アロハ ボンよ ハワイ湯!?

というわけで、年末年始は猫も杓子もハワイに繰り出すため、飛行機代やホテル代が暴騰し、ワイキキビーチから湯気が出るほどの賑わいを見せるわけだが、ハワイ通のFTBはあえてその喧噪を避け、3連休を有効活用して夢の跡となっているはずの静かなリゾートでオーバーツーリズム対策を実践することにしたのだ。
1月10日(金)
21:15発NH182便A380フライングホヌ機は定刻より少し遅れて成田空港を出発したものの7時間弱のフライトで午前9時過ぎにはおなじみのダニエル・K・イノウエ国際空港に到着した。入国審査、税関をほぼ顔パスでスルーするとANA Travelersに予約させておいたSiXTレンタカーのカウンターに向かった。当初は手配済みのコンパクトカーをサクッとピックアップしてお出かけするつもりであったが、車に乗る前にレンタカー嬢のアロハスピリッツ的な口車に乗せられ、高値でBMWへのアップグレードを売りつけられたもののドイツ車に慣れておく必要があったのでその出費も必然であると自分に言い聞かせながら空港を後にした。

エレガントな乗り心地を背中に感じながら空港からH-1高速道路に入り、リメンバーPearl Harborを横目にオアフ島西部を目指してひた走った。ほどなくしてH-1の終点から地方道に入るとKo Olinaの看板を頼りにコオリナ・リゾートへの侵入を果たし、今回のツアーでの滞在先であり、今後のオアフ島での定宿になるはずのマリオット・コオリナ・ビーチ・クラブに首尾よくしけこむことに成功した。

コオリナとはハワイ語で「歓喜の結晶」という意味であるが、元々は風が吹けば♪ざわわ♪のリズムを奏でるのどかなサトウキビ畑だったはずである。そこにバブル期のジャパンマネーの流入等により一流リゾートへと華麗なる転身を遂げていった経緯から「バブルの結晶」と言っても過言ではないかも知れない。

何はともあれBMWをエントランスの車寄せに颯爽と横付けし、チェックインの手続きを済ませたのだが、応対していただいた八王子に居住実績を持っているが、地元の饅頭の話題がかみ合わなかったアカネ嬢の案内によると部屋の準備に時間がかかるということだったので横付けしたBMWを再起動して無料のSelf Parkingへと引き払った。時間的には小腹がすいてくる11時過ぎに差し掛かったのでリゾート内のLonghi’s Restaurantでビールを片手にブランチ兼時間つぶしと洒落こんだ。


程よく体内に循環したビールのアルコールがマイルドな時差ボケと相まって突然の睡魔を誘い、気が付くとロビーのソファーの上で意識を無くしてしまっていた。意識が回復した頃合いを見計らってかどうかは定かではないが、アカネ嬢から部屋の準備完了を告げる電話がかかってきたので部屋番号を確認し、鍵があかね~というトラブルもなく晴れてOne room suiteへと入室し、ビーチクラブの住人の一員として名乗りを上げることとなったのだ。




住人として必要な物資を調達するために「かっぽれ かっぽれ 甘茶でカポレイ!」と念仏を唱えながらコオリナに程近いオアフ島第二の都市のカポレイに向かった。とあるショッピングセンター内にウォルマートがあったので衣類売り場のへび年Tシャツを見ながらここにもヘビーローテーションで来ることになるだろうと考えながら韓国製のスナック等を買い込んでいた。

リゾートに帰還した時にはすでにサンセットを迎えていたので他のオーナーと一緒にしばしオレンジ色に煌めく西の空をながめていた。




ジャグジーの泡でバブルが弾けた瞬間を体感しながら体をリフレッシュさせた後、再びLonghi’s Restaurantに舞い戻り、地元食材が高値で提供されるディナーにもかかわらず、コオリナの物価に凍り付くこともなく平然と夜風に吹かれていたのだった。


1月11日(土)
マリオット・コオリナ・ビーチ・クラブでは、ここで休暇を過ごすオーナーのために豊富な日替わりアクティビティのプログラムが用意されている。朝9時過ぎの中庭の芝生上では運動に対する日ごろの意識が高くない人向けだと思われる負荷を抑えたビリーズブートキャンプ的なエクササイズが執り行われていたので朝食時の暇つぶしにその光景を眺めていた。




腹も適度に膨れたのでBMWのエンジン音をBGMにウエスト・コーストを北上してみることにした。点在するすばらしい純白ビーチとは対照的にカラフルなホームレスのテントが軒を連ね、とあるショッピングセンター内のスタバのトイレが暗証番号で管理されている事実が当地の治安を雄弁に物語っているような気がした。



ウエスト・コーストでも比較的治安が良いと言われているマカハ・ビーチパークで何某かのサーフィンイベントが行われているようだったのでしばしその技術を息をのんで見守っていた。尚、このあたりの海岸はサーファーの間ではロングボードの聖地としても有名なのだそうだ。




さらに西海岸線を北上するとカエナ・ポイント州立公園に差し掛かったので適当にBMWを停めて周囲の美しい光景に見入っていた。



ふと♪見つめあうと素直におしゃべりできない♪感覚を覚えたので青空に溶け合った青い看板に目をやるとここは紛れもない津波警戒地域であり、遊泳などもってのほかで浜辺から指を加えて海を眺めるアクティビティが推奨されているようだった。



時間の都合でウエスト・コーストの奥地に踏み込み、マネーの虎が住んでいそうな名前を持つカネアナ洞窟を経てカエナ岬まで到達することは出来なかったが、それは次回の宿題として一旦マリオットに帰還することにした。


人気物件のマリオット・コオリナ・ビーチ・クラブの予約を取るのは至難の業で、今回2泊分を抑えたものの、2泊目でStudioという狭い部屋に移らなければならなかったのだが、早めに部屋が準備出来たおかげで荷物を移動した後、じっくりとラグーン沿いの敷地を散策させていただくことにした。



熊谷組によって施工された4つのラグーンにはそれぞれハワイ語の名前が付けられており、当時のゼネコン技術の粋を集めて絶妙に配置された防波岩礁によりラグーン内には荒波が入ってくることはないので小さなお子様でも安心な入門リゾートとなっているが、工事期間中は熊の手も借りたいほど忙しかったことであろう。



昨日のチェックイン時にアカネ嬢から別のカウンターに立ち寄るように指示されていたのだが、そこでオカネではなく$125分のバウチャーと引き換えにツアーという名のセールスプロモーションに参加する段取りになっていたので飛んで火にいる夏の虫の気分で約束の午後2時半に指定場所のコナタワーの14階に上がっていった。
FTBがMarriott Vacation Clubデビューを果たしたのは2023年の9月で当時はセールスエグゼクティブのレディの売り込みに気を良くし、最後はどうでも♪ケセラセラ♪というリズムで契約に至ったのだが、今回応対に当たったのは男性だったのが意外だった。マリオットという看板から男性営業もMrs. GREEN APPLE系の優男を取り揃えているのかと思いきや私の前に姿を現したのは♪青いリンゴ♪をヒットさせた実績を持つ野口五郎が年を重ねていったような正統派紳士であった。

当初はすでに使ってしまった$125のバウチャーをまんまとせしめるための茶番リスナーに徹するつもりであったのだが、Higaと名乗るLiLiCo系のセールス・ディレクターの参戦により購買意欲に火が付いてしまっている自分がいた。契約の決め手になったのはHigaが何気なく発した一言で彼が野口五郎由来ではなくKEIO Boyだという事実であったが、もしかすると♪私鉄沿線♪の仮面を被った京王電鉄かも知れないという一抹の不安は残っていた。

契約担当者の業務が立て込んでいたので午後6時の再会を約束して一旦解散となった。帰り際の窓辺からマリオットの隣の敷地がまだ空き地のままである様子が見て取れるのだが、ここでは1999年にハワイでデビューを飾った嵐の15周年記念ライブが2014年9月に「ARASHI BLAST in Hawaii」という名のもとに執り行われた実績があるため決して荒らしてはいけない聖地になっているかのようであった。


ワールドカップバレーボールを私物化したフジテレビがイメージキャラクターとしてジャニーズ事務所にV6を立ち上げさせ、波に乗ったその4年後にデビューした嵐がその任を引き継いだ形になったのだが、その後大物アイドルグループとして成長した一方でフジテレビが破綻寸前に陥ってしまっている現状はマサに青天の霹靂と言えるのではないだろうか?
きらめく夕日をバックに奏でられるハワイアンを肴に早めのディナーを堪能した後、多くの契約書にサインするためにコナタワーの14階に戻って来た。私と同じ年齢だが、大学では1年先輩にあたるセールスエグゼクティブに勧められたポイント買い増しプランは今では運命に導かれたものであるという認識で契約書に剣よりも強いペンを走らせていたのだった。



1月12日(日)
12:30発NH181便フライングホヌ機は定刻通りに出発し、程なく挨拶に来たキャビンアテンダントにお帰りなさいと言われ、9時間以上のフライトを行きと同じクルーとともに機上の人となったのはマサに弾丸ツアーの醍醐味のひとつであろう。

1月13日(月)
午後4時半過ぎに成田空港に到着し、次にマリオット・コオリナ・ビーチ・クラブに帰ってくるときにはアカネ嬢に八王子のソウルフードであるみやこ饅頭を買っていかねばならないと考えながら流れ解散。

FTBサマリー
総飛行機代 ¥103,740 / Passenger
総レンタカー代 ¥38,019
総宿泊費 $31.68(税金のみ)
協力 ANA, ANA Travelers, SiXT, Marriott Vacation Club