出来るごとなっちょるんよ。


腹が減っちょたけ、夕飯の時間を6時にしてもらい、勇んで食事処の席に着いて佐賀牛をメインに据えた地元料理を嬉野茶と共に堪能ばさせてもらったんよ。


日本三大美肌の湯を貸し切り風呂で全身にその成分を行き渡らせた後、吉田屋が「よもぎ蒸し」をアレンジして開発した「温泉お茶蒸し」を高値で体験することになったんよ。よもぎの代わりに、リラックス効果のあるラベンダーと爽快感のあるレモングラスをオリジナルブレンドした茶葉を使用し、さらに美肌効果で知られる嬉野温泉の源泉を蒸気に使用して、マントに梱包された人体の下半身から当てられよると粘膜が嬉し涙を流しよるごと爽快な気分やったんよ。

10月4日(土)
朝飯に出てきよった湯豆腐をええ塩梅で堪能し、嬉野温泉公式キャラクター「ゆっつらくん」に見送られて吉田屋を後にするとJR嬉野温泉駅前に君臨する道の駅 うれしの まるくに向かうことにしたんよ。まるくでは特に爆買い衝動は起きんかったけん、適当にお茶を買うてまるく収めたんよ。



嬉野茶の正体ば明かさないけんと思ったけ、茶を知るために嬉野市うれしの茶交流館チャオシル (https://chaoshiru.com/)にお邪魔させていただくことにした。受付の横には過去チャオシルを訪問した実績のある一流芸能人のサインが掲げられちょったんやが、佐賀をおちょくった歌でスターダムにのし上がったはなわやラップ芸人ジョイマンの色紙が一際輝きを放ちよるごとあった。



茶を知るためにはその製法のみならず歴史まで遡らないけんち思いよったけん、嬉野茶の名声がどげんして作られたかを大浦慶の「うれしの茶」貿易から学び取ることにした。イギリス人オルトからお慶に60トンの日本茶が発注され、気軽におっけいと返事したもののオルトがおるところにお茶を届けなならんくなってしもたので九州各地から茶を集めまくって海外へ送りよったというではないか。同時に佐賀藩がうれしの茶をパリ万博に出品したところ大屋根リングやミャクミャクのような思いもかけん人気となり、日本茶が急速に世界に浸透していき、昨今の抹茶ブームも真っ青やったらしいんよ。



♪I Wanna Dance Do You Like 茶、茶、茶♪のノリで一気に展示コーナーを見て回り、のどの渇きを覚えよったけん、喫茶コーナーでブルーマウンテンを発注しようしたが、ばちかぶるといけんけん代わりに蒸製玉緑茶と釜炒り茶と紅茶を発注し、レシピに忠実に従って飲み比べをして溜飲を下げよった。


うれしの茶発祥の地とされる嬉野市不動山地区には多くのキリシタン史跡が残っており、キリシタンとのつながりを契機にローマ法王にうれしの茶を贈りつけるならわしが確立されちょるごとあり、お茶を一服した法王が思わず「ほ~お~」と感心したところから法王名義で感謝状まで送られてきた実績を胸にチャオシルを後にしたんよ。



チャオシルでの座学にあきたらんかったけん、うれしの茶発祥の地と言われる「大茶樹」まで足を運び、フィールドワークをこなすことにした。国の天然記念物に指定されちょる大茶樹の推定樹齢は350年で嬉野のシンボルのひとつとなっちょるんやが、丁度白色五弁のきれいな花が咲いており、スズメバチのブーンサウンドに最新の注意を払いながらも生茶の香りを慈しむことが出来たんよ。




チャオシルから大茶樹に向かう道すがらに栄光の名を関した製茶工場が目についたので覗いて見ることにした。今後FTBの定茶屋になれるかどうかを見極めるために店舗に入店してあえて茶をごちそうになり、そのお礼にカラフルな茶筒と銘茶を購入してその実力ば吟味せなならんと思たんよ。




気が付けば長崎との県境が迫っちょたんで甘茶でかっぽれした勢いをかってそのまま長崎の宿を目指してひた走った。島原半島に突入し、キリシタン大名の優等生の一人である千々石ミゲルの名を冠した千々石展望台で「絶景かな!」と見得を切った後、生ビールでそうめんでも流し込もうという衝動に駆られたんやが踏みとどまって先へ進むことにした。



今日の宿泊地である小浜温泉街に入るとあたりにはも~も~とした湯気と温泉の臭気が立ち込めよった。その臭気を宿名に冠した「ゆのか」はオーシャンビューの室内から見る橘湾を借景とした部屋付き源泉かけ流し温泉が売りになっちょるごとあった。



チェックイン後、屋上の展望露天風呂の貸切まで時間があったけん、軽く温泉街を練り歩くことにしたっちゃ。海岸の人工島から高温の湯が噴出する噴泉塔が名所になっちょるようでその横に作られとる日本一の長さの足湯施設「ほっとふっと105」では多くの人々が白癬菌のシェアをしながら足だけ♪ばばんばバンバンバン、アビバのんのん♪をたのしみよるごとあった。



源泉温度105℃、放熱量(湧出量x湯温)日本一を誇る小浜温泉は名実ともにパワースポットであり、その蒸気は蒸し窯として天然の調理器具になっており、お約束の温泉たまごを買ったまではよかったが、高熱の卵の殻がなかなか冷めんかったんで旅館の部屋に戻り、高適温になった卵を貪りながらその固ゆで感を堪能させてもろたんよ。



屋上の貸切露天風呂で頭の位置を低くしてインフィニティ感を堪能すると待望の夕食時間と相成ったんよ。朝獲れの新鮮な海の幸から当地の名物料理である「温泉蒸し」はマサに小浜でしか味わえん逸品で是非米国の大統領やノッチも味わうべきやと思いながら静かな夜を過ごしよった。




10月5日(日)
早朝より屋上貸切露天風呂から小浜マリンパーク方面を見下ろしていた。Perfumeのようなアミューズ感を持つ浴衣後ろ姿の3人組ギャルが堤防の上で仰向けふて寝を決め込んでいたのだが、ふいに覚醒するとおもむろにラジオ体操をおっぱじめ、しかもそれはラジオ体操第二の最後の深呼吸まで息抜くことなく続けられ、それはまるで♪繰り返す このポリリズム♪んごとあったんよ。


小ぶりではあるが、風光明媚な小浜マリンパークをワイキキに見立てて開催されるイベントである「フラっとHAWAIIAN in 小浜温泉 2025」が本日の11時から開催されよるのでチラッと見させていただくことにした。


総勢約50組の素人フラダンスチームが季節外れの猛暑の中をフラフラになるまで踊り倒すということで11時の開園前から会場は熱気に包まれとった。


イベントを盛り上げるためか最初のプログラムは餅まきが予定されちょったんやが、何と餅が届いちょらんという不具合が判明したんやが、すでに体内のアルコール度数を上げている輩もくだをまくこともなく次のフラダンスのプログラムへとしれっと移行しよったんよ。

近年急激なリノベーションが進んどるごとある小浜温泉やが、温泉街の裏側に回ってみると古き良きしなびた遺物が残とった。店内で♪ききわけのない女の頬を ひとつふたつはりたおして♪といった当時は鬼畜ではなくダンディな所業や♪抱きしめるといつも君は洗った髪の香りがした♪といった哀愁のカサブランカが沢田研二や郷ひろみのリズムに乗って日夜繰り広げられちょったはずのスナックはもとより、さらに時代をさかのぼった旧小浜神社がその代表格であろう。



♪ボォギ~ ボォギ~♪とゴルフのスコアのようなリズムに乗って向かった先の山間にはモ~モ~とした蒸気が立ち昇っちょたんやが、そこの立派な門構えに小浜歴史資料館 (¥100) と記してあったので入ってみることにしたんよ。

温故知新系であるはずのこのファシリティは2つの建物から成っており、まずは1844年に建立された本多湯太夫邸にお邪魔させていただくことにした。広い縁側に囲まれた豪邸で庭を見つつ事務所で発注したアイスコーヒーを飲みながら過ごす時間はマサに至福であるんやが、取れたてのヒラメをさばいてヒレの付け根にある筋肉の部分を縁側で食すこともおつなものに違いなかろうと考えよった。




もう一つは歴史資料展示館なる建物でバラク・オバマをほうふつとさせるバラック系の温泉宿が立ち並ぶのどかな温泉街の様子がなつかしい看板達で彩られちょったんよ。



長い歴史を誇る小浜温泉やが、町に30か所ほどある源泉のメンテナンスは重労働で配管に詰まった炭酸カルシウムを定期的に砕き落とさなならんそうでマサに行楽地の光と影が反映されちょるごとあった。




15:40発ANA456便に搭乗するために佐賀空港への帰路を急いだんやが、到着直前になってANAから出発が40分遅れるという通知が舞い込んできやがったんよ。小浜で小浜ちゃんぽんを食いそびれてしもたんでこれを機に空港のレストランに駆け込んで伊万里牛の入った佐賀ちゃんぽんを佐賀ペールエールビールで流し込んで流れ解散とさせてもらったちゃ。


FTBサマリー
総飛行機代 ¥19,500.- / passenger
総宿泊費 ¥90,420(二名様、二食付き)
総レンタカー代 ¥9,200
総ガソリン代 ¥2,340
総高速代 ¥670
協力 ANA、楽天トラベル、オリックスレンタカー


























































































































































































































































